全国で多い事故とはどんなもの?
スマホのながら見運転による事故、飲酒による事故など、日々色んな交通事故に関するニュースが目に留まりますが、日本全国で見ると一体、どんな交通事故が多いのでしょうか。「全国的に多い事故」を簡潔に紹介します。
令和4年(2022年)の交通事故の発生状況
令和4年(2022年)の警察庁交通局「交通事故の発生状況」によると、全国的に多い交通事故は以下です。
人対車両の場合
人対車両の交通事故は、「横断歩道通行中」が最も発生しており、2位に「その他」、3位に「背面通行中」となっています。
ドライバーの方は横断歩道に侵入する際に十分に気を付ける必要があるほか、近年は歩道への乗上げなどにより死亡事故も発生しているため、ご注意ください。
引用 令和4年 警察庁交通局「交通事故の発生状況」表3-5-1より
車両相互の場合
車同士の事故の場合、全国で最も多いのは「追突事故」、2位に「出会い頭」、3位が「その他」です。
追突事故は進行中よりもその他の場面での事故が多くなっており、停車中の車両に追突してしまう事故が多いと考えられます。
引用 令和4年 警察庁交通局「交通事故の発生状況」表3-5-1より
この他に、単独事故の場合は転倒事故が多くなっています。工作物(電柱やガードレールなどへの衝突も多いためご注意ください。
「高齢ドライバーの交通事故の傾向」
近年政府も力を入れている高齢ドライバーの事故問題ですが、高齢ドライバーにはどんな交通事故が多いのでしょうか。
75歳以上に着目して、運転免許保有者数の推移を見ると,令和元年の75歳以上及び80歳以上の免許保有者数は,平成21年と比較して、75歳以上は約1.8倍、80歳以上は約1.9倍と増加の一途をたどっており、免許の返納が社会問題化しています。
引用 内閣府 特集 「未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策について」 第1章 子供及び高齢運転者の交通事故の状況 第3節 高齢運転者の交通事故の状況 特集36図より
■高齢者は車両単独事故が多くなる
一般的に年齢を問わずに全国的に多い交通事故は横断歩道への侵入や車両同士の追突事故ですが、75歳以上の高齢運転者の死亡事故を類型別に統計したデータによると、車両単独による事故の割合が高くなっています。
75歳未満は横断歩道での事故が多いことから、高齢のドライバーは工作物への衝突などが多く、運転ミスのよる重大な事故が多いと言えます。
高齢者はハンドル操作ミス、ブレーキとアクセルの踏み間違えも多いため注意が必要です。
高齢運転者(65歳以上)による事故の刑事裁判例について検討した論文(※1)を参考にすると、認知症のドライバーだけではなく、高齢者になると何らかの疾患に罹患していた運転者が多いと考えられています。
具体的にはてんかん、糖尿病、心臓病、がん、難聴、白内障などで、直接的な事故原因は、不適切な操作です。
高齢者になったら、認知症以外の病気も多くなります。
早期の免許返納も視野に、安全運転を心がけましょう。
(※1)参考 馬場美英子 一杉 正仁(令和元年) 日本交通科学学会誌 第19巻 第2号 「原著論文 高齢運転者の自動車事故刑事裁判例の検討による 運転者の法的責任と予防策について」P1
盗難事故はどこで発生が多い?
盗難に備えるためにはどんな保険が必要?
車両の盗難事故は愛知県などで多数発生しており令和4年度は増加に転じています。大切な愛車を守るために、日頃から防犯対策をしっかり行いましょう。
大切な愛車が、ある日突然盗まれてしまうことがあったら、一体どうすれば良いでしょうか。
令和4年度には、車両の盗難件数が5732件にも上っており、前年度の統計と比較すると増加しています。
車両の盗難は2000年代には6万件を超える発生年数でしたが、近年は大幅に減少していました。
しかし、昨年は増加に転じたことから、今後も増加が続く可能性もあり注意が必要です。
「大きな車両がどうして盗まれるの」、と疑問に思うかもしれませんが、自動車の盗難は全国で頻繁に起きています。
令和4年度の車両盗難発生ランキングは1位が愛知県、2位が大阪府、3位が千葉県とされており、大都市圏を中心に発生しやすいことが判明しています。
大都市圏は以前から車両の盗難事故が多いと言われていますが、盗難事故を防ぐコツは無いのでしょうか。
また、どうして大都市圏では盗難事故が多い傾向にあるのでしょうか。
ここでは盗難事故車種ランキング、盗難車事故実態調査(日本損害保険協会発表)などに触れながら、盗難を防ぐコツや、備えるための保険を紹介します。
令和4年度の車両盗難事件の発生概要
全国で発生している車両の盗難事故は、ランキング形式で分析できます。
では、令和4年度の発生件数はどのような状況でしょうか。
都道府県別の自動車盗難件数は、日本損害保険協会による「自動車盗難事故実態調査」が統計結果を発表しています。
以下が調査の概要です。
【第24回自動車盗難事故実態調査結果】(日本損害保険協会)
調査期間 令和2年1月1日~令和4年12月31日
調査対象 保険会社21社
参考URL:日本損害保険協会
自動車盗難対策
車両本体の盗難は愛知県がワースト1位
車両本体が盗まれてしまった事故は、令和4年度の統計を見ると、第1位が愛知県、第2位が大阪府、そして第3位が千葉県です。
埼玉県や茨城県も多く、東京都近郊に位置する関東エリアは車両本体の盗難事故が多いと言えるでしょう。
愛知県では令和2年(2022年)はワースト2位、令和3年(2021年)はワースト1位であり、毎年多くの盗難が発生しています。
発生件数を比較すると、愛知県の場合令和3年は448件、令和4年は576件と100件を超える増加であり、今後も注意する必要があるでしょう。
では、どうして愛知県は車両本体の盗難が多いのでしょうか。
どうして愛知県は車両本体盗難が多い?
日本国内の多くの地方都市は「車社会」であり、一家に何台も車を所有しているケースも決して少なくありません。
車が多い街なら、車両は盗難されやすいとも推測できますが、上記の統計にあるように、盗難は国内の大都市部に集中しています。
特に愛知県はワースト3位以内を推移しており、全国でも有数の車両盗難危険地帯です。
愛知県警察によると、車両の盗難はランドクルーザー(プラド含む)、レクサスLX、プリウスと「トヨタの車種」に集中しています。
トヨタ車は世界的な評価を受けており、盗難車の多くは海外に輸出されてしまっていると考えられています。
また、人気車種のため部品を取り、盗難と特定されにくい状態の部品を転売して現金化している窃盗集団もいると考えられています。
愛知県はトヨタのお膝元であり、多くのトヨタ車を街中で見かけることができます。
つまり、車両の窃盗集団は愛知県をターゲットに多くのトヨタ車を狙っており、窃盗を繰り返していると考えられるのです。
自動車の施錠だけの対策では防ぎきれず、純正のセキュリティーも無効化されていると言われています。
参考URL:愛知県警察
自動車盗・部品ねらい・車上ねらい
盗難被害に遭いやすい車種とは
上記で愛知県警察が触れているように、窃盗団に狙われやすい車種があります。
第24回自動車盗難事故実態調査結果の中には、「車名別盗難状況 車両本体盗難」と呼ばれる統計結果もあります。
上記は日本損害保険協会が発表している、令和2年~令和4年の車名別盗難状況の統計結果です。
令和4年度の発生件数を見ると、驚くことにワースト1位から10位まで、すべて「トヨタ車」であることがわかります。
特に大型で海外でも人気が高いランドクルーザーは令和4年度、3年度とワースト1位につけており、令和2年度もワースト2位です。
プリウス、レクサスといったトヨタの名車がこぞってランクインしており、人気車ゆえに盗難に遭いやすいことがうかがえます。
アルファード、ヴェルファイアといったミニバンも盗難に遭いやすく、家族のお出かけ用に購入した大切な愛車も、ターゲットになってしまうケースが後を絶ちません。
車両はどのように盗難されるの?
対策方法はある?
車両の盗難は減少傾向にあるものの、令和4年度は増加に転じたことから注意が必要です。
では、車両は一体どのように盗難されるのでしょうか。この章では盗難の手口や対策について詳しく解説します。
車両を盗難する手口
車両の盗難はある日突然起きてしまうものです。では、実際にはどのような手口で盗難されているのでしょうか。
1.停車中を狙う
コンビニや郵便局への投函、など、ちょっとの立ち寄りのつもりで、車にエンジンをかけたまま放置していませんか。
鍵が付いたままの車両はあっという間に盗難されてしまうことがあります。
特に深夜帯のコンビニは狙われる傾向があり、わずかな下車であっても、エンジンを切り鍵もかけることが重要です。
2.ロックを解除する
窃盗団は複数名で動いていることが多く、見張りをつけながら針金などで窓をこじ開け、ロックを解除するケースがあります。
しかし、最新の車両は「イモビライザー」が付いていることが多く、そう簡単にはロック解除はできません。
しかし、イモビカッターを使った盗難も相次いでいます。
テクノロジーを駆使した車両の盗難は多く、「CANインベーダー」と呼ばれる手口が浸透しています。
昔の車両とは異なり、現在多くの車両にはコンピューターのシステムが搭載されています。
このシステムに侵入し、エンジンを始動させる手口です。
わずか数分でロックが解除されているため、自宅の車庫から盗まれるケースも多発しています。
スマートキーから発する電波を乗っ取るようにして窃盗する手法も発覚しており、「最新車両だから安全」とは言えなくなっているのです。
スマートキーを悪用した盗難手法は「リレーアタック」と呼ばれており、対策に苦慮している方も多くなっています。
3.窓ガラスを割る、レッカーする
大胆不敵にも、窓ガラスを割って車両を盗難するケースもあります。
また、狙った車両を確実に盗難するために、レッカーしてしまうケースもあります。
強引な手法も、全国的に見受けられるため注意が必要です。
車両を盗難から守るコツとは
さまざまな手法で車両を盗む窃盗団が存在する以上、車両の所有者側も対策を講じていく必要があります。
では、車両を盗難から守るためには、一体何ができるでしょうか。3つのコツを紹介します。
1.駐車場対策
自宅の駐車場は一見すると狙われにくいと考えがちですが、いつも同じ場所に車両があるため、窃盗団のターゲットになりやすい傾向があります。
人気の車種を所有している場合は、特に注意が必要です。そこで、「駐車場対策」を始めることがおすすめです。
- センサーライトの設置
- 防犯カメラの設置(ダミーでも可)
- ハンドルのロック
- タイヤのロック
- シャッター付き車庫の導入
自宅の駐車場をターゲットにさせないためには、「しっかりと防犯対策を行っている」というアピールをすることが重要です。
窃盗団はスピーディーに盗難を行いたいと考えているため、厳重に保管している車両はターゲットにしにくいと考えています。
ハンドルロックやタイヤのロックは簡単にできる防犯対策です。
また、高級車両をお持ちの場合は、シャッター付きの車庫を使って保管することがおすすめです。
2.停車中もロックを
わずかな時間で車両を盗まれることも多いため、たとえちょっとのつもりでも、停車する場合はしっかりとエンジンを止めましょう。ロックも忘れずに行い、乗り逃げ手法での盗難を防ぎましょう。
3.最新機器の導入
スマートキーの電波を悪用するリレーアタックを防ぐためには、電波が遮断できる金属オボックスの活用がおすすめです。
また、車両内にダミーのセキュリティーを搭載しておくこともおすすめです。
盗難への心理的な抑制につながるため、たとえダミーであっても効果は高いと言われています。
また、最新のドライブレコーダーは衝撃を感知したら自動で映像を保管してくれます。
GPSも搭載されているため、追跡にも役立ってくれるでしょう。
もしも車両を窃盗されてしまったらどうする?
十分に対策を行っていても、車両の窃盗を完全に防ぐことはできません。
窓ガラスを割られたり、レッカーされたりと強引な手法がある以上、窃盗されてしまった後の手続きについても知っておきましょう。
まずは早急に警察へ届け出する
大切な愛車が盗難にあったことがわかったら、迷わず110番通報しましょう。
GPSを搭載している場合、警察が協力してくれる可能性があります。
また、盗難に関する保険に加入している場合、警察の「受理番号」が必要です。
保険会社に保険金を請求する
車両の盗難をカバーする保険に加入している場合、加入先保険会社へ連絡を入れましょう。
通常の事故時における連絡と同じです。盗難は車両保険の補償でカバーできます。
保険証券や加入内容画面(証券不発行の場合)で加入内容も確認してください。
任意保険に加入をしていない場合は、補償を得ることはできません。
車両保険で盗難に備えよう
任意保険である自動車保険には、車両保険という補償が用意されています。
車両保険は「一般型」と「エコノミー型」(車対車+A)の2つのタイプに分類されており、エコノミー型の場合は補償範囲が狭く、保険料は安く抑えられています。
車両の盗難は、いずれのタイプであっても補償されるため安心です。
特に車両の盗難が多い地域では、万が一の事態に備えるためにも車両保険に加入しましょう。
車両の盗難は「全損」扱いとなるため、車両保険金額を上限に保険金の支払いが受けられます。
盗難で保険金支払いを受けると等級はどうなる?
車両の盗難によって保険金の支払いを受ける場合、自動車保険の等級はどうなるでしょうか。
盗難で車両保険を使うと、翌年の等級は1等級ダウンします。
事故あり係数適用期間もカウントされますが、1年のみです。
保険金支払いまでの流れ
一般的な事故による車両保険の支払いは、損傷状態などを車両本体によって確認の上で保険金を支払うことができます。
しかし、盗難の場合は車両の現物がないため、保険金の支払いに嫌疑はないか、調査することになっています。
生活に欠かせない車両は今すぐにでも欲しい、と思って当然ですが、保険金が支払われるまで数か月かかることもあります。
保険金支払いへの流れ
警察へ届け出 → 保険会社へ届け出 → 保険による盗難調査 → 車両の移転・抹消登録後、保険金の支払い(※)
※盗難された車両の所有権は保険会社へ移動させるため、所有の移転および抹消登録が必要。発見後は原則としては保険会社の所有となる。保険金の支払い前に車両が見つかったら、修理費用の請求も可能。
車上ねらいにも注意が必要
車両本体の盗難に注意が必要ですが、「車上ねらい」にも注意する必要があります。
車上ねらいとは、車両内に置いたままにしてあるバッグや財布、パソコン類などを盗むもので、全国的に多発している犯罪の1つです。
第24回自動車盗難事故実態調査結果の中には、「車名別盗難状況 車上ねらい」と呼ばれる統計結果もあります。
この統計を見ると、車両本体の盗難とは異なり、トヨタ車以外の車種もランクインしています。
社有車としても使われることが多いプリウスは車上ねらいのターゲットとされやすいほか、メルセデスベンツやBMWも狙われています。
車上ねらいは現金、財布、バッグや電子機器をターゲットとする傾向があるため、停車中は周囲から見えないように保管する、もしくはご自身でしっかりと携行することが望ましいでしょう。
また、車上あらしはガラスを割って強行することも多いため、携行品を盗まれるだけではなく、車両にダメージが残ることも多くなっています。
犯罪を未然に防ぐためには、車窓にカーフィルムを導入し、車内を覗きにくくすることもおすすめです。
車上ねらいにあってしまった場合も、自動車保険で補償が得られます。
事故や盗難によって車に搭載していたものが壊れたり、失われたりした場合は、車両保険ではなく「身の回り品補償特約」や「車内外身の回り品補償特約」などの特約にて補償が受けられます。
なお、車両本体の設備の一部が盗難に遭った場合は、車両保険の対象です。
万が一に備えて、特約も付帯しておきましょう。
まとめ
今回は、車両の盗難事故にスポットを当てました。
盗難事故は愛知県などを中心に大都市圏で多数発生しており、令和4年度は増加に転じています。
大切な愛車を守るために、日頃から防犯対策をしっかり行いましょう。
また、万が一の事態に備えるためには、自動車保険の補償の1つである「車両保険」や、身の回り品の補償ができる特約に加入しておくことがおすすめです。
令和4年度交通事故死亡者数のワーストは大阪府!
事故原因を知り、任意保険で備えよう
「令和4年度交通事故死亡者数」をテーマに、ワーストとなった大阪府における事故原因や、高齢者の事故、地方における交通事故や危険マナーを解説します。
令和4年に大阪府内で発生した交通事故による死者数(24時間以内)は141人に上り、統計が残る昭和23年以降で初めて全国ワーストを記録しました。
年齢別では65歳以上が57人と、全体の約4割を占めており、このうち16人が夜間(午後6時~翌午前6時)の事故で死亡しています。
高齢者が巻き込まれる事故が多くなっており、高齢化社会を突き進む日本においては、大阪以外の地域もこれまで以上に注意する必要があるでしょう。
そこで、ここでは大阪府警が発表した交通事故データや、事故の発生が多い場所についてピックアップし、任意保険加入の必要性を紹介します。
運転に自信がある方も、是非ご一読ください。
令和4年度 交通事故事故死亡者数(24時間以内)の概要
警察庁によると、令和4年度の交通事故による死亡者数(24時間以内)は2,610人、前年度比で比較すると26人減少していることがわかりました。
死亡者数自体は6年連続で減少していますが、それでもなお、年間2,000人を超える方が交通事故後24時間以内に命を落としています。
この章では警察庁発表の「令和4年度 交通事故死亡者数」を読み解きながら、重大事故の背景や原因に迫ります。
参考URL:警察庁
令和4年中の交通事故死者について
令和4年度交通事故死亡者数のワーストは大阪
令和4年度の交通事故死亡者数(24時間以内)を各都道府県別に分析すると、死亡者数のワーストは「大阪府」となっています。
141名の方が命を落とし、昭和23年の統計開始以降、初めてのワーストとなりました。
なお、ワースト第2位は千葉県で124人、ワースト第3位は前年度1位の神奈川県で113人です。
では、全国で交通事故が最も少ない都道府県はどこだったのでしょうか。
最も死亡者が少なかった県の第1位は鳥取県、第2位に島根県、そして第3位が石川県でした。
交通事故による死亡者数は大都市圏があるエリアに多く、人口が少ない地方では少ない傾向にあると考えられます。
どうして大阪では交通事故が多いの?
交通事故のワースト3は大都市圏があるエリアが占めています。
では、どうして大阪では今回交通事故による死亡者数が多くなってしまったのでしょうか。
2021年の関西テレビの報道によると大阪には全国でも交通事故が多い交差点が多く集中しており、慢性的に交通事故が発生しやすい状態が続いていると考えられます。
車両だけではなく、自転車と歩行者も多く、側道と本道のしくみが複雑な場所も多いため、運転者・歩行者ともに十分に注意をする必要があります。
大阪府中央区にある法円坂交差点は追突事故が多いエリアとして全国的に知られており、東向きだけでも「6車線~8車線」が並んでいるほか、阪神高速の入口もあるため、車線変更をする車両も多いのです。
また、阪神高速の出口から出た車両が車線変更する箇所でも追突事故が多発しています。
大阪にはこの他に、谷町9丁目交差点や梅新東交差点など、交通量が非常に多い交差点もあり、事故多発地帯が多いゆえに、死亡者数が増加したと考えられます。
一方、地方には都市高速や車線が多い交差点は少ないため、事故の発生率が大都市圏と比較すると低いのです。
参考URL:カンテレ
「報道ランナー」2021年9月24日放送
交通事故の死亡者は東大阪市に集中
一般財団法人「交通事故総合分析センター」が発行しているイタルダインフォメーション、2022年 №142号では、令和3年度「令和3年 全国市区町村別交通事故死者数」が特集されました。
この号では各都道府県内の自治体別に人口(万人)・1万人あたりの死者数・実際の死者数の統計結果が発表されており、東大阪市で最も多くの死亡者数が発生していたことが公表されています。1万人当たりの死亡者数では松原市も高い数字となっています。
参考URL:一般財団法人「交通事故総合分析センター」イタルダインフォメーション
2022 №142号 令和3年 全国市区町村別交通事故死者数
大都市圏ではどのような交通事故が多いの?
大都市圏は人口が多いため、地方と比較すると車道も多く、高度な運転テクニックを要します。
車両も人口も過密状態にあるため、交通事故の発生件数が地方よりも単純に増えてしまうのです。
大阪を例に挙げると、関西テレビが報じたように交通量が多い交差点が多く、正面衝突や直進車対右折、などの事故が多くなります。
一方で、道路事情が過密である東京都よりも、その周辺の都市部の方が死亡者数は多く、東京都を中心に道路網が形成されていることがうかがえます。
副都心のように神奈川県などのエリアが存在しており、昔から都内でも都心部の方が交通事故の発生が少なかったことから都心向けの住宅街が多い都道府県では交通事故が増えやすいと考えられます。
参考 脇田利光「大都市を中心にみた交通事故の地理学的研究」日本地理学会1971.03.00 [地理学評論 / 日本地理学会 編 掲載ページ181~193
死亡者数の多くは高齢者が占めている
死亡事故の状況を深く掘り下げると、日本国内は高齢化が進んでおり、交通事故死者数全体に占める高齢者の割合が、高い水準で推移しています。
死亡者数自体は減少しているものの、構成率は上昇していることが分かります。(高齢者とは65歳以上を指します)
参考URL:内閣府
交通安全対策
引用 警察庁「令和4年中の交通事故死者について」PDF4ページ 人口10万人当たり高齢者(65歳以上)死者数の推移より
高齢者の令和4年の死者数は54人、都内の交通事故による死者数132人の40%を超える数字を示しており、非常に高いと言えるでしょう。
高齢者が受傷してしまう事故は日本政府も危惧しており、令和3年3月に決定した第11次交通安全基本計画では道路交通事故の発生から24時間以内に亡くなる方の数を2,000人以下とすることなどを目標に定めています。
令和3年致死率についても参考にしていましょう。致死率は近年上昇傾向です。年齢層に比べて致死率が約7倍高い高齢者の人口が増加しているため、と考えられます。
引用 内閣府 令和4年交通安全白書 「令和3年度交通事故の状況及び交通安全施策の現況第1編 陸上交通 第1部 道路交通 第1章 道路交通事故の動向 第2節 令和3年中の道路交通事故の状況」より第1-6図
高齢者の交通事故はどうして多いの?
日頃から運転されているみなさん、交通事故は夜間と昼間だと、どちらが多いと感じますか。
警察庁によると、交通事故の発生は「薄暮時間帯」に多いとされています。
視界が悪くなる時間帯にもかかわらず、帰宅者が多い時間帯であり、自動車・自転車・歩行者のいずれも多いためです。
そのため、各都道府県で定期的に行われている交通安全運動では、薄暮時間帯に街頭で交通安全アピールを行っています。
では、高齢者の交通事故も同じように夜間帯が多いのでしょうか。
結論から言うと、高齢者の交通事故は「昼間」に多いとされます。
発生場所は市街地が多く、自宅から近い場所での発生が多い傾向です。
高齢者による死亡事故で、自身がドライバーだったケースを分析すると、「操作不適格」が多く、ご近所などへのお出かけの際に運転ミスを起こし、重大な事故に至っていることがうかがえます。
生活圏内での移動は運転時の気も緩みやすいのでしょう。
ブレーキやアクセルの操作ミスにより店舗への飛び込み事故は報道されることも多く、注意が必要です。
また、高齢者の事故は安全不確認も多いとされます。
長年ドライバーとして運転してきたからこそ、うっかりミスも起こしやすく危険の発見が遅れがちなのです。
参考URL:警察庁
薄暮時間帯における交通事故防止
高齢者の重大な事故を防ぐためには?
高齢者による事故は減らず、今後も高齢化社会をひた走る日本国内では、全国で事故が増加することも考えられます。
では。高齢者のドライバーによる重大な事故を、未然に防ぐ方法はないのでしょうか。
地方は過疎化の傾向が続いており、高齢者が暮らす割合も増加の一途です。
加えて、過疎化エリアは交通サービス(鉄道・バス)が減少しており、生活のためには運転を続ける必要があります。
しかし、運転に自信がなくなっていたり、車に小傷が発生していたりと、重大な事故の予感がある場合は、早期に運転免許証を返納することがおすすめです。
ご家族も定期的に運転の様子をうかがうなどの工夫を行い、重大な事故の発生を防ぎましょう。
本当に大阪が事故のワースト?地方の交通事故事情とは
交通事故の死亡者数(24時間)に関する資料を読み解くと、あたかも大都市圏内に交通事故が集中しているかのように見えます。
しかし、文中に触れたように高齢者による事故が多く、高齢者の居住は地方こそ増加傾向にあることから、交通事故の発生率はもう少し踏み込んで検証すべきです。
この章では、地方の交通事故事情について検証します。
人口1万人あたりの交通事故件数とは
交通事故の発生件数や死亡者数を検証する際には、「人口1万人あたりの交通事故件数」についても分析します。
この際には、人口は少ないのに、重大な事故が多いエリアも浮かび上がります。
大都市圏では人口も多いがゆえに、交通事故が増えますが、人口が少ない地方であっても死亡事故は起こっています。
交通事故の発生率で言うと、地方の方が多い傾向があるのです。
地方は運転マナーが悪い?
では、人口が少ないゆえに本来は車も少ないはずの地方では、どうして交通事故が起きてしまうのでしょうか。
交通過密が発端となる交通事故は大都市圏に比べると減少するものの、地方では別の事情で交通事故が発生していると推測できます。
その1つが、先に触れた地方の高齢化です。
若年層は就職や進学などの機会に大都市圏へ流出する傾向がありますが、地方には高齢者が多く暮らしています。
秋田県や青森県、山形県など東北エリアは人口の減少率が高く、過疎化が続いています。
そして、地方の「運転マナー」にも注目する必要があります。
一般財団法人日本自動車連盟(以下 JAF)は平成28年6月に実施したアンケート「交通マナーに関するアンケート調査」を実施しました。調査概要が以下です。
調査期間:2016年6月15日~30日
調査対象:全国の自動車ユーザー
調査方式:インターネットによるオンラインアンケート
※JAFホームページのみを活用
有効回答者数:64,677名
このアンケートでは、自分自身が住んでいる都道府県の全般的な交通マナーについても調査が行われました。
「悪い」、「とても悪い」と回答した方が多かった都道府県は、上位から「香川県」で80.0%、「徳島県」で73.5%と四国が続き、「茨城県」で67.2%、「沖縄県」で64.0%、「福岡県」で59.3%です。
この回答を見ると、大都市圏よりも地方の方が、体感として「運転マナーが悪い」と感じる傾向にあります。
令和4年度の死亡者数ワースト3の大阪府、千葉県、神奈川県はいずれも入っていません。
参考URL:JAF
交通マナーに関するアンケート
地方には独特の危険な運転マナーがある?
交通に関する法律は日本全国に適用されるものであり、ルールも順守する必要があります。
しかし、地方には独自の運転マナーが誤って普及してしまっている傾向があります。
JAFのアンケートで「運転マナーが悪い」第3位にランクインしてしまった茨城県では、「茨城走り」と呼ばれる独自のローカルルールが広がっています。
茨城走りとは、赤信号から青へと変わる直前に車を急発進させ、対向の直進車よりも先に右折する危険運転です。
スタートダッシュのように急発進する行為ですが、悪質な行為の1つとして広く知られています。
この運転は茨城県警察本部も以下のように注意喚起しています。
参考URL:茨城県警察本部
公式X(旧ツイッター)
地方によっては、黄色信号では停止せずに青信号のように直進したり、一旦停止でしっかりと停止しないなどの慌てるような運転をする傾向が見られます。
また、大都市圏よりも地方の方が「急な割りこみ運転」が多いとされています。
大阪府や神奈川県のような大都市圏とは異なり、周囲に車両が少ないからこそ横着な運転をする傾向があるのです。
重大な事故に備え、任意保険に加入を
重大な死亡事故は大阪府がワースト1位でしたが、茨城走りに見られるように、地方には独自の危険な運転マナーが広がってしまっています。
また、地方は高齢者の増加により、日中帯の危険な事故が増加する可能性が今後も予想されます。運転免許の返納がしにくい地方の過疎地帯では、人口が少ないものの重大な事故が発生しやすく、人口1万人あたりの交通事故件数が高い傾向にあります。
つまり、大都市圏での運転が多い人だけが交通事故に備えるのではなく、地方に暮らしている方もしっかりと日頃から交通事故に備える必要があるのです。
任意保険への加入は全国問わずに加入すべきであり、自身が加害者にも被害者にもなりえるとドライバー自身も気を引き締める必要があります。
任意保険の必要性
任意保険は自賠責保険では補いきれない対物賠償や自身の車両に関しても網羅し、自身が加害者となってしまった場合の高額賠償にも備えることができます。
車両と人身のいずれの分野も、しっかりとカバーできるため安心です。
任意保険は補償のバランスをご自身で選択できるため、補償内容を充実させたり、削減したりも可能です。
まとめ
今回は「令和4年度交通事故死亡者数」をテーマに、ワーストとなった大阪における事故の多さの原因や、高齢者の事故、地方における交通事故や危険マナーの現状にも触れながら解説を行いました。毎年交通事故死亡者数の上位は大都市圏が占めるものの、人口比で分析すると地方においても交通事故は多く発生しています。
全国のどこにお住まいであっても、交通事故には日頃からしっかりと備えて運転意識を高め、任意保険にもしっかりと加入されることが大切です。
どうして交通安全運動は実施されているの?
春と秋だけ実施される理由とは
全国で開催されている「全国交通安全運動」に注目し、どうして春と秋に実施されているのかに焦点を当てながら、交通安全の重要性について解説します。
全国では春と秋に全国交通安全運動が実施されていますが、なぜ行われるようになったのかご存じでしょうか。
実は、交通安全運動には長い歴史があります。
交通事故を防ぐことを目的に、安全運転への願いを込めて開催されるようになった背景には、一体どんな出来事があったのでしょうか。
ここでは交通事故安全運動の開始の経緯や、啓発を行う理由などを通し、啓蒙活動の背景にある事故発生率などを解説します。
あわせて事故に備えるために、ドライバー向けの対処法についても紹介します。
全国交通安全運動とは
季節の変わり目の頃になると、街角でスピード違反などの検問が積極的に行われていることをご存じでしょうか。
毎年春と秋には、全国で「交通安全運動」が行われています。
この時期には街頭で子どもたちの登校を見守る運動が行われたり、検問が実施されたりと、交通安全を啓蒙する活動が積極的に行われています。
「そういえば、子どもの頃から春になると交通安全運動を見かけた」と感じる方も少なくないはずです。
実は、交通安全運動の歴史は古く、終戦の直後から行われてきました。
今でこそ日本全国の道路事情は整えられており、交通マナーに関しても政策が行き届いていますが、第二次世界大戦直後の日本はまだまだ未発展の状況であり、今後の交通政策を見越して開始されたのが交通安全運動だったのです。
昭和23年に「全国交通安全週間」が12月に導入され、その後昭和27年から現在の「春と秋」の年2回の開催へと変更されました。
全国交通安全運動はその名前のとおり、期間を迎えると全国で一斉に実施されており、日本における交通政策の重要な運動として位置づけられています。
特に春は進学のシーズンでもあり、学校によっては交通安全教室なども開催されていますが、こうした児童向けの交通安全教育も広義の交通安全運動の一環として運営されています。
参考URL:内閣府
全国交通安全運動について
令和5年春の交通安全運動はどんな運動だった?
では、実際の全国交通安全運動とはどのようなものでしょうか。
令和5年度の「春の交通安全運動」を事例に解説します。
令和5年5月11日(木)から20日(土)までの10日間の期間で開催されました。
また、「交通事故死ゼロを目指す日」は令和5年5月20日(土)とされ、全国で交通死亡事故ゼロを目指す運動が開催されました。
内閣府では啓蒙活動の一環で、以下のような国民向けの動画も公開しています。
YOUTUBE
令和5年春の全国交通安全運動
全国重点とは
令和5年春の交通安全運動では、全国重点として全国向けの交通安全への課題が以下3つの内容で掲げられていました。
1.こどもを始めとする歩行者の安全の確保
2.横断歩行者事故等の防止と安全運転意識の向上
3.自転車のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底
1つずつ詳細を簡潔に解説します。
1.こどもを始めとする歩行者の安全の確保とは
交通事故死者数全体のうち、歩行中の割合が最も高くなっています。
歩行者側にも違反行為は多いことから、全国重点として挙げられていました。
5月から6月にかけては全国的に「歩行中児童の死者・重傷者が増加する傾向」であり、春の交通安全運動で注意喚起を行っています。
2.横断歩行者事故等の防止と安全運転意識の向上
交通死亡事故の発生の原因の多くは自動車で,歩行中の死亡事故の多くが道路横断中に起きています。
横断歩行者妨害等の法令違反も多く、取り締まりが全国的に必要と考えられています。
飲酒運転、あおり運転、電動キックボードによる交通事故も起きており、全国重点の1つに選ばれました。後部座席におけるシートベルトの着用やチャイルドシートの適正使用の向上も求められています。
3.自転車のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底
自転車乗用中の交通事故死者数が減少しています。しかし、交通事故死者数全体に占める割合はほぼ横ばいで推移しているため注視が必要です。
自転車乗用中の交通事故死傷者数は10歳から25歳未満の若年層の割合が高く、交通安全指導が必要と考えられます。
自転車側に多くの法令違反が認められるため、自転車のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底が必須です。
参考URL:内閣府
令和5年春の全国交通安全運動推進要綱 第5 運動重点より 1全国重点
交通安全運動ではこのように全国的な統一課題を掲げて運動を実施していますが、地域別の課題も個別に用意されています。
地域別の課題は「地域重点」として、各都道府県の交通対策協議会などが選定を行っています。
なぜ交通安全運動は春と秋に実施しているの?
交通安全運動の歴史は長く、春と秋に開催されるようになってから長い月日が経過しています。
では、どうして春と秋に開催されているのでしょうか。
春に交通安全運動が行われる理由
全国重点にもありましたが、春は進学シーズンであり、まだ登下校に不慣れな児童たちが街角を歩いています。
児童が巻き込まれてしまう交通死亡事故は登下校時に「約3分の1」を占めており、注意が必要なのです。
政府広報オンラインによると、小学生の歩行中の交通事故(警察庁調べ 平成30年~令和4年)は小学校1年生の死者・重傷者数は6年生の約3.2倍、死者に絞ると1年生は6年生の10倍に上ると公表されています。
春は自転車デビューも多いシーズンであり、地域全体で子どもを見守る運動が必要です。
引用 政府広報オンライン 小学校1年生の歩行中の死者・重傷者は6年生の約3.2倍!新1年生を交通事故から守るには? 図1 小学生の歩行中の交通事故(警察庁調べ 平成30年~令和4年)
また、以下の統計のとおり、子どもたちの交通事故は、下校中に発生することが多く、ドライバーのみなさんはいつ、どこから子どもが飛び出してくるのか、常に注意しながら運転する必要があります。
引用 政府広報オンライン 小学校1年生の歩行中の死者・重傷者は6年生の約3.2倍!新1年生を交通事故から守るには? 図4 通行目的別の死者・重傷者数
秋に交通安全運動が行われる理由
では、どうして秋に交通安全運動が行われているのでしょうか。
春とは異なる理由があります。秋は薄暗時に交通事故が増える季節なのです。
秋は夕暮れを迎える時刻が急速に早まる季節です。
特に「薄暮時間帯」は、例年多くの交通死亡事故が発生します。「まだ明るい」とドライバーが運転を過信しやすく、視界の悪さを背景に交通事故を起こしやすいのです。
そこで、秋にも交通安全運動が開催されています。
また、冬季になると日本全体では気候条件が大きく異なるため、全国統一で秋に行われています。
薄暗時間帯はどうして交通事故が起きやすい?
では、どうして秋の薄暗時間帯には交通事故が起きやすいのでしょうか。詳しく解説します。
警察庁発表の「平成30年から令和4年の5年間における死亡事故発生状況」を見てみましょう。
・日の入り時刻と重なる17時台から19時台に事故が集中
・自動車と歩行者が衝突する事故が多発
・横断中が約9割
つまり、薄暗時間帯は横断中の歩行者の姿を見落としやすく、通勤・通学から帰る時間帯の自動車・歩行者同士が事故に巻き込まれやすいのです。
参考URL:警察庁薄暮時間帯における交通事故防止
夏や冬には交通安全運動は実施されない?
全国では春と秋に交通安全運動が開催されていますが、交通安全は365日ドライバー、自転車、歩行者ともに心がける必要があります。
では、夏や冬には交通安全運動は開催されないのでしょうか。
結論から言うと、夏や秋も、各都道府県では創意工夫を重ねた交通安全運動が開催されています。
また、大規模な交通安全運動ではなくても、飲酒運動の撲滅を目的とする運動なども積極的に開催されています。
では、どのような交通安全運動が開催されているでしょうか。
一例をご紹介します。
飲酒運転撲滅キャンペーン
平成18年、事件当時はまだ危険運転致死罪の判例が少ない中で、懲役20年という重い判断が最高裁にて確定した福岡市内で起きた飲酒運転事故をご存じでしょうか。(福岡海の中道大橋飲酒運転事故)
幼児3人が亡くなった原因は、飲酒運転によるものでした。
福岡市ではこの事件をきっかけに飲酒運転撲滅運動が定期的に行われており、順調に飲酒運転の摘発も減少しています。
参考URL:裁判所 裁判例結果詳細 平成21(あ)1060
福岡県 飲酒運転撲滅への取り組み
冬の交通安全運動
秋から冬にかけて突然の降雪を経験する機会も増える北海道では、冬の交通事故を防ぐ運動も開催されています。
運動の重点の1つにはスリップ事故の防止が加えられており、雪による交通事故への注意喚起が行われています。
こうした雪国ならではの交通安全運動は新潟県などでも開催されています。
このように、交通安全運動には春・秋以外にも趣向を凝らした内容のものが開催されています。
飲酒運転撲滅キャンペーンのように、悲しい事件をきっかけに啓蒙活動がはじまったものもあります。
ドライバーの方々は街角で運動の様子を見かけたり、コマーシャルを見かけたら、より一層日々の運転に注意し、安全ドライブを目指しましょう。
交通安全運動時に注意喚起されている法令違反とは
交通事故安全運動にはいろんな種類があり、加えて、「重点」とされる項目が設けられていることをご説明しました。
交通事故安全運動期間は検問や警察による取り締まり(例・ねずみ捕りなど)が実施されるため、「一旦停止無視で違反切符を切られてしまった」といった経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
交通安全運動時は、重点項目に沿って、交通マナー喚起や取り締まりを実施する傾向があります。
では、どういった法令違反について取り締まりが強化されているのでしょうか。
横断歩道における取締り
横断歩道を渡っている歩行者が悲しい交通事故に巻き込まれるケースが後を絶ちません。
しかし、すべての横断歩道に信号機が設置されているわけではないため、歩行者は無理な横断をしがちです。
横断歩道は本来「歩行者優先」であり、渡ろうとしている歩行者を見つけたら、車両は停止する必要があります。
そのため、横断歩道や歩道橋がない箇所を無理に渡ろうとする歩行者や、歩行者を無視する車両は、法令違反として注意をすることがあります。(違反には罰則もあります) 実際に警察庁は横断歩道時の取締りを強化しています。
発表によると、横断歩行者等妨害等違反の取締り件数は令和4年中において、平成30年の約1.9倍となっています。
警察は悲しい事故を1軒でも減らすために、尽力していると言えるでしょう。
引用 警察庁 横断歩道は歩行者優先です 警察の取組 1取締りの強化より
運転中のスマートフォン
スマートフォンが幅広い世代に普及している今、運転中にも使用する方が大勢おられます。
通話に関してはマイクなどを装着している方も増加していますが、画面を操作・注視してしまうケースも後を絶ちません。
近年は取り締まりの強化によって違反は減少傾向にありますが、引き続き取締りの強化対象とされています。
音楽をかけたり、動画を見たりと便利なアイテムだからこそ、運転中の操作は控えましょう。
自動車はあっという間に進む!
警視庁によると、自動車が2秒間に進む距離は、大録事に時速60キロの場合は約33.3メートルも進んでしまいます。
ちょっとのつもりのスマホ操作が交通事故に…というケースは後を絶ちません。
細い市街地の速度に多い40キロの場合でも、2秒間で約22.2メートルも進みます。
わずかな操作も控えなければいけない理由がご理解いただけたでしょうか。
引用 警察庁 やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用 自動車が2秒間に進む距離 より
この他にも、飲酒運転やシートベルトの着用なども強化されています。日頃からしっかりと交通マナーを守り続けることを心がけましょう。
それでも交通事故は起きる!ある日突然の事故にはどう対処する?
春や秋の交通安全運動などを通して、交通安全の大切さに触れる機会はありますが、それでも交通事故は発生してしまうものです。
では、日頃から交通事故に備えるためには一体どんな工夫が必要でしょうか。
そして、突然の事故にはどう対処するべきでしょうか。ドライバー向けに以下をまとめています。
日頃から交通事故に備えるには
日頃から交通事故にしっかりと備えるために、以下の3つを確認しましょう。
1.交通マナー
荒れた運転やうっかりミスは重大な交通事故につながりかねません。交通事故の多くは危険運転ではなく、過失によって発生しています。
投薬や視力の確認など、体調管理はもちろんのこと、二日酔い運転も必ず控えましょう。
2.任意保険への加入
交通事故の相手へだけではなく、ご自身の補償を用意するためにも任意保険への加入は必須です。
任意保険への加入は事故に備え、加入内容をダッシュボードに備えたり、家族にもしっかりと伝え、ご自身でもすぐに確認できるようにスマホ内にも情報を入れておきましょう。加入先の保険会社名、証券番号、契約者名などは交通事故時に確認が必要です。
3.ドライブレコーダーなどの用意
近年ドライブレコーダーがお手頃の価格で購入できるようになり、事故時の過失割合などの判断にも役立っています。
事故時の原因解明にも役立つため、設置を検討しましょう。万が一の際の心強いパートナーとして活躍してくれます。
交通事故が発生してしまったら
安全運転を心がけても、交通事故が起きてしまうことが十分に考えられます。もしも事故が起きてしまったら、加害者・被害者のいずれの立場であっても速やかに警察へ連絡しましょう。
また、応急処置が必要な場合は速やかに救急車を手配し、医療へつなぐようにしましょう。
心臓マッサージやAEDの使い方を覚えるために、救命を学ぶ機会も得ておくことがおすすめです。
東京消防庁では、心肺蘇生やAEDの使い方をはじめとする、応急手当を学ぶ機会を開講しています。全国の消防署でも実施されているため、ぜひ足を運んでみましょう。
学校や企業への出前講座も開講されています。
まとめ
今回は、全国で開催されている交通安全運動に注目し、どうして実施されているのかに焦点を当てながら、交通安全の重要性について詳しく解説を行いました。
交通事故には起きやすい季節や時間帯があり、ドライバーのみなさんもしっかりと知っておくことが大切です。
また、万が一の交通事故時に備え、任意保険の加入や救命講習を学ぶ機会を持つよう心がけましょう。
行楽シーズンは楽しいドライブを!
渋滞時の交通事故を避けるコツ
渋滞時には交通事故が多く発生すると言われています。ここでは行楽シーズンを楽しく過ごすために、渋滞時の交通事故を避けるコツを解説します。
お盆やゴールデンウィーク、シルバーウィークの時期を迎えると、毎年高速道路の渋滞情報が盛んに報道されています。
日頃はスムーズに流れている国道も、渋滞気味になりやすくストレスを感じるドライバーの方も多いのではないでしょうか。
また、交通事故の発生や悪天候などを背景に渋滞が起きてしまうこともあります。
渋滞時には車間距離が通常時よりも狭くなり、かつ苛立ちを抱えやすいため、交通事故が多く発生すると言われています。
そこで、今回は行楽シーズンを楽しく過ごすために、渋滞時の交通事故を避けるコツについて詳しく解説します。
渋滞はどうして発生するの?メカニズムとは
行楽シーズンを迎えると、さまざまな地域の渋滞情報を見かけます。
また、道路の工事や事故の発生などで突発的に渋滞が起きてしまうことも少なくありません。
では、どのようなメカニズムで渋滞は起きているのでしょうか。まずは、渋滞とはどのような状態を指すのか定義を紹介しましょう。
渋滞情報を発信している「公益財団法人 日本道路交通情報センター」によると、高速道路での渋滞は時速が40キロ以下、一般道路の場合は時速が10キロ以下になっている場合を、渋滞と定義しています。
渋滞と類似している混雑とは、渋滞よりもゆるやかに運転ができる状態を意味します。
混雑の定義は、高速道路では定義を設けておらず、都市高速道路で40キロ以下、一般道路の場合は20キロ以下での走行とされています。
(※高速道路を管理するNEXCOでは別の定義を使用しており、高速道路における渋滞は40キロ以下・低速走行などを1キロ以上もしくは15分以上と定義しています。)
区分 | 高速道路 | 都市高速道路 | 一般道路 |
---|---|---|---|
渋滞 | 時速40㎞以下 | 時速20㎞以下 | 時速10㎞以下 |
混雑 | - | 時速40㎞以下 | 時速20㎞以下 |
参考URL:公益財団法人 日本道路交通情報センター
「渋滞」や「混雑」の定義について教えてください
渋滞の発生理由は3つ
渋滞の発生理由はおもに3つに分類できます。
1.行楽シーズンに多い交通集中渋滞
交通量が増える行楽シーズンは、高速道・一般道ともに混雑しやすくなります。
2.事故渋滞
事故で車両が道路を塞いでしまった場合、その撤去が完了するまで渋滞が発生します。
3.工事渋滞
道路を工事している場合、車線の減少をともなうことも多いため、渋滞が起きやすくなります。
1年の中でゴールデンウィークなどの行楽シーズンは交通集中渋滞が起きやすくなりますが、交通が集中しやすい時期は事故も起きやすく、事故渋滞もあわせて発生することがあります。
渋滞が複合的に重なってしまうと、何十キロにも及ぶ渋滞が起きてしまうケースもあります。
トイレにも思うように行けず、ドライバーはもちろん乗車中の方も、大きなストレスを抱えることがあります。
渋滞時はどうして交通事故が起きやすいのか
渋滞時は交通事故の発生に関する報道に接することも多く、「渋滞が多いときに、運転はしたくない」と感じているドライバーも多いでしょう。
では、渋滞時にはどうして交通事故が起きてしまうのでしょうか。
渋滞時の事故リスクは平常時の7倍
阪神高速の情報によると、渋滞時の事故リスクは平常時よりも約7倍も増す、とされます。
この統計は、雨天時の事故リスクよりも高いと言われています。
事故が増えてしまう理由は以下のとおりです。
車間距離の減少
渋滞時には多くの車両が「ノロノロ運転」となるため、必然的に前の車両に迫るような形で運転します。
車間距離が狭くなると、急なブレーキ時に追突してしまうリスクが増します。
また、強引な車線変更をしようとすると、追突してしまうケースも多いのです。
渋滞に気が付かないまま追突する
高速道路や一般道路を通行している時に、平常通り流れていても急に渋滞に遭遇することがあります。
気が付かないまま運転していると、前に進むと過信してしまい、背後から追突してしまうことがあります。
特にカーブが多い道路では、カーブの先に渋滞が起きていることも多いため注意が必要です。
フラストレーションによる影響
渋滞の中を運転していると、ドライバーの多くは「フラストレーション」を感じます。
すると、日常の運転時よりも苛立ち、運転が粗くなってしまうリスクが上がります。
特に長距離を運転している際に渋滞に巻きこまれてしまうと、目的地への到達が大幅に遅れるという心理的負担から、フラストレーションを起こしやすくなります。
阪神高速の渋滞とその対策【前編】〜渋滞時に事故が起きやすいってホント!?〜
渋滞の発生メカニズムを知り、安全運転を学ぼう
毎年遠距離ドライブをしながら実家に帰る、家族との長距離ドライブ旅行を楽しみにしている、という方はできる限り渋滞を避けられるように、工夫を行いたいと考えているのではないでしょうか。
そこで、この章では渋滞の「発生メカニズム」に注目し、対策についても考察します。
渋滞発生のポイントを知ろう
NEXCO西日本や東日本は、高速道路における交通渋滞原因について分析を公開しています。
この分析によると、発生のメカニズムは5つのポイントに分けられます。
1.上り坂およびサグ部
高速道路上には下り坂から上り坂へと転ずる部分があります。この部分を「サグ部」と呼びます。
サグ部や、上り坂はドライバーの体感よりも減速していることが多く、車間距離が次第につまり渋滞が起きやすくなります。
いつのまにか低速に陥るドライバーがいることが、渋滞の引き金となるのです。
■下り坂から上り坂への渋滞発生のメカニズム
引用URL:NEXCO東日本 参考資料③渋滞発生のメカニズムPDF
2.トンネルの入り口
明るいところから暗い所へと切り替わるトンネルの入り口は、自然に減速してしまう傾向があります。
また、車幅の間隔もトンネルに入ると狭く感じるため、低速しながら走ってしまうことがあります。
トンネルの入り口をきっかけに渋滞が発生してしまうことがあります。
3.合流部
インターチェンジや高速道路の入り口、出口付近は車両の合流が起きるため、減速しやすくなります。
いわゆるランプ、と呼ばれる付近も合流部にあたるため注意が必要です。
特に渋滞がすでに起きている時は、車両が合流しようとすると、その他の車両は停止する必要があるため、渋滞に拍車がかかります。
4.料金所
ETCの普及により料金所における渋滞は減少傾向にあるものの、いまだに渋滞発生のポイントとなっていることも事実です。
5.その他
無理な車線変更を繰り返す車両や、必要以上に低速な運転を続ける車両があると、渋滞は発生しやすくなります。
特に車間距離を開けるために開けているにもかかわらず、無理な割り込み運転をする車両が散見されます。
ブレーキをきっかけに渋滞が生まれることは多いのです。
無理な割り込み行為は交通事故のリスクも高まる上、渋滞の引き金となるためご注意ください。
■参考 渋滞の発生原因と発生箇所
図引用:NEXCO東日本
高速道路の渋滞対策 渋滞の発生原因と発生箇所より
参考URL:NEXCO西日本
渋滞原因解説
渋滞を乗り越えよう!回避のコツとは
渋滞の発生メカニズムが分かると、ドライバーとして渋滞を回避するコツも掴みやすくなります。
行楽シーズンのロングドライブを笑顔で乗り越えるコツは、以下の4つのとおりです。
1.迂回路を事前の把握しておこう
高速道路、一般道路のいずれにも適用できる対策として「迂回路」を知っておくことがおすすめです。
事前にいくつかのルーツを把握しておき、渋滞の発生が見られたら迂回路を選択しましょう。
この方法を知っておくと、急な事故による渋滞にも、落ち着いて対処できます。
時には大胆な「広域迂回」も、目的地への早期到着へのカギです。
>広域迂回とは、大幅に迂回しながら目的地を目指すことを意味します。
たとえば、仙台から東京を目指す場合、東北道ルートが採用されやすいですが、行楽シーズンは常磐道ルートの方は早く到着できるとされています。
2.目的地の優先順位を考えよう
観光で外出する場合、1日に複数の観光名所を回ろうとすると、無理なスケジュールになってしまう可能性があります。
特に運転したことがない地域の場合、混雑具合が分からず、運転を焦ってしまう可能性も高いでしょう。
無理な日程とならないように、目的地の優先順位を考え、ゆとりのあるドライブを行うことがおすすめです。
3.渋滞情報を随時キャッチする
渋滞情報はネットやラジオなどを通して、随時提供されています。
特に高速道路の渋滞情報はオンタイムで更新されており、ドライブ時に大変役立ちます。
運転中はスマホの操作ができないため、ラジオも活用できるように設定しておきましょう。
渋滞情報に関しては、近年「渋滞回避アプリ」にも注目が集まっています。
Yahoo!やGoogleも積極的にアプリを提供しており、すでに多くの利用者がいます。
4.運転する時間に工夫を
行楽シーズンは日中帯の渋滞が起きやすく、夜間時は比較的スムーズに流れる傾向があります。
目的地へ急ぎたい場合は、迂回路も踏まえつつ、夜間走行を心がけることもおすすめです。
ただし、夜間時は車間距離を見失いやすいため、渋滞発生を見つけたら日中帯より注意するように心がけましょう。
それでも渋滞にはまってしまったら?
対策を十分に行っていても、渋滞にはまってしまうことがあります。
では、渋滞にはまってしまったらどのような点に注意すべきでしょうか。
車間距離を十分に取りつつ、時には休憩を
渋滞の運転はドライバーにとって大きなストレスです。フラストレーションを溜めてしまうと運転への集中力も削がれてしまいます。
渋滞解消の基本は、「車間距離」にあります。
繰り返しブレーキを踏むと、連鎖反応のように車両が停滞し始めるため、車間距離を十分に取りつつ運転を続けることが大切です。
とは言っても、疲れてしまうことも事実。
休憩を取ってリラックスをすることも重要です。特にお子様とともにお出かけしている場合、家族の機嫌により、車内の雰囲気が悪くなってしまうことも。
家族がリラックスして移動できるように、休憩を心がけましょう。
渋滞対策グッズを使おう
イライラしがちな渋滞にはまってしまうことを想定し、予め渋滞対策グッズを用意しておくこともおすすめです。
おすすめのアイテムは以下です。
【シートクッション】
ロングドライブの疲れが蓄積しにくい、シートクッションは座席に取り付けられます。
渋滞は無くても、ロングドライブがある場合には重宝するアイテムです。
【音楽プレイリスト】
ロングドライブを乗り切る秘訣は、楽しい音楽です。
古典的なアイディアですが、便利なアプリなども活用しながら、リラックスできる好みの音楽をかけましょう。
【携帯トイレや臭いが漏れにくいゴミ袋】
渋滞はストップ&ゴーを繰り返すため、乗り物酔いやすいと言われています。
また、渋滞にはまってしまうとトイレに行けず苦しむことも。携帯トイレや吐しゃ物の臭いが漏れにくいゴミ袋を用意しておくと、万が一の際も安心です。
この他に、お子様がいる場合にはDVDやタブレット、おやつや飲み物も用意しておきましょう。
また、強い日差しが車内に注ぎ込むと熱中症を引き起こす可能性があります。
遮光性のあるフィルムシートなどを活用し、日差しに備えることもおすすめです。
ドライバーの方は目が疲れないように、サングラスや目薬も用意しておきましょう。
バッテリーチェックなど車の点検は十分に行っておこう
渋滞が起きそうな時期にロングドライブを実施する場合、バッテリーのチェックなど車の点検を十分に行っておくことがおすすめです。
渋滞途中に車線上に停車してしまうと、渋滞だけではなく追突事故につながる危険性があります。
高速道路の本線車道での停止は、原則として禁止です(道路交通法第75条の8第1項)。
ガソリンもこまめにチェックし、急なトラブルが起きないように注意しましょう。
また、万が一の停車トラブルに備えて、発煙筒や三角表示板もお忘れなく。
行楽ドライブには自動車保険!1day保険の検討も視野に入れよう
行楽シーズンにだけ、自動車を乗るという方も少なくないでしょう。
渋滞が起きやすい行楽シーズンは事故が起きやすく、自動車保険に加入しておくべきです。
もしも普段は自動車保険が不要、という場合でも以下の方法で加入をご検討ください。
自己所有の車を行楽シーズンのみ運転する場合
自己所有の自動車保険は1day保険やドライバー保険(後述します)に加入できません。
短期間の加入であれば、必要時に自動車保険に加入し、不要となったら解約することになります。
1カ月単位の保険料が発生します。
1day保険やドライバー保険に加入する
友人や家族の車を借りてお出かけへ、という場合には、1day保険への加入もおすすめです。
自己所有や配偶者所有の車は対象外です。
社有車も対象外としている保険会社が多いため、ご確認ください。ドライバー保険という選択肢もあります。
いずれも細かく対象者・車両が制限されているため、加入時には条件をご確認ください。
追突事故に備えるために|被害者・加害者ともに過失割合がある?
高速道路の渋滞時には追突事故が発生しやすくなっています。
原則として追突事故は過失割合が被害者0、加害者が100であることが知られていますが、以下のようなケースでは過失割合が被害者側にも発生しています。
高速道路上で停車した車両が停止表示器材などを使用していなかったときの事故
過失割合は一般的に、被害者側40%、加害者側が60%とされ、通常の追突事故よりも被害者側の責任も重くなっています。
(※実際の事故内容によって過失割合は変動します)
過失割合が双方にあるケースでは、納得がいかずトラブルとなる場合があります。
過失割合を争うケースは多く、双方が事故の立証しつつ交渉を行う必要があります。
また、過失割合が双方にあるケースでは、車両の損壊や自身の治療においても過失相殺の適用を受けるため、車両保険や人身傷害保険など、自身の自動車保険でカバーする必要があります。
追突事故ならもらい事故だから、過失割合が無いとは限りません。自動車保険に加入し、被害にも加害にも備える必要があります。
まとめ
今回は、渋滞時の交通事故を避けるコツについて解説しました。
渋滞発生のメカニズムや、巻き込まれた際のアイディアについても触れましたが、いかがでしたか。渋滞時は通常時よりも事故が多く、自動車保険への加入が必須です。
今まで以上に行楽シーズンが楽しめるように、ぜひ今回の内容を参考の上でおでかけください。
あおり運転にあってしまったら!
トラブルを回避するコツや保険はある?
注目が高まっている「あおり運転」について、実際に起きた事件や厳罰化にも迫りながら詳しく解説を行います。トラブル回避のコツもあわせて紹介します。
近年あおり運転に関するニュースが増加しています。
あおり運転による悲惨な交通死亡事故も発生しており、ドライブレコーダーの導入に関心を持つ方も急増しています。
ここではあおり運転にあってしまったら、どのように対処すべきか詳しく解説します。
トラブルを回避するコツや事故時に利用できる任意保険について紹介します。
ぜひ、ご一読ください。
あおり運転とはどんな行為?
あおり運転についてさまざまなニュース番組で報道されるようになりましたが、具体的にはどんな行為を指すのでしょうか。
あおり運転とは、車両を威嚇や挑発するために背後から猛スピードで追いかけたり、前方に飛び出し急停車したりするような行為を指します。
近年はドライブレコーダーの普及などにより、YouTubeなどにあおり運転の実際の様子が投稿されることも多くなっています。
ドライバーとして日々運転をされる方は、ご自身があおられる経験をしていたり、見かけたりしたことがあるのではないでしょうか。
千葉県警察は、あおり運転行為について、違反対象となる行為をわかりやすくイラストを公開していますので、ぜひご参考ください。
参考URL:千葉県警察
あおり運転(妨害運転)について 「一定の違反 妨害(あおり)運転の対象となる10類型の違反」より
あおり運転は厳罰化が進んでいる
慎重に運転しているにもかかわらず、強引な追い越しをされたり、前方の車両が何度も急停車を繰り返し、身の危険を感じるドライバーは少なくありません。
では、あおり運転についてはどのような取り締まりが行われているのでしょうか。
あおり運転は警察では「妨害運転」と呼ばれており、重大な交通事故につながる行為のため、厳罰化が進んでいます。
令和2年6月には、道路交通法の改正により妨害運転による罰則が新設されました。
他車両をあおることを目的に、急ブレーキを踏んだり車間距離を詰めたりする行為は取り締まりの対象となり、最大で懲役3年が課せられます。
また、妨害運転をした者はすぐに免許が取消されます。
【あおり運転罰則強化の概要】
引用 警察庁 トピックスⅣ いわゆる「あおり運転」「妨害運転」に対する警察の取組 図用Ⅳ-1より
「妨害運転罪」が作られた背景には、危険な行為が多発しているためです。
では、どのようなあおり運転行為が実際に起きているのでしょうか。
参考URL:警察庁
危険!「あおり運転」はやめましょう
あおり運転にはどんな行為が多い?
警察庁が実施した「あおり運転に関するアンケート」を見ると、回答者のうちの35%、3人に1人が過去1年間に「あおり運転」の被害経験があるとしています。
「あおり運転」をされた場所は、約77%が一般道路、約23%が高速道路で、多くの方が日々の生活の中であおり運転を経験していることがうかがえます。
また、あおり運転の行為としては「後方からの著しい接近」が8割以上です。
クラクションやハイビームを当てる行為も回答に上がっています。
参考URL:政府広報オンライン グラフ
過去1年間におけるあおり運転被害の有無
あおり運転の厳罰化はどうして行われた?実際に起きた事件とは
あおり運転はどうして厳罰化に至ったのでしょうか。
この章では、実際に起きたあおり運転の事件をピックアップし、実際の判例にも触れながらあおり運転の危険性を分析します。
東名あおり運転事件
あおり運転の厳罰化のきっかけの1つには、「東名あおり運転事件」が挙げられます。
この事件は平成29年6月に起きた事件です。
パーキングエリアで駐車方法に注意をしてきた車両を東名高速道路上であおる行為を繰り返し、停車させたところ大型のトラックが追突し、夫婦2名が死亡、子2名も重傷を負いました。この事件は横浜地裁にて第一審は懲役18年、東京高裁に控訴後、第一審の破棄および審理の差し戻しを経て、再び横浜地裁にて懲役18年が言い渡されました。
この事件は、追突事故を誘引した加害者に「危険運転致死罪」を適用され、その後のあおり運転の厳罰化のきっかけとなっています。
なお、追突したトラックのドライバーは書類送検後、不起訴処分とされています。
【加害者には余罪も】
東名あおり運転事件を起こした加害者には、余罪があったことも知られています。
平成29年5月、山口県内で執拗なパッシングやクラクションなどの行為を繰り返しており、警察に通報したことにより大きな被害には至りませんでした。
しかし、死亡事故を起こした後にも同様の事件を起こしており、普段から執拗なあおり行為を繰り返していたのです。
あおり運転は常習性が高いと考えられており、道路交通法改正によりあおり運転により取り締まり後は一発免許取消、という厳罰化に至りました。
堺あおり運転事件
大阪府堺市で平成30年7月に起きた「堺あおり運転事件」は大学4年生のバイカーが事件に巻き込まれ命を落としました。
この事件は別名「あおり運転殺人事件」と呼ばれており、あおりを行った加害者は最高裁にて上告が棄却され、殺人罪により懲役16年が確定しています。
あおり運転に殺人罪の適用が可能との司法が判断したことにより、東名あおり運転事件後も続くあおり運転に一石を投じる内容となりました。
【堺あおり運転事故の加害者もあおり運転の常習者】
若いバイクドライバーが4キロもあおりを受け続け、100キロの猛スピードで追突された事件について、被害者遺族の家族は厳罰化を求める言葉を残しています。
この事件の加害者も、以前から繰り返しあおり運転を行っており、別の事件の被害者のドライブレコーダーに記録が残されていたことも知られています。
あおり運転を起こす心理とは?どんな人が起こしやすい?
上記に触れた事件以外にも、あおり運転は重大な事故につながっています。
では、時に命をも奪ってしまう悪質なあおり運転を起こす心理とは、一体どのようなものでしょうか。
同乗者がいない時、怒りのコントロールを失いやすい
令和元年にあおり運転について調査を行った一般社団法人日本アンガーマネジメント協会によると、あおり運転発生時における90%以上が、加害者側の車輛に同乗者がおらず、1人で運転している時と判明しています。
つまり、一人で運転をしている時は怒りのコントロールを失いやすく、あおり運転を行いやすい状態と考えられます。
あおり運転をしてしまうタイミングは、どのような乗車状況の時が多いですか? | 人数 | |
---|---|---|
第1位 | 1人でしているとき | 90.3% |
第2位 | 自分の他に1人以上乗車しているとき | 9.7% |
参考URL:一般社団法人
日本アンガーマネジメント協会 「6月6日アンガーマネジメントの日を前に、全国420人を対象とした、あおり運転と怒りの関係性の調査結果を発表!」
車両の中にいるからこそ、怒りを表しやすい
堺あおり運転事件の加害者は、普段から危険なあおり運転を繰り返していましたが、裁判中には裁判官から注意を受けるほど声が小さかったと言われています。
あおり運転行為は車両という守られた空間の中だからこそ、怒りを表しやすいと考えられています。
普段は易怒性(過剰な怒り)を見せない方も、車の運転中は性格が一変するケースもあります。
「あおり運転に関する研究の概観と抑止策の提案(※1)」によると、車線変更や追い越しを頻繁にしたり、車間距離を詰めて走ったりする攻撃的運転傾向は若年運転者が最も高いとされており、年齢とともに明確に低下しています。
さらに、あおり運転には性差があるとされており、女性より男性の方が一貫して攻撃的運転傾向が高くなっています。
運転中には誰しもがある程度イライラを感じるものですが、あおり運転を行いやすいのは若年層の男性に多い傾向があります。
(※1)出典論文 中井 宏(2021)「あおり運転に関する研究の概観と抑止策の提案」交通科学Vol.22 No.1 P3~12
運転時のアンガーマネジメントの必要性
高齢化社会が進んでいる日本においては、横断中の歩行者の動きが遅く右折・左折時にスムーズに進まなかったり、法定速度よりも遅い運転を見かける機会も増えています。
蛇行運転などを見かけたら、ドライバーとしては危険を知らせるための行動をしたい、という心理も当然に働くでしょう。
しかし、過剰な行為はあおり運転につながりかねません。いらだつ時、注意をしたいと感じた時は、まずは深呼吸をしましょう。
運転にイライラしやすい人はどうするべき?
運転をする際にいらだちやすい人は、「時間に余裕がない」と感じる傾向があります。
早く目的地に着きたいのに、遅れていると感じるとつい、いらだってしまいやすいのです。
ゆとりのある運転を実践するためには、余裕をもって出発する・できる限り混雑を避けるといった工夫も必要です。
怒りのコントロールの手法は5つ
運転中にいらいらしてしまったら、以下に挙げる5つの方法を実践してみましょう。
1.6秒かけて深呼吸
2.家族の写真を見る
3.合言葉をつぶやく
4.数を逆からかぞえる
5.怒りの対象から離れる(運転を休憩するなど)
怒りのコントロールは、運転時以外にも役立ちます。
特にあおり運転は常習性が高いため、感情をご自身でしっかりとコントロールすることが重要です。
参考URL:JAF
特集 運転にも役立つ ! アンガーマネジメント
あおり運転に遭遇してしまったらどうする?トラブル回避のコツとは
「もしもご自身があおり運転に遭遇してしまったらどうしよう…」と考えている人はおいのではないでしょうか。
この章では、あおり運転に巻き込まれた際の、トラブル回避のコツを紹介します。
まずは回避!停車して警察へ通報を
あおり運転は死亡事故にもつながる危険な行為です。もしも遭遇してしまったら、駐車場などに避難し、すぐに警察へ110番通報しましょう。
実際に警察への通報が事件の回避につながっているケースがたくさんあります。
「降りてこい!」と言われてもロックをかけて下車しないでください。
高速道路の場合、車線上や路側帯では後続車が衝突する可能性があります。
できる限りパーキングエリアなどに避難することが理想ですが、執拗にあおられる場合は安全に停車させ、警察に通報してください。
挑発しない
あおり運転に遭遇すると、無理な追い越しをされたり、急停車されるなどの妨害を繰り返される傾向があります。
妨害行為を行う車両と離れるために急発進させ、追い抜こうとすると挑発行為とみなされ、怒りが増幅する傾向があります。
報復される可能性も高まるため、挑発はせずに停車を心がけてください。
ドライブレコーダーを搭載しよう
ドライブレコーダーは近年以前よりも安価で手に入るようになっています。
前後の撮影が可能なカメラも増加しています。
しかし、お値段が安すぎるものではありません。
ドライブレコーダーの購入が難しい場合には、ステッカーを貼っておくこともおすすめです。
「ドライブレコーダー設置中」などのステッカーが販売されており、抑止力としての効果があります。
セーフティードライブを心がけよう
常習性の高いあおり運転者のターゲットにならないためには、セーフティードライブを心がけることが大切です。
高速道路の運転時は走行車線を安定走行し、追い越し車線へ繰り返し侵入するような蛇行運転は避けましょう。
クラクションの頻度は少なく、がベストです。
危険運転をしそうな車両を見かけたら車間距離を十分に取りましょう。
普段から安全運転を心がけることが、身を守ることにつながります。
あおり運転で交通事故に巻き込まれたら?任意保険への加入の重要性
あおり運転は繰り返しですが、常習性が高い行為であり、いつどこでご自身が交通事故に巻き込まれるかわからないものです。
ではもしも、あおり運転による交通事故に巻き込まれてしまったら、一体どうするべきでしょうか。
この章では示談交渉など、任意保険への加入の重要性を紹介します。
任意保険は示談交渉サービスがある
交通事故に巻き込まれてしまった時に、トラブル気質を持つ人との交通事故交渉は大変成ストレスになる可能性が高いでしょう。
ご自身の加害を認めない可能性が高く、示談解決までの道のりに大きな苦労を抱える可能性があります。
任意保険である自動車保険には、「示談交渉サービス」が提供されています。示談交渉サービスには以下の特徴があります。
- 加害者、被害者のいずれの立場であっても示談交渉をしてくれる
- 書類のやり取りや、過失割合の決定なども一任できる
もらい事故のように示談交渉サービスが使えない場合
もらい事故のようなケースは、自身が被害者であり相手方が加害者(過失割合0:10)となり、保険会社による示談交渉サービスが法律上使用できません。(※弁護士法に抵触するため)
しかし、任意保険にはこうした事態に備えて「弁護士費用特約」が付帯できます。
法律相談から依頼まで、保険会社から支払いを受けつつ弁護士へ示談交渉などを一任できるため、大変便利です。
一般的には300万円を限度に弁護士費用を保険会社に立替えてもらえます。
多くのケースはこの費用の範囲内で解決できるため、付帯しておくことがおすすめです。
任意保険においてあおり運転加害者になることの危険性
あおり運転の加害者となって交通事故を引き起こしてしまった場合、「故意による過失」が問われる可能性があります。
わかりやすく言うと、「わざと交通事故を起こした」可能性が争われるため、加害者側の保険会社は道義上、被害者側への補償は行ったとしても、加害者側のケガや車両の損害に対しては支払いを拒絶する可能性が高いのです。
あおり運転は飲酒運転などと同様に、極めて危険な行為であり、保険会社は契約を解除する可能性もあります。
実際に飲酒運転や危険ドラッグなどの摂取が判明した契約者は、保険契約を解除され、以後の再契約は非常に難しくなります。
このように、あおり運転の加害者となると、自身の補償も失いかねません。
「運転中いらいらする癖がある」と感じたら、今こそ自分を見直し、セーフティードライブを目指しましょう。
まとめ
今回は注目が高まっている「あおり運転」について、実際に起きた事件や厳罰化にも迫りながら詳しく解説を行いました。
あおり運転に巻き込まれないように、そして万が一の際の対処法も紹介しましたので、ぜひ今後のドライブにお役立てください。
あおり運転は報道される傾向が高まっており、関心を持っている方も増えています。
被害に備えたい方は、ドライブレコーダーの使用や弁護士費用特約などの方法を検討し、トラブルに備えておきましょう。
運転中にいらだつ傾向がある方は、アンガーマネジメントを始めることがおすすめです。
いつも心に余裕を持ち、自身が加害者にならないように、余裕のある運転を心がけましょう。