型式別料率クラスで保険料が変わる仕組みとは?

自動車保険を選ぶ時のポイント

「満期前と同じ条件で事故もないのに、なんで保険料が上がるの?」
保険の更新時期に、こんな疑問や不満をお持ちではないでしょうか。

保険料が上がった原因は、型式別料率クラスかもしれません。
保険料が上がった原因がよくわからないまま更新手続きをしたくないですよね。

この記事を読むと、型式別料率クラスの仕組みや料率クラスが高い車の特徴を理解できます。
保険料への影響も分かるので、満期前と後で保険料に違いがあっても、納得した内容で更新手続きできるでしょう。

この記事でわかること

  • 型式別料率クラスとは型式ごとにリスクの大きさを数値で表したもの
  • 型式別料率クラスの対象は「自家用普通乗用車」「自家用小型乗用車」「自家用軽四輪乗用車」の3車種
  • 型式別料率クラスは4つの項目「対人」「対物」「傷害」「車両」ごとに普通車は17段階、軽乗用車は3段階で評価される
  • 型式別料率クラスの数値が大きくなるほどリスクが高く、保険料は高額になる
  • 型式別料率クラスは損害保険料率算出機構が型式ごとに過去の実績データに基づいて決定し、毎年更新される

型式別料率クラスとは

自動車保険の保険料を決める要素にはさまざまなものがあります。

  • 運転者の年齢
  • 免許証の色
  • 車の種類(自家用・営業用)
  • 車の型式(型式別料率クラス)
  • 利用する目的(レジャー・通勤通学・業務用)
  • 過去の事故歴(等級)

上記はどれも保険料に大きく関係します。
中でも型式別料率クラスは保険料を決める重要な要素のひとつです。
車の型式によってリスクが大きく違うからです。
リスクの違いを保険料へ反映させる型式別料率クラスについて解説しましょう。

4つの項目で17段階で評価

型式別料率クラスとは型式ごとにリスクの大きさを数値で表したものです。
型式別料率クラスの対象は「自家用普通乗用車」「自家用小型乗用車」「自家用軽四輪乗用車」で、型式ごとに以下4つの項目に分けて評価されます。

  • 対人保険
  • 対物保険
  • 車両保険
  • 傷害保険(人身傷害保険)

クラスの数値は、用途車種によって以下表のとおり17段階もしくは3段階で表します。

用途車種料率クラスの段階
自家用普通乗用車1〜17
自家用小型乗用車
自家用軽四輪乗用車1〜3

数字が大きいほど事故のリスクが大きくなり、保険料は高くなります。
反対に数字が小さければ事故のリスクが低いことを意味し、保険料は安くなります。

自家用普通乗用車と自家用軽四輪乗用車の料率クラスの例を見てみましょう。
(保険始期2023年1月1日〜12月31日)

自家用普通乗用車
【トヨタ プリウス 型式:NHW20】

補償内容料率クラス
対人保険12
対物保険10
人身傷害保険11
車両保険8

自家用軽四輪乗用車
【ホンダ N-BOX 型式:JF4】

補償内容料率クラス
対人保険1
対物保険1
人身傷害保険1
車両保険2

自家用車は1〜17のクラスで評価され、一番低い1と一番高い17では保険料率の格差が約4.3倍。
自家用軽四輪乗用車は1〜3のクラスで評価され、1と3の保険料率格差は1.2倍になります。

料率クラスの決め方は?過去の事故実績をもとに決定

料率クラスは損害保険料率算出機構が型式ごとに過去の事故実績データに基づいて決定します。
保険加入者がそれぞれのリスクに応じた保険料を負担できるしくみにするためです。
損害保険料率算出機構は各保険会社から型式ごとの保険料・事故率・保険金など莫大なデータを収集し、調査・統計を行って料率クラスを決定します。
各保険会社は提供された料率クラスをもとに自動車保険の保険料を算出し、加入者が負担する保険料が決まります。

例えば、コンパクトカーとスポーツカーでは事故率も保険金の支払額も違うため、料率クラスも大きく異なります。
しかし、料率クラスの高い車が危険な車や事故率が高い車というわけではありません。
車自体の性能が高くても、使われ方や運転する人の特性によって全体の支払保険金が多くなりやすい車もあります。

自動車の型式とは

自動車の型式とは、車の構造や性能を分類するための記号です。アルファベットと数字の組み合わせでできています。
車検証に記載されており、枠内に書かれている文字のうち横棒より後ろの部分を型式と呼びます。

参考URL 損害保険料率算出機構
自動車保険型式別料率クラスのしくみ

同じ車種でも、発売年やモデル、グレードなどによって型式は異なります。
例として、歴代プリウスの料率クラスを表で比べてみました。

プリウス型式料率クラス
対人対物傷害車両
2代目NHW201210118
3代目ZVW301110118
4代目ZVW5012899
ZVW5195109
ZVW552659

同じプリウスでも年式やグレードによってクラスが大きく違うことに気づくでしょう。
対人・対物・傷害は新しい年代の車になると大きく下がっています。安全性能の進歩が影響しているのでしょう。
性能が上がった分、修理代は高くなり車両は新しい年代の車の方が高くなっています。

輸入車などで型式がない車は用途車種などで料率クラスが判断されます。
保険会社によって取扱いが異なる場合があるので、問い合わせてみてください。

型式別料率クラスが適用される車

型式別料率クラスが適用される対象車種は「自家用普通乗用車」「自家用小型乗用車」「自家用軽四輪乗用車」でした。
料率クラスの体系を普通車と軽自動車に分けて見てみましょう。

普通車の料率クラス

自家用乗用車、いわゆる普通車の料率クラスは1〜17の17段階です。
2020年1月に9段階から17段階にクラスが増えました。
対象台数が多い普通車を細かく分類して、リスクの差をより正確に保険料に反映させるためです。

2020年度のデータによると、普通車が占める割合は全車種のうち49.8%で、約半分を占めています。
内訳は自家用普通乗用車が26.2%、自家用小型乗用車が23.6%です。

どんな車の料率クラスが高いのでしょうか。
一般的には高級車や外車、スポーツカーの料率クラスは高めでコンパクトカーは低めです。
以下の車の料率クラスを参考に比べてみました。

型式料率クラス
対人対物傷害車両
BMW 35U3088717
クラウンARS2106378
ノートNE123666

高級車や外車・スポーツカーはパーツも高価で修理費用が高額になる傾向があり、車両保険の料率クラスが高くなりがちです。

また、高級車はトラブルの被害にあう確率も高くなります。
盗難や車上荒らしに狙われるケースも多く、車両保険が上がる要因となっています。

しかし、高級車だから高いと一概に言えるわけではありません。
車両以外の部分では、他の車と同じくらいのクラスに設定された車もたくさんあります。

軽乗用車の料率クラス

軽乗用車の料率クラスは1〜3の3段階です。2020年1月を境に軽乗用車にも料率クラスが適用されるようになりました。
型式ごとの特性の多様化を保険料に反映させるためです。

2020年度全車種における軽乗用車の割合は28.5%と、自家用普通乗用車26.2%や自家用小型乗用車23.6%を超えています。
軽乗用車の台数は毎年増え続け、右肩上がりです。

台数が増えるにともなって、軽乗用車の種類が増え、型式ごとの形状や性能が多様化していきました。

料率クラスは乗る人の年代にも左右されます。
若年層や年配の人に好まれる車種は統計的に事故率が高くなり、料率クラスも上がります。

上がるといっても軽乗用車のクラスは1〜3で、1と3の保険料率格差は1.2倍です。普通車に比べれば料率による保険料差は少ないといえるでしょう。

料率クラスは毎年見直しされている

料率クラスは毎年1月に見直され、更新されています。
最新の事故実績を反映し、保険加入者の公平性を確保するためです。

同じ車でも保険始期が違えば料率クラスも違い、保険料も異なります。
保険料は、保険期間初日時点の料率クラスを採用して保険料が計算されるからです。

以下のホンダステップワゴンは型式は同じでも保険始期によって料率が変わっています。
右が2022年始期、左が2023年始期の料率クラスです。

参考URL:損害保険料率算出機構
型式別料率クラス検索

2020年1月、料率クラスには大きな改定がありました。
車の多様化が進み、より細分化されたリスク区分が必要となったためです。
普通車の料率クラスは9段階から17段階に増え、軽自動車にも料率クラスが導入されました。

今後、車を取り巻く社会情勢はどんどん変化していくことが予想されます。
2022年5月にはサポートカー限定免許の制度が始まり、コネクテッドカーや自動運転車も普及していくでしょう。

保険加入者がリスク変化に応じた保険料を公平に負担できるよう、料率は毎年メンテナンスされています。

料率クラスによる保険料への影響

料率クラスが変わると保険料も変わります。
自動車保険を構成する4つの保険料「対人」「対物」「人身傷害」「車両」にそれぞれ影響するからです。

料率クラスが変わるとどのくらい保険料が違うのかをシミュレーションしてみました。
(保険料表に使った車はすべてトヨタのヤリス)
(補償内容は統一し、車両保険金額も一律)

②と③の傷害と車両の違いに注目してみましょう。
②→③で傷害も車両もクラスが1つ上がっています。差額は傷害が90円、車両は2,240円です。

①と②では傷害が2つ、車両が1つ上がっています。差額は傷害が160円、車両が2,050円です。

車両の料率クラスが保険料に与える影響の大きさが分かります。

MXPA10KSP210MXPA15
補償内容料率保険料料率保険料料率保険料
対人保険329,980328,800632,710
対物保険347
傷害保険61,21031,37091,460
車両保険521,460623,510725,750
合計41,49042,54048,880

試算保険会社:某自動車保険
(※縦の合計が合わないのはインターネット割引等を表記していないため)

料率クラスによって保険料が上がったときは、安くするために以下3つの方法を検討してみてください。

  • 補償内容を見直す
  • 他社で見積もりしてみる
  • 高い等級の保険と入れ替えする(条件あり)

まずは補償内容を見直してみましょう。
他の保険と補償が重複している特約がないか確認してください。
人身傷害の車外危険担保特約や弁護士特約・個人賠償特約は重複しやすい特約です。

車両保険をつけている場合は免責金額という自己負担金を設定すると保険料が安くなります。
車両保険の料率は保険料に与える影響が大きいため、変化を大きく感じられるでしょう。

補償は変えたくない場合、他社で同じ補償内容の見積もりをしてみましょう。
保険会社ごとに特徴があるため、補償内容は同じでも安い保険が見つかるかもしれません。
一括見積もりを使えば、一度に複数の見積もりをとれて便利です。
条件がそろえば、高い等級の契約と等級の入れ替えを検討してみましょう。
入れ替えすれば、保険料を抑えられる可能性があります。ただし、入れ替えするには条件があります。
「同居の家族間で車が2台以上あること」「車を乗り換え(廃車や増車)するタイミングであること」2つの条件がそろっていないと入れ替えできません。

オススメの記事

【免責金額】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
車両保険の免責とは?いくらにしたらよいか

 

オススメの記事

【等級の入れ替え】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
自動車保険の等級は引継ぎ可能!引き継ぐときのポイントと注意点

まとめ

この記事では型式別料率クラスについて以下4点を解説してきました。

  • 型式別料率クラスとは何か
  • 対象車種と評価項目
  • 型式別料率クラスの決め方
  • 保険料への影響と対策方法

型式別料率クラスは損害保険料率算出機構が各保険会社から型式ごとの莫大な保険データを収集し、調査・統計を行って決定します。
あなたの車で事故がなくても全体でリスクが高まれば料率クラスは上がり、次年度の保険料は上がります。
反対に事故を起こしても、全体のリスクが下がれば料率クラスも下がり、保険料は安くなります。
料率クラスは個人でどうにかできるものではありませんが、保険料が上がった場合は、補償の見直しをしたり他社で見積もりしたりと工夫する余地はあります。
車の購入や買い替えをするときは、料率クラスで保険料が変わることを念頭において車選びの参考にしてください。
型式別料率クラスの知識は役に立つはずです。

 バイク保険STATION
バイク保険の比較サイト

関連記事

特集記事

引受保険会社