年齢によって保険料が変わる理由

自動車保険を選ぶ時のポイント

自動車保険は、年齢によって保険料が変わります。
あなたの年齢・年代は、保険料が安いですか?それとも高いですか?
また、その理由をご存知ですか?

今回は、意外と知られていない年齢と事故、そして、保険料との関係について解説します。
さらに、保険料をお得に節約するための「年齢条件特約」についても紹介します。

年齢によって自動車保険料が変わる理由

1)年齢と事故発生の関係

原付以上運転者(第1当事者)の年齢層別免許保有者
10万人当たり交通事故件数の推移(令和2年)
16~19歳1,075.4件
20~24歳595.5件
25~29歳420.6件
30~34歳335.1件
35~39歳308.2件
40~44歳299.7件
45~49歳308.8件
50~54歳307.7件
55~59歳300.5件
60~64歳310.2件
65~69歳313.4件
70~74歳336.1件
75~79歳418.8件
80~84歳440.9件
85歳以上522.4件

※「原付以上運転者」とは、自動車、自動二輪車及び原動機付自転車の運転者をいう。
※「第1当事者」とは、最初に交通事故に関与した事故当事者のうち最も過失の重い者をいう。

事故発生のリスクは、10代・20代が高く、30代から50代にかけて低くなっていき、そして60代以降にまた高くなっていきます。
10代・20代の若い世代の事故リスクが高いのは、免許取得から間もないためとされています。
60代以降は、加齢に伴う身体能力の低下とともに事故の発生確率も高くなっていきます。

参考URL:警察庁
令和2年中の交通事故の発生状況

2)年齢と自動車保険料の関係

事故の発生リスクは年齢によって異なります。
保険会社は、世代別に保険料に差をつけることによって適正かつ公平な保険料設定を行っています。
そのため、事故発生リスクの高い年代では保険料が高くなる傾向にあり、事故発生リスクの低い年代は保険料が下がる傾向にあります。

これは、自動車保険会社すべてに共通する仕組みです。
しかし、自動車の保険料が決まる要素は、年齢だけではありません。
各保険会社の保険料率は、①用途・車種、②型式別料率クラス、③新車か新車以外か、④保険金額および免責金額、⑤年齢、⑥等級、⑦運転者限定…といった複数の基準によって算出された「参考純率」という共通のデータを根拠に決められています。
また、補償内容・補償金額・特約のプランによっても保険料は変わりますし、保険事故歴の有無によっても保険料は変わります。

つまり、年齢だけを理由に「保険料が高い」、「保険料が安い」と判断することはできません。

3)契約更新で保険料が上がったのは年齢のせい?

保険契約を更新する際、「事故も起こしていないし、補償内容も変更していないのに保険料が上がった!」という経験を持つ人もいるかもしれません。
これは、年齢による影響でしょうか?
結論としては、一概には言えません。
たしかに、年齢を重ねたことによって保険料が上がるタイミングがあるのは確かです。

例えば、記名被保険者(保険契約の中心となる人物)の年齢の区分が「50歳以上59歳未満」から「60歳以上65歳未満」に上がった場合は、保険料が増額する可能性があります。
ただし、年齢はあくまで保険料が決まる要素の1つに過ぎません。

そのため、「事故も起こしていないし、補償内容も変更していないのに保険料が上がった!」という場合には、年齢以外にも、以下のようなことも可能性として考えられます。

契約更新の際、保険料が上がった原因として考えられる可能性
記名被保険者の年齢の区分が「50歳以上59歳未満」から「60歳以上65歳未満」に上がった
等級が下がった
新車割引/ASV割引(自動ブレーキ)の適用が終了となった
Eco割引の対象外になった
料率改定が行われた

「年齢条件」をうまく設定して保険料をよりお得に

年齢は、あくまで保険料を決める要素のうちの1つです。
一方で、10代や20代、または60歳以上の人については、年齢の影響によって他の世代よりも保険料が高くなってしまうことは避けようのない事実でもあります。
しかし、自動車保険は、車を運転する人に対して「年齢条件」を設定することで保険料を安くすることが可能です。
自動車保険料をムダに支払わないように、「年齢条件」の仕組みを理解しておきましょう!

1)「年齢条件」とは

自動車保険は、車を運転する人の年齢を限定することで保険料を安くすることができます。
これを「年齢条件特約(年齢条件)」と言い、保険契約車両を運転する人の中で最も若い人の年齢を基準に設定します。
条件区分は、保険会社によっても異なりますが、一般的には以下の4つの中から設定をします。

運転者年齢条件の区分
1年齢問わず補償
221歳以上補償
326歳以上補償
430歳以上補償

「年齢問わず補償」が最も割高で、年齢が上がるにつれ保険料が割安となり、「30歳以上補償」が最も保険料が割安となります。
保険会社によっては、さらにその上の「35歳以上補償」の区分を設けて、「30歳以上補償」よりも保険料を安くすることが可能です。

2)年齢条件が適用される範囲

一般的に、年齢条件が適用される人は、以下の人です。

1記名被保険者
21.の配偶者
31.または2.の同居の親族
41.~3.の方の業務に従事中の使用人

ちなみに、やや複雑な話となりますが、上記以外の人が運転中に起こした事故については、年齢条件が適用されません。

【事例】
Q.別居の息子(25歳)が、プライベートで実家に帰省した際、父親(55歳)の車を運転していた際に事故が発生。
父親の車の自動車保険には、「30歳以上補償」の年齢条件が設定されていた場合、25歳の息子は年齢条件が適用されるでしょうか?

A.このケースでは、別居の25歳の息子は、年齢条件が適用される範囲の中に当てはまりません。
つまり、別居の25歳の息子には年齢条件が適用されず、問題なく保険金支払いの対象となります。

ただし、もし、このケースで息子が同居していた場合には、年齢条件の適用となる「1.記名被保険者の同居の親族」に該当し、保険金支払は対象外となってしまいます。

3)年齢条件を虚偽の申告をしたらどうなる?

年齢条件の設定によって、保険料を安くすることは可能です。
ただし、もし年齢条件に当てはまらない年齢の人が事故を起こしてしまった場合は、年齢条件を虚偽の申告した事となります。
年齢条件を虚偽の申告した場合、保険会社は、保険金を支払うこともなければ、事故相手との示談交渉を行うこともないので注意が必要です。

例えば、自分の家族が所有している車の保険契約をよく理解していないまま、その車を他人に運転させてしまい事故が発生…事故後に「年齢条件」が設定されていたというケースも珍しくありません。
そのため、年齢条件を設定した後は「他人に車を運転させない」、もしくは「他人に運転させるのであれば、車を運転する人に、1日自動車保険への加入や他者運転特約の利用を検討してもらう」などの対応が必要となります。

4)年齢条件変更のタイミング

年齢条件を変更するベストなタイミングは、車を運転する最も若い人が、年齢条件区分が変わる年齢になったときです。
つまり、最も若い人が、21歳・26歳・30歳、もしくは35歳になったタイミングであれば保険契約の年齢条件区分も新しく変わるので、保険料を安くすることができます。

まとめ

今回は、年齢と事故の関係、そして、年齢と保険料との関係について解説しました。

事故発生リスクの高い年代では保険料が高くなる傾向にあり、事故発生リスクの低い年代は保険料が下がる傾向にあります。
また、年齢条件を上手に設定することで、保険料をお得にすることもできます。自分自身の年齢だけでなく、家族の年齢も含めて考えることで、より最適な年齢条件を設定しましょう。
ただし、あくまで「年齢」は、自動車保険料が決まる要素の1つでしかありません。
「保険料が上がって困っている」、「もっと保険料を安くして節約したい」という人は、保険料が高くなってしまっている原因を、一度、プロに相談することをオススメします。

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