自動車保険の「対人対物賠償」について詳しくご存じですか?
自動車保険において最初に考える部分がこの対人対物賠償なのですが「無制限で入るのが当たり前だと思い、何も考えずに加入した!」「説明は受けたはずだけど、いまいち覚えていない!」このような方が多い印象です。
筆者は過去に保険業務も担当していました。
保険の提案や説明をする上で、自身の保険について把握していない方がとても多かったです。
今回は、自動車保険の対人対物賠償の内容や料金、無制限プランを選ぶ際の注意点についてご紹介します。
この記事を読むと対人対物賠償について詳しくなれるだけでなく、現在ご加入のプランよりも保険料が安くなるかもしれません。
ぜひ最後までご覧ください。
この記事をまとめると
- 対人対物賠償は無制限プランを選ぶべき
- 無制限プランにすることで十分な補償額と安心感を得るメリットがあるが、支払う保険料が高くなるデメリットがある
- 等級や運転者限定、割引制度などを活用して保険料を抑えることができる
対人対物無制限とは
正確には「対人賠償」と「対物賠償」に分かれています。
それぞれの補償範囲について詳しくご説明します。
対人補償の範囲
対人賠償は、自動車事故により死傷した相手に対して発生する損害賠償金のうち、自賠責保険ではまかなえない部分をカバーする補償です。
事故による自分の怪我は対人賠償ではなく、人身傷害保険に該当します。
また事故の相手も自身の配偶者や子ども、親などの場合は補償の対象になりません。
あくまで「他人を死傷させた場合」に有効な保険です。
【対人賠償】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
自動車保険における対人賠償とは?
対物補償の範囲
対物賠償は、自動車事故により損害を受けた相手の自動車や物、財物に対して発生する損害賠償金を補償してくれます。
事故によって破損した自分の車は対物賠償では補償されず、車両保険に該当します。また車だけでなく、自分の家なども補償されないので注意しましょう。
【対物賠償】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
自動車保険における対物賠償とは?
無制限プランのメリット
次に対人対物賠償を無制限プランにするメリットをご説明します。
十分な補償額の確保
対人対物賠償を無制限プランにすることで、確実な補償額を確保することができます。
自動車事故によって他人を死傷させた場合、対人賠償保険を使用する前に自賠責保険から賠償金をお支払いします。
自賠責保険では最大4,000万円まで補償してくれ、それ以上の費用がかかる場合は対人賠償保険からお支払いします。
無制限でなくても十分に思えますが、過去の死亡事故や後遺障害が残る事故の判例を見てみると、賠償金額が「億」を超えるものも少なくありません。
自賠責保険や対人賠償保険で賄えない賠償金は、当然加害者側が個人で負担する必要があります。
無制限プランに加入すれば、当然ですが賠償金を個人負担する恐れがなくなります。
安心感の提供
自動車事故による賠償金額がいくらになるかは想像もつかず、常に不安が付きまといます。
しかし無制限プランにすることで、それらの心配が無くなります。
無制限プランだから、運転に気をつけなくていいわけではありません。
運転は常に気をつけた上で、無制限プランによる安心感を得て、心置きなくドライブを楽しむことができます。
また自分だけでなく、生計を共にする家族も安心させることができます。
自動車事故は相手はもちろん、家族も不幸になる可能性があることを覚えておきましょう。
無制限プランのデメリット
次に対人対物賠償を無制限プランにするデメリットをご説明します。
高額な保険料
無制限プランは賠償金額の補償範囲が広がる反面、それに伴い保険契約者が支払う保険金額が高くなります。
反対に無制限プラン以外を選択すると、支払う保険金額は低くなります。
保険会社が負担する可能性のある賠償金に制限を設けるので、設定金額が低くなるほど支払う保険金額は低くなります。
必要以上の補償となるケース
自動車事故による賠償金額は、事故の程度によって様々です。
例えば軽微な事故の場合、賠償金額で数千万円や数億円を超えることはまずありえません。
にも関わらず保険の設定金額を無制限にしていると、多少もったいない気もしますよね。
しかしリスクはつきまとうので、様々な可能性を考えた上で金額を設定しましょう。
料金比較のポイント
支払う保険料を決める上での、対人対物賠償の比較ポイントについてご説明します。
補償内容の違い
対人対物賠償における補償内容の違いとは、補償してくれる賠償金額の違いです。
無制限プランを選択すれば、いざという時の安心感を得ることができますが、支払う保険料が高くなります。
一方で賠償金額に上限のあるプランを選択すれば、支払う保険料が安くなる反面、重大な交通事故を起こした際のリスクは高まります。
保険契約前の見積もり段階でどちらのプランも保険料を算出し、無理のない料金であれば無制限プランに加入することをオススメします。
割引制度の有無
自動車保険には様々な割引制度があり…
- ハイブリッド割引(ハイブリッド車での保険契約)
- ゴールド免許割引(ゴールド免許を保有している者の保険契約)
- ASV割引(衝突軽減装置を有している車両での保険契約)
などが挙げられます。
これら割引の対象であれば、通常支払う保険料よりも安くなるので、より無制限プランを選択しやすくなります。
無制限プランを選ぶ際の注意点
筆者は無制限プランへの加入を勧めますが、自身のライフスタイルや等級などによっては注意が必要です。
それぞれの注意点をご説明します。
保険料の節約
先にご説明したように、無制限プランにすることで保険料は高くなります。
もちろん金額に見合った補償内容なのですが、保険料によって生活が苦しくなる状況などであれば、無理に加入する必要はありません。
自動車保険の加入前に、一度家計を見直してみましょう。
等級制度の利用
自動車保険の等級制度では、等級が高いほど保険料が安くなり、等級が低いほど保険料が高くなる仕組みです。
この等級が高ければ保険料は比較的抑えられる傾向にあるので、なるべく無制限プランを選ぶと良いでしょう。
運転者限定割引の活用
自動車保険は車両を運転する者を限定することで、保険料が割引になります。
一般的な区分としては…
- 本人限定
- 本人配偶者限定
- 家族限定
- 限定なし
に分かれています。
運転する可能性が低い者をあらかじめ選択肢から外すことで、支払う保険料を安くすることができます。
対人対物賠償は無制限にすべき!
対人対物賠償を無制限にすることで…
- 制限のない補償額
- 安心感
を得られるメリットがあることが分かりました。
一方支払う保険料が高くなるデメリットもありますが…
- 何かあってからでは遅く、相手のことを考えると無制限にすべき
- 自賠責の範囲を超えた差額を手出しすることは難しい
というリスクもあります。
無制限プラン以外を選択する方は、節約目的の方がほとんどでした。
筆者はそのような場合、対人対物賠償ではなく人身傷害や車両保険などから節約を考えたり、自動車には関係ないライフスタイルでの節約を検討するように伝えていました。
車の運転は安心感を持って行うのが一番です。ぜひ無制限プランを選び、余計なことは気にせずドライブを楽しみましょう。
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