純保険料率とは
純保険料率とは、保険料率を構成する要素の1つです。自動車保険料を決定する要素である保険料率は大きく2つに分けられます。
1つが「純保険料率」、そしてもう1つが「付加保険料率」です。
純保険料率は、事故が起きた際に保険会社が支払う保険金として算出されています。
一方の付加保険料率は、保険会社側の事務費や人件費などに充当されています。
純保険料率の役割とは
保険会社は保険金請求に適切に対応できるように、資金を常にプールしておく必要があります。
しかし、いつどこで、どのぐらいの保険金請求が行われるのかは、未来のことであり未知数です。
そこで、保険会社は過去の事故のデータや数式など、さまざまなデータを使って損害保険料率算出機構が計算した純保険料率を使い、どのぐらいのお金をプールすべきか判断しています。
自社だけではデータが少ないため、損害保険料率算出機構が公平な視点で算出したデータを採用しています。
一方の付加保険料率は保険会社が運営を続けていくにあたって、必要な経費について算出されたものです。純保険料率と付加保険料率の両方をセットで『保険料率』と呼んでいます。
保険料率の算出には3つの原則がある
純保険料率を含む保険料率を正しく算出するにあたっては、3つの原則が設けられています。
合理的であること
損害保険料率算出機構は、各保険会社が提出した膨大なデータを使い、正しい純保険料率を算出する必要があります。
いくつかの会社のデータに偏ることなく、合理的と判断できるように公平にデータを算出する必要があります。
妥当であること
保険会社は将来請求されうる保険金に備えて、高額の資金をプールする必要があります。しかし、あまりにも高額の保険料を契約者に求めることは妥当な行為ではありません。
そこで、保険料の算出の基礎となる保険料率は、妥当なものである必要があります。
契約者が支払え、保険会社が適切に会社経営を続けていける程度の計算が必須です。
不当に差別ではないこと
契約者は常に公平に扱う必要があります。料率に関するリスクの区分などに、不当な偏りが内容に算出する必要があります。
契約者間に不公平さが生まれないように保険料率が算出されています。
純保険料率を適用しない保険もある
多くの保険会社が自社の損害保険料に関して、自動車保険以外の商品にも純保険料率を参考にしています。しかし、純保険料率や付加保険料率の影響を受けない保険が2つあります。それは「自賠責保険」と「地震保険」です。
自賠責保険は強制保険であり、どの保険会社で加入をしても保険料は一律に設定されています。
地震保険は強制ではありませんが、大規模な災害時に被害者を一律に救済するためにある保険であり、国と保険会社が連携して運営しており、補償内容も保険料も各社一律です。
【自賠責保険】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
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