自動車保険は、ほとんど同じような補償内容でも、保険会社によって保険料が少しずつ異なります。
複数社の自動車保険を比較してから新規加入・契約更新を行うことで、保険料を節約することができます。
この記事では、自動車保険を比較検討すべき理由、そして、見積もりサービスを利用する際のポイントを解説します。
自動車保険を比較検討すべき理由
自動車保険は、保険会社によって少しずつ補償内容と保険料が異なります。
そのため、比較検討してから加入しないと「いざという時に保険金が支払われなかった!」「保険料を損して払っていた!」という大きな後悔に発展してしまう可能性もあります。
また、自動車保険の加入タイプ(ネット型か代理店型か)については、保険料・サービスに明らかな違いがあるため、比較検討する上での大切なポイントになります。
1)同じような補償内容でも保険料は異なる
自動車保険は、1998年に保険料率が自由化される以前は、どの保険会社においても同じ保険商品が同じ金額で販売されていました。
これは、どの保険会社も、損害保険料率算出機構という中立機関が算出する保険料率(保険金に対する保険料の割合)をもとに保険商品を販売しなければいけない決まりがあったためです。
その後、1998年に保険料率が自由化されてからは、各保険会社が独自で保険商品を開発し保険料も自由に決めることができるようになったため、消費者の選択の幅が広がりました。
ただし、現在も、各保険会社は、損害保険料率算出機構が算出している(使用義務のない)「参考純率」をもとにして、主要な補償内容の保険料率を決めています。
そのため、現在も保険会社によって、補償内容と保険料が大きく異なるというということはありません。
ほとんど同じような補償内容でも、保険会社によって保険料が少しずつ異なるのはこのような理由があるためです。
2)ネット型と代理店型自動車保険の比較
自動車保険は、加入タイプによって保険料が大きく分かれます。
そのタイプは「ネット型」と「代理店型」の大きく2種類に分かれます。
ネット型か代理店型かによって、保険料はもちろん、提供してもらえるサービスや期待できるポイントも異なります。
まずは、それぞれの特徴を理解しましょう。
【ネット型自動車保険の特徴】
「ネット型」の自動車保険は、「通販型」とも呼ばれます。
また、保険契約の際、保険代理店などを通さず直接契約を行うことから「ダイレクト型」と呼ばれることもあります。
① 保険料が割安
ネット型自動車保険の特徴は、保険料が代理店型と比べると安いという点です。
また、「インターネット割引」など代理店型では提供できないサービスを提供しているのも特徴です。
これは、保険代理店への手数料・営業マンの人件費・営業所などのコストがかからない分、保険料を安く抑えることができるためと言われています。
② 代理店型に比べると補償・サービス内容が劣る可能性も
ただし、保険料が安い理由は、営業に関するコスト削減だけではありません。
営業費用がかからない分、宣伝広告費がかかっていますので、補償・サービス・特約などの内容や充実度合いなどにおいてコストの調整を図っている保険会社もあります。
つまり、代理店型に比べると、補償・特約・サービス内容の充実度・サービスラインナップが劣ってしまう場合もあるのです。
「ネット型」は、保険料の安さだけではなく、補償内容・サービス内容についても比較した上で検討する必要があります。
【参考:ネット型・代理店型の違い ―「レンタカー特約」の例】
東京海上グループのネット型自動車保険「イーデザイン損保」の場合、レンタカー特約は「事故時」のみに限られ、さらに特約を利用すると等級・保険料への影響が出てしまいます。
一方、同じく東京海上グループの代理店型自動車保険「トータルアシスト 自動車保険(東京海上日動))の場合、レンタカー特約は、事故時や故障によるレッカー搬送時に対象となり、特約を利用しても等級・保険料への影響がありません。
このように、特約の中身(内容)だけを考えれば代理店型商品のほうが優れているのは明らかです
【代理店型自動車保険の特徴】
保険代理店や保険会社の営業マンを通して加入する自動車保険は、「代理店型」と呼ばれています。
① ネット型に比べれば保険料が割高
代理店型は、営業コストがかかっている分、ネット型に比べれば保険料が割高です。
それでもネット型ではなく代理店型を選んでいる人が多くいるのには、いくつか理由が挙げられます。
② 補償内容やラインナップが充実している
上記の東京海上グループの「レンタカー特約」の事例でも紹介した通り、補償内容・サービス内容は、ネット損保よりも代理店型のほうが充実している商品が多いのも特徴です。
③ 頼りになる代理店担当者の存在
また、保険代理店は、自動車保険以外にも火災保険・地震保険・医療保険・がん保険・生命保険など…様々な保険商品を取り扱うことができます。
そのため「保険は信頼できる人にまとめてお願いしているから」という理由で、代理店から自動車保険に加入している人も少なくありません。
さらに、代理店の中には、お客様が事故に遭った際、現場にかけつけてくれる人もいます。 こんなに心強い事はないですよね。
④ 代理店型だから事故対応が安心という訳ではない
ただし、代理店型に加入しているからと言って、ネット損保に比べて事故に遭った時も安心か?と言えば、一概にそうとも言い切れません。
代理店担当者も人間ですので、24時間どこでも事故現場にかけつけるという訳にもいきません。
また、保険金を支払うかどうか決済したり事故相手と交渉を行ったりするのは、保険代理店ではなく保険会社の損害サービス担当者です。
代理店型だからといって事故対応が有利に進んでいく訳ではないという点は、予め理解しておく必要があります。
【参考:事故対応は代理店型が安心か?】
2021年の「自動車保険事故対応満足度」(※)は、1位:ソニー損保、2位:損保ジャパン、3位:東京海上日動という結果でした。ソニー損保は、保険金支払・事故対応担当者・事故受付体制・調査/認定結果の4つの要素で最高評価を受賞しての結果だそうです。
1位のソニー損保はネット型、2位・3位は代理店型の自動車保険ですので、代理店型だから事故対応が安心で、ネット型の自動車保険だから事故対応が手薄…という訳でもないようですね。
ちなみに、ソニー損保では、事故現場にセコム社の警備員を派遣する「セコム事故現場かけつけサービス」を提供しています。
※J.D. パワー 2021年自動車保険事故対応満足度
https://japan.jdpower.com/ja/press-releases/2021_Japan_Auto_Insurance_Claims_Satisfaction_Study
見積もりサービスを利用して、自動車保険を比較しよう!
自動車保険選びは、保険料も大切ですし、いざという時の補償も両方大切です。
ぜひ、見積もりサービスを利用して、保険料と補償内容のバランスを比較検討しましょう。
見積もりサービスにも少しずつ特徴があるので、それぞれのポイントについて解説いたします。
1)各保険会社のサイト
各保険会社のインターネットページで保険料の見積もりが可能です。
「すでに加入する自動車保険を決めている人」、「すでに保険に加入しており、保険会社を変更する予定はないけど補償内容の変更・特約付加した時の保険料試算をしたい人」などにオススメです。
ただし、内容によっては、ホームページの見積もり機能だけでは完結しないものもあります。
詳細な試算結果を、後日メール等でお知らせ…というケースもあります。
2)一括見積サービス
複数の保険会社の見積もりを一括で調べてくれるので、比較する際の手間を省略することが可能です。
また、見積もりサービスを提供している会社によっては、独自の特典やキャンペーンを提供している場合もあります。
「少しでも保険料を節約して、得をしたい」、「今の保険会社を変更したい」という人におすすめです。
尚、見積もり結果を比較する際は、保険料だけでなく、保険料以外の条件についても注目をしましょう。
少しずつ補償内容・補償金額・特約の有無・等級・年齢など、試算をする際の条件が異なる場合もあるので、注意が必要です。
3)保険ショップ
保険ショップに来店して、複数社の見積もりをとってもらうことも可能です。
保険ショップであれば、分からないことはその場でアドバイスをもらうことができますし、最近ではリモート相談なども行ってくれるところもあります。
そのため、「自動車保険の仕組みが全然わからなくて不安」、「プロからしっかりとアドバイスをもらってから保険契約をしたい」という方は、保険ショップを活用することをオススメします。
ただし、保険ショップの場合、保険ショップによって取り扱っている自動車保険の数が1つや2つと多くない場合もあります。
また、保険ショップは保険代理店が運営しているので、保険料の安いネット型保険の商品は扱っていないor扱っていたとしても一部ということほとんどです。
ネット型自動車保険への加入も視野に入れている人は、ぜひ一括見積サービスを利用しましょう。