自動車保険の等級は引き継げる?引き継ぐときのポイントと注意点

現在契約している自動車保険が満期に近づいたタイミングで、新しい保険に切り替えを考える方は多いでしょう。
しかし、いざ切り替えの際に「新しい保険に変えたら、今までの保険で高くなった等級はどうなるの?」「親や親族の等級は引き継げないの?」などと悩んでしまう話しをよく聞きます。
ここでは、等級を引き継ぐときのポイントと注意点、家族間でも引継ぎするポイントを紹介致します。

等級を引き継ぐメリット

事故を起こさず優良ドライバーであれば翌年から等級は一つずつ上がっていきますが、その等級を引き継ぐメリットは大きく二つあります。

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【等級】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
自動車保険の等級制度とは?保険料の割増引率を徹底解説

①保険料を安く抑えられる可能性がある。

保険契約者の事故歴によって、1年間無事故で保険金の支払いが無い場合は翌年から保険料が割引きになります。
等級は配偶者や親族に引き継ぐことができるので、長年安全運転をして等級の上がった親から子供に引継ぐ場合などは、値引き率が高くなることが多いので、保険料を安くできる可能性があります。

②無事故割引を引き継げる

自動車保険は等級に加えて、無事故であれば更に無事故割り引きとして保険が安くなります。
保険会社にもよりますが、平均2,000円〜3,500円程度安くなるので確認が必要です。
(保険契約期間が1年以上、保険期間中に「ノーカウント事故」「1等級ダウン事故」「3等級ダウン事故」がないことなど各社条件あり)

『ノーカウント事故』

事故があった場合でも等級に影響がない事故!

  • 自動車事故でケガをして、人身傷害保険金が支払われた場合
  • 原付で走行中に歩行者と接触し、原付特約の保険金が支払われた場合
  • もらい事故で示談交渉できず、弁護士等補償特約を利用して交渉した場合等

『1等級ダウン事故』

事故の際に、翌年の契約保険等級が1等級のみ下がる事故!

  • 「車両保険」のみや「車両保険+ノーカウント事故となる補償」を使用した場合の事故

『3等級ダウン事故』

事故の際に、翌年の契約保険等級が3等級下がる事故!

  • ノーカウント事故や1等級事故以外の全ての事故が該当します

自動車保険の等級引継ぎ方法

一部の自動車共済保険に加入している場合を除き、自動車保険の等級は引き継ぐことができます。
基本的にどの保険会社も「ノンフリート等級別料率制度」を使っています。
そのため、異なる保険会社に変更する場合でも等級の考え方と割引率は同じなので、等級が引き継がれるシステムになります。
では具体的にどのように引き継ぐのでしょうか?

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【ノンフリート等級別料率制度】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
ノンフリート等級別料率制度とはどんなしくみ?

自動社保険を乗り換えた時の引継ぎ方法

自動車保険を変更して乗り換える場合には、直前に加入していた保険会社の保険期間や事故履歴、等級などを正確に申告する必要があります。
自動車保険会社は、申告された情報に誤りがないか「等級情報交換制度」を利用して確認します。
この制度があるため、自動車保険会社は適正に判断し他社からの乗り換え時に等級を引き継ぐことができます。

  • 等級情報交換制度とは、一般社団法人日本損害保険協会が運営する制度で、各損害保険会社が日本損害保険協会を通じて等級を正確に判断できる情報を共有できるシステムです。

乗り換え時には、乗り換え先との契約と合わせて自動継続特約を契約に盛り込んでいるかの確認が必要となります。
通常の自動車保険契約は、契約期日満期に契約が終了するようになっています。自動継続特約の場合は、事前に保険会社への解約連絡をする必要があります。

車を乗り換えた時の引継ぎ方法

車を新たに購入して、従来の車から保険を引き継ぐ時は新規で自動車保険に加入するのではなく「車両入替」という手続きをします。
この手続きをすることで、現在の車両の保険の等級を引き継いだまま新しい車に保険を移行できます。

気をつける点として、自動車保険は契約者に紐ついている訳ではなく、車両に紐つけされています。
よって納品前に引き継ぎ手続きを終わらせていないと、万が一の場合補償がおりなくなります。

家族間の等級引継ぎ方法

今まで自動車保険にふれたことがない方は不思議に思われるかもしれせんが、自動車保険の等級は家族間で引き継ぐことができます。
新規で自動車保険に加入する場合は、6等級からのスタート(セカンドカー割引は7等級から)となりますが、家族から等級を引き継ぐと高い等級からとなります。

保険料の割引率が高い状態から始めることができるので、家族間で引き継げる等級がこの等級より高い場合は利用しましょう。

引き継げる続柄

等級を引き継ぐことができる続柄としては、「記名被保険者の配偶者」「記名被保険者の同居親族」「記名被保険者の配偶者の同居親族」です。
同居している友人や知り合い、仲の良い会社の後輩などに引き継ぐことはできませんので注意が必要です。

引き継げるのは配偶者と同居の親族

自動車保険の等級を引き継げるのは配偶者と親族となります。
配偶者は内縁関係でも認められており、婚姻の手続きは行なっていなくとも両者が婚姻の意思をもって同居している場合は配偶者として認められます。
親族も保険の等級を引き継ぐことができますが、「6親等以内の血族」および「3親等以内の姻族」の範囲までとされております。

同居が絶対の条件

等級は、配偶者や親族であれば誰にでも引き継げるというものではありません。
見落としがちな条件として、保険を引き継ぐ人と同居していることが必須条件となります。
配偶者や子供であっても、別居している場合は保険の等級を引き継ぐことができません。
引き継いだ後に別居するのは問題ありませんので、別居の予定がある場合はタイミングよく行う必要があります。

引き継げるタイミング

保険の引き継ぎは、次のようなケースにおこないます。

  • 新規に自動車を契約する
  • 契約車両を譲渡する
  • 契約車両の廃棄する
  • 車の所有台数を増やす
  • 車の所有台数を減らす

親の等級を子供に引き継ごうとする場合、既に子供が別の保険に加入しているのか確認が必要です。
子供が既に自動車保険を別で契約しているのに、車両購入して数年後のタイミングで親の保険に乗り換えさせるようなことはできません。
引き継ぐタイミングは事前に計画しておく必要があります。

親の等級をもらう

長年無事故である親の等級を引き継ぐと、保険料の負担を減らす大きなメリットがあります。親からの等級を引き継ぐタイミングは2パターンあります。
親が車の所持、使用をやめる
子供に親の保険を引き継ぐ

親が車の使用をやめて保険を使用しなくなる場合は、その保険を引き継ぐことができます。
その際、親は無保険となりますが車両を所持しないので問題ないでしょう。
一方、親の保険を子供に引き継いだ場合、子供としては高い等級から始めることでメリットがあります。
親は引き継いだタイミングで無保険となるので新規で保険に加入する必要があります。
しかし、ゴールド免許割引・年齢条件・車の使用目的・年間走行距離など加味されて子供が新規で保険に入るよりも安く契約することができます。
親子間で等級を引き継ぐと、トータルでは出費を抑えることができます。

条件を満たしても等級が引き継げない場合

前途で同居の配偶者や親族に等級が引き継げると学びました。
しかしながらこの条件を満たしていても等級が引き継げないことがあります。
それは次のような場合です。

保険の満期または解約から期間が空いてしまう場合

自動車保険は、契約するときに契約期間を決めます。
この契約期間が満了する日を満期日といいます。満期日までに保険を引き継ぐ手配をしないと等級を引き継げません。
そして保険の保証期間もその期日までになりますので、うっかり忘れて満期日以降に乗車して事故を起こすと補償を受けられないので気をつけましょう。

自動車を一時的に手放したりする時に、自動車保険の契約を解約すると等級が引き継げなくなります。
原則として自動車保険を解約してから、次の保険契約開始までは7日以内でなければならないとされております。
これを越えると等級の引き継ぎはできなくなり、等級がリセットされます。

再度契約を再開する可能性があるときは、「中断証明書」を発行するとよいでしょう。
保険会社によって異なりますが、10年程度までは等級を引き継ぐ期間を延ばすことができますので有効に活用しましょう。

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【中断証明書】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
中断証明書とは?発行するメリットと発行条件・方法

保険会社から解除された場合

自動車保険では、悪質な契約違反を行うと保険契約自体を保険会社より解除されてしまうことがあります。
契約が解除されると等級の引き継ぎはできなくなり、再契約した場合も等級がリセットされて6等級になります。
6等級以下の場合はそのまま引き継がれるのが一般的です。

解除事由に関しては大きく分けて4つの理由があります。

①保険料不払いによる解除

自動車保険の契約では、当然のことながら保険料を期日までに払い込む義務があります。
保険の支払い方法が一括払いの場合は、期日までに保険料が払い込まれない時、分割払いであれば、その月の保険料払込みが滞っている時、更に契約変更によって発生した追加保険料が期日までに払い込まれない場合などは、解除事由となります。

②告知義務違反による解除

自動車保険の契約では、危険に関する重要な事項に対し「告知事項」を定めています。
契約者は契約申込書によって、虚偽のない正しい事実を保険会社に適切なタイミングで告げる義務があると記されています。
告知事項に対し、「正しい事実を申告しない」「虚偽の申告をする」など悪質な行為をおこなうと、告知義務違反とみなされて、解除事由となります。

③通知義務違反による解除

自動車保険の契約では、②でご説明した告知事項の一部などを「通知事項」として定めています。
保険期間中に通知事項に変更があった場合は、速やかに保険会社に通知する義務があります。
この通知を怠ると、通知義務違反とみなされて解除事由となります。

④重大事由による解除

保険会社と契約者との関係は信頼関係で成り立っています。「保険金目当てに故意に事故を起こす行為」「保険金目当ての詐欺行為を行う」など、信頼関係を覆すような行為があった場合には、重大事由とみなされ、解除事由となります。

共済組合による自動車保険に加入していた場合

共済でも自動車保険同様の「自動車共済」というものがあります。
保険内容としては、自動車保険とほとんど変わらないものが多く用意されています。
しかし、この自動車共済の乗り換えで等級が引き継ぎできない場合があります。

教職員共済・都市職員共済・町村職員共済・自治労共済・トラック共済のいずれも、自動車保険へ等級引き継ぎができないので気をつけましょう。
引き継ぎできるのは、他の保険会社間の引継ぎと農協(JA)共済・全労済
全自共・日火連の場合となります。

保険会社によっては、引き継げる条件などが異なることがあるので事前の確認が必要です。

車を譲渡する場合、車を入れ替える場合

配偶者や親族間で車を譲渡する場合は、前途のように車と共に自動車保険を引き継ぐことができます。
しかし、友人や他人に譲渡する場合は引き継ぐことができませんので自身で新たに契約する必要があります。

車を入れ替える場合は、車両入替手続きをしますが、一定の条件を満たさないといけない決まりがあります。その条件とは、自動車の用途車種と引き継ぐ車の所有者に関する取り決めです。
自動車の用途車種は次の8車種である必要があります。

  • 自家用普通乗用車
  • 自家用小型乗用車
  • 自家用軽四輪乗用車
  • 自家用軽四輪貨物車
  • 自家用小型貨物車
  • 自家用普通貨物車(最大積載量が0.5トン以下)
  • 自家用普通貨物車(最大積載量が0.5トン超で2トン以下)
  • 特種用途自動車(キャンピング車等)

引き継ぐ車の所有者については次の4つのどれかである必要があります。

  • 入替前の契約の記名被保険者
  • 入替前の車の所有者
  • 入替前の契約の記名被保険者の配偶者
  • 入替前の契約の記名被保険者またはその配偶者の同居の親族

車を譲渡する場合の手続きは、自動車保険会社各社で大きな差はありませんが、車両入替の手続き条件は保険会社で異なることもあるので事前に確認すると安心です。

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親や知人から自動車を貰った時の保険はどうしたら良いの

まとめ

自動車保険の等級は、配偶者や親族間で引き継ぐことができます。
等級の高い親から、新規で加入する子供に等級を引き継ぐと自動車保険料の総額を抑えることができる制度なので、メリットがある場合は利用しましょう。

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