新車を購入した際に、多くの人は車両保険に加入しますが、一度加入すると契約の変更などを、どのタイミングで行えば良いか迷ってしまいます。
いざ検討した時には「補償される額が年々低くなるのでどうしよう」「車両保険は高いけど外すと事故の際に心配だ」など不安が増すばかりです。
ここでは、車両保険をいつまでつけるべきなのか?という悩みと、外す際の注意点・保険料を安くする方法などを合わせてご紹介します。
この記事でわかること
- 車両保険は、車両の損害を補償する保険である
- 車両保険は、新車購入から3年程度はつけるのが一般的である
- 車両保険を外す際は、車両の価値やローンの残高などを考慮する必要がある
- 車両保険の保険料を下げるには、免責金額を大きくしたり、補償範囲を限定したりする方法がある
- 車両保険は、必要に応じて加入・解約を検討することが大切である
車両保険とは
車両保険は自分の車の修理費を補償するためにかける保険です。
例えば車両盗難や車両事故で車が壊れた場合、ガードレールで自損事故を起こした場合や駐車場で車にいたずらされた場合など修理が必要になる状況はさまざまですが、もしもの際に車両保険に加入していると保険金が支払われます。もちろん大きな事故で修理が不可能な場合も車両購入費に保険を充当することができます。
補償範囲は幅広く、津波や台風などの自然災害で車が水没した場合も車両保険で適応できます。
【車両保険】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
車両保険で補償される範囲とは
契約期間の途中から車両保険を付ける(外すこと)はできる
いざという時に入っていると安心な自動車保険ですが、車両保険を契約期間の途中からつけたり外したりできるのでしょうか?
結論としてはどちらも可能です。
車両保険を途中からつけると当然保険料金は高くなり、外すと解約払戻金を受け取ることができ、月や年間の保険料は安くなります。
途中から契約変更して車両保険をつける事は出来ますが、途中から車両保険をつける場合に注意すべき事が3点あります。
注意すべき事項
- 事故後の車両保険加入
事故後に車両保険の重要性を感じて保険に加入することは可能ですが、その事故の補償を後から自動車保険に加入しても受けることはできません。車両保険の補償はあくまでも加入後の事故に対する補償になります。 - 車両保険加入後すぐの事故
加入後すぐの事故は通常よりも厳しく補償の審査があります。
事故が発生して車輌保険に入っていなかった事に気付き、慌てて加入して補償を受け取ろうとしていると疑われる事もあります。しかしながら保険金が全くおりないケースは少ないようです。
トラブルを防ぐためにも事故の被害にあったりした場合は、事故証明書や被害届けを警察に出しておくと、のちのトラブル防止になります。 - 補償の開始時期
自動車保険を途中で付帯するということは、契約を変更する事になります。
電話やインターネットで申し込んでもその日から補償が適用されるとは限りません。
補償がいつから開始されるかは保険会社により異なりますので事前によく確認しておく必要があります。
補償開始日よりも前に起こした事故は車両保険の対象外になり補償を受けることができません。
車両保険をつけるメリット・デメリット
ふとした油断で起こしてしまう事故ですが、思った以上に修理費用がかさんでしまうケースもあり、車両保険に加入していて良かったと思う事があります。
しかし、全く事故を起こさないゴールド免許の人は車両保険に必要を余り感じられないものです。
では車両保険を付けるか付けないかを決める基準は何なのでしょうか?
ここでは、車両保険をつけるメリットとデメリットをご紹介します。
車両保険を付けるメリット
一番のメリットは金銭的な補償がある事です。
次のような場合も補償してもらえます。
自分の過失分も補償の対象
車両保険は前途にてご案内したとおり、盗難や自損事故の場合も補償してくれる優れた保険です。
そして自分にも過失がある場合にも補償を受けることができます。
一例として自動車走行時に斜め後ろから追突された場合のケースを見てみます。
追突してきた相手方が自動車保険に加入している場合は、全て相手方の保険で補償してもらえると考えるのが一般的だと思います。
しかしながら自分と相手が共に走行中の場合は、過失の割合が7対3や8対2などになり、100パーセント相手が悪いとはなりません。
(停車中に後ろから追突された場合は100パーセント相手が悪いとなります。)
修理費用が100万円発生した場合、過失の割合が7対3であれば相手が70万円負担し残りの30万円は自分で負担しないといけません。
この時、車両保険に加入していれば残りの負担額を保険の補償でまかなう事ができます。
補償してくれる対象の人がいない損害も補償
壁やガードレールにぶつかるような事故で、相手がいない場合の補償はどうなるのでしょうか?
相手がいる事故であれば、過失の度合いにより相手の対物賠償保険から補償を受ける事ができます。
しかし前途のように相手がいない事故の場合は自己負担になります。
このような場合でも車両保険に加入していれば損害補償の対象となります。
その他にも補償してくれる対象の人がいないケースとして、盗難による損害や台風・洪水で自動車が水没して故障した場合でも、車両保険に加入しておくと補償金を受け取る事ができます。
自賠責保険にはない補償
車を購入する時に自賠責保険に入っているから、任意保険である車両保険には加入しなくても良いのでは?と考える人もいるようです。
同じ保険でも自賠責保険は「対人の人身事故のみ」が保証の対象となります。
事故の相手への補償は行われても相手の車への修理保証などはありません。
もしもの時に高額な修理代を請求されても、車両保険で補償してもらえるのは大きなメリットといえます。
【自賠責】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
自動車の自賠責保険(共済)とは?任意保険との違いや特徴を解説
デメリット
万が一の時に心強い車両保険ですがメリットばかりではありません。
保険料の支払いが増える
保険会社やプランによって車両保険の金額は異なりますが、車両保険をつけることで月々の支払額が増えます。
特に年齢が若い場合は事故を発生させる可能性が高いので、車両保険も高額に設定されています。
事故が怖いからといって高額の車両保険に加入すると負担が大きくなりすぎてしまいます。
しかし、安価な車両保険では適用対象が限定的になり、実際「使えなかった!」という話もあります。
月々の支払額と補償を照らし合わせて適正なプランに加入する必要があります。
車両保険前提の特約を付与できない
車にゴルフクラブや釣り具、スノーボードやカメラなど積んでいる場合に検討する「身の回り品補償特約」や、地震、津波などの予期せぬ天災からの被害に対応する「地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約」などは車両保険をつけていないと付帯できません。※
(※保険会社によっては車両保険無しでも付帯できる場合があります。)
災害や事故で車に損害がでた場合に補償されない
中古であっても車は大変高価な乗り物です。
不慮の事故や自然災害などで全損になり車を買い換えなくてはならなくなった場合には、その負担はとても大きなものになります。
保険が適用されないと全額負担で再度購入する必要があります。
十分な貯蓄があれば良いのですが、まだローンを返済中などの場合は、更に修理費用がローンとプラスされしまいます。
修理できる範囲の損害であればよいのですが、全損となると車に乗る事ができません。
手元に車がないのにローンだけ支払わなくてはならない状態となりますので注意が必要です。
他車運転特約で車両保険を使えない
他車運転特約とは、車を借りて事故を起こしてしまった場合に、借りた車の保険ではなく自分の保険を使い補償を受けられる特約となります。
借りた車の保険を利用すると翌年から借りた車側の等級が下がる事になります。
他車運転特約を付帯している場合は、自分の保険で補償ができるので借りた車側には迷惑をかけることはありません。
他車運転特約で受けられる補償は自分の自動車保険の補償内容に準じますので、自身が車両保険に加入していない場合は自己負担になります。
【他車運転特約】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
レジャーで親や知人の車を運転する時に保険はどうしたら良いの
車両保険を外すタイミング
新車を購入したタイミングで車両保険に入る人の割合は非常に多いと思います。
それでは車両保険に加入するといつまで続けるのが正解なのでしょうか?
一般的に車両価格は年々下がっていきます。その降下に合わせて車両保険のプラン構成を変更するとよいといわれます。
目安としては次のようなタイミングです。
- 1年目〜3年目はすべてのリスクに対応できる「一般型車両保険」
- 4年目〜5年目は「エコノミー型車両保険」にして補償範囲を限定し保険料を安くする
- 6年目〜7年目では車種によっては車両保険を外すことを検討してもよい
- 8年目から10年目は税法上減価償却が終わる年数なので車両保険を外すタイミング
新車購入後10年経過したら
一般的な車では、10年間乗り続けると車の時価は限りなく0円に近いものになると言われています。
車の時価により補償額は設定されるので、10年を一つのタイミングにしても良いでしょう。
新車購入後13年経過したら
車を購入して初年度登録をしてから13年経過すると、ハイブリッド車を除く自動車や軽自動車は自動車重量税が上がります。
そのため13年経過のタイミングで車の買い替えや車両保険の見直しをする人が多いようです。
車の時価も下がり、高い保険料を払い続けるなら、少しでも日々の出費を抑えるために車両保険を外すという選択も有効です。
車両保険が必要な人・不要な人
車両保険のメリット、デメリットを紹介しましたが、実際に車両保険が必要なのかどのような基準で判断すればよいのでしょうか?
ここからは、ご自分に当てはめて車両保険が必要な人・不要な人であるかをご判断下さい
車両保険の必要な人
新車や高級車、新古車のような車両を購入する場合は加入する事をおすすめします。
特に外車や高級車は修理が高額になることが多いので、車両保険の補償は心強いです。
自動車をローンで購入した人
新車をローンで購入する人は多いと思いますが、ローンの残高が車両価格の25%〜30%残っている場合の車両保険は継続した方が安心です。
車両保険の補償金額をローンに充当する事ができます。
車両保険の不要な人
前途でもご説明しましたが、車両を新車で購入してから8年〜13年になると車両保険での補償金額も下がり、余りメリットが無くなる為、外す事を検討しても良いでしょう。
十分な貯蓄がある
車両保険は万が一の場合の出費に対応してくれる補償ですが、十分な貯蓄がある場合は事故が発生しても対応できるので必要は無いでしょう。
車両価格の低い中古車に乗っている人
前途で車の時価が低いと補償金も少なくなるとご説明しましたが、中古車などは購入時から車両価格が低いので事故の際の補償金額も少なくなります。
資産価値のあるビンテージカー以外の場合は必要ないかもしれません。
自動車にあまり乗らなくなった時
自動車に頻繁に乗らない場合、事故の確率はその分低くなります。
日々の出費を減らす為にも車両保険の加入を見送るのも手です。
車両保険をつけても保険料を安くする方法
車両保険が必要であるという考えに達したら、次はいかに安く加入できるかが気になるところです。
メリットはあっても、無理して高価な保険に加入するのは得策ではありません。
以下では、ご自分がどのタイプで加入するとよいかの判断にしてみてください。
エコノミー型にする
自動車保険には補償の範囲により2つの種類に分けることができます。
- 一般型
保険料が高いタイプになりますが、自動車を運転する中でほとんどのリスクに対応します。
対応範囲は以下の通りです。
①自分の車と他の車、バイクなどの衝突
②自転車や電柱、ガードレール、その他建物など車輌以外との接触
③台風・洪水・火災などの天災
④当て逃げやいたずら、落書き、盗難
⑤飛石などで窓ガラス破損
一通り全ての損害に補償して欲しい人向けの保険です。
- エコノミー型(車対車+限定A)
保険料は一般タイプより安価になりますが、その分補償も車対車(バイク)などの事故損害中心に補償されます。
対応範囲は以下の通りです。
①自分の車と他の車、バイクなどの衝突
②台風・洪水・火災などの天災
③盗難や落書き
④飛石などで窓ガラス破損
建物にぶつけてしまったり、自転車との接触などは含まれませんので考えて契約する必要があります。
補償範囲は一般型より狭まりますが、補償範囲は十分なので検討してもよいでしょう。
免責金額を設定する
自己負担する金額設定の事ですが、この金額を低くすると保険料は上がり、逆に高くすると保険料は下がります。
月々の保険料をいくらまで払えるのかで設定金額を調整すると良いでしょう。
【免責金額】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
車両保険金額とは?いくらがいいの?
保険会社を変更する
保険会社により車両保険の金額は異なる金額です。
加入の際は相見積などして最適な金額を確認すると良いでしょう。
まとめ
車両保険を付帯するかどうかで保険料は大きく変わります。
無駄な出費は極力抑えながらも、事故の際の補償は最低限確保できるように保険契約を見直すことは必要です。
その時の収支にあった費用構成で最適な補償環境を作りましょう。
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