対物賠償保険

初めての方向け基礎知識

 

任意保険として販売されている自動車保険の中には基本補償として対人賠償保険と対物賠償保険があります。対人賠償保険が人への補償です。
一方の対物賠償保険は、ご契約されている車の事故で、相手方の車や所有物、家屋などの修理費用などを補償する保険です。
事故の相手の財物だけではなく、ガードレールや電柱、テナントなどへの損害も補償しており、重要な補償となっています。
自賠責保険は車両をはじめとするモノへの支払いがありませんので、任意保険の対物賠償保険がモノに関するカバーを行っていま
す。
交通事故で車対車の事故の場合には、相手方との過失割合を決めたのちに加入者側の過失責任割合相当分を支払います。
停車中の車両への追突事故など過失割合が100%の場合にはこうした過失割合の調整は行わずに支払いが行われています。
対物賠償保険の支払いも事故の内容によっては非常に高額になるケースがあります。
例えば線路に誤って侵入してしまい、電車と接触したケースでは電車の修理費用への支払いが対物賠償保険から行われており、高額な支払い事案として知られています。
また、よくある高額支払いのケースは、店舗や家屋への飛び込み事故が挙げられます。
コンビニエンスストアやパチンコ店など店舗の事案では実際に高額の賠償金を支払った判例もあります。
その他に、事故で車両に詰んでいた積荷や特殊な作業車の修理費用なども対物賠償保険の補償範囲です。

対物賠償保険における過失割合とは

対物賠償保険から支払いが行われるときに、よく過失割合のお話になります。過失割合については誤解されている方もおられますが、警察が決めているものではありません。
実況見分調書の作成など、警察は事故の記録作成は行いますが民事上の問題である過失割合には介入していません。
また、交通事故の保険支払い請求時に提出を求められる自動車安全運転センターで発行している「交通事故証明書」にも過失割合の記載はありません。
事故の当事者に関する氏名や住所が甲・乙の欄に記載されており、自賠責保険の加入先や車両番号などは記載されていますが、過失割合はあくまでも保険会社同士が協議をして決定しています。
過失割合は対人賠償にも適用されますが、自賠責保険からの支払いがあります。
また、被害者の救済のためである自賠責保険ではケガをされた方に7割以上の過失があったと認められた場合にのみ減額する、という規定があります。
つまり、7割未満の過失であれば人身分野については対物賠償で決まった過失割合に影響されず支払いが行われています。
対物賠償保険における過失割合は、実はトラブルが多くなっています。
よくあるケースが、保険会社に事故の報告を行う前に、当事者同士が事故現場などで口約束を行っていまい過失割合を決めてしまったケースです。
当事者間でこうした取り決めをした後に保険金請求を行っても、実際にその通りに保険会社が保険金の支払いが出来るわけではありません。
また警察に相談をしても民事不介入ですので、過失割合を決めてくれることはありません。
口約束はトラブルを招くことが多く、軽微な車両同士の事故にも関わらず交渉が難航することがあります。
少し擦ってしまった、程度の車両同士の事故でも過失割合や保険金の支払いについてはプロである保険会社にお任せしましょう。
また、警察に事故の届け出は軽微な事故の場合でも行いましょう。
過失割合のお話になると、一体保険会社はどのように決めているのか、と疑問に持つ方も多いようです。
よく保険会社同士の交渉力の差、担当者の経験の差の様に認識されている方もおられます。
しかし、過失割合には一定の基準があります。交通事故にはたくさんの判例があるので、こうした過去の事案を基に決定しています。もしも過失割合に納得が出来ない、相談したい場合には弁護士相談や公益財団法人日弁連交通事故相談センターにおける無料相談を活用してみるのも良いでしょう。

対物超過修理費特約とは

対物賠償保険は相手方の車両の修理費などに対応していますが、車の時価額を超える修理費が発生しても支払うことが出来ません。
例えば長く大切に乗っていた軽自動車の修理費を概算したところ100万円かかるとわかっても、現在の時価額が10万円の場合はあくまでも10万円を限度にしか支払うことが出来ない仕組みです。
これは対物の費用を無制限に設定していても同じです。
そのため、より補償を高めるために「対物超過修理費特約」があります。(保険会社によっては特約の名称が異なります)
物損事故の交渉場面において、この時価額払いについてはトラブルになることが多くなっています。
実際に時価額は低くても購入時は高級車であった、などの理由で示談交渉が決裂することは良くあります。
この特約はこうしたトラブルを防ぐためにあり、修理費用と時価額分の差額を一定の限度額の中で上乗せする仕組みです。
事故の際に気持ちよく解決するためにも、対物超過修理費特約を付帯して対物賠償保険をバックアップしておくと良いでしょう。

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