過失割合とは
自動車保険における過失割合とは、交通事故が発生した際に事故の当事者間で責任の割合を決定することを意味します。
交通事故の多くは双方に過失があるケースが多く一方的な追突事故などのもらい事故以外では、過失割合を決めます。その上で過失相殺し、保険金の支払額を決定します。
交通事故の多くは自動車同士の接触や衝突によるものが多く、事故の当事者の双方に過失があるケースが大半です。
例として挙げると「交差点で右折する際に直進してきた車両と衝突する事故」や、「高速道路の走行中に車線を変更しようとしたら予想よりスピードが出ていた後続からの車両と接触する事故」などが該当します。
車両同士の事故は双方が運転中に起きることが多く、一方に全くの過失がないという事故は珍しいです。(玉突き事故で後続車から追突されるケースなどの除く)
交通事故で発生した損害については、誰がどの程度支払うのかを明確にするために、責任の割合を決定します。
全く責任がないもらい事故なら過失は0、相手方が10であり、0対10として表記します。
一方で信号機のない交差点に双方が侵入したような事故の場合、0対10になるようなことはほとんどありません。
交通事故の当事者が加入していた保険会社同士で交渉を行い、4対6、などの着地点で示談をすることになります。
過失割合は警察が決めている?
交通事故が発生すると警察を呼ぶ必要があります。
警察が現場に駆け付けると当事者の名前や住所などを確認し、車両や車検証を確認の上で実況見分を行い、実況見分調書を作成します。
また、後日交通事故証明書が発行されます。こうした諸手続きを踏まえると、過失割合は警察が決めていると考える人も多いでしょう。
しかし、警察は起きた交通事故について記録の作成や、必要に応じた刑事事件(行政処分がある場合等)の手続きは行いますが、民事分野である過失割合には関与しません。
交通事故証明書にも甲・乙等の表記で事故の当事者の情報や自賠責保険の加入先は載せられますが、過失割合や任意保険会社の加入先は載りません。
過失割合は保険会社間での交渉で決めており、示談が決裂した場合には訴訟や紛争処理センターにステージを移します。
過失割合は保険会社の交渉力による?
警察が介入せず、保険会社間で過失割合の交渉が行われる以上、気になるのは保険会社による交渉力かもしれません。
しかし、交通事故の歴史は長く、さまざまな過失割合の判例がすでに数多く存在しています。
こうした過去の判例などの資料から過失割合を取り決めしているのであり、大手損保やネット損保といった会社の規模で過失割合の有利・不利が左右されることはありません。