「突然フロントガラスに傷が入ってしまった」
「飛び石でフロントガラスが傷んだけど、自動車保険を使えるのか知りたい」
大切な愛車を運転中に突然フロントガラスに傷が入ってしまう現象をご存じでしょうか。この現象は「飛び石」によるもので、走行中に起きやすいトラブルとして知られています。
そこで、本記事では自動車運転の初心者向けに飛び石によるフロントガラスへのトラブルについて、車両保険適用が使えるかどうかやトラブル時の対処法を中心にわかりやすく解説します。
この記事で解説する内容
1飛び石が発生する原因がわかる
2飛び石による損傷の対処法
3飛び石によるフロントガラス損傷への車両保険適用可否
4車両保険を利用した際の等級
5車両保険利用に悩んだ際のポイント
運転中によくある飛び石のトラブルとは
車を運転していると、「パチン!」という鋭い音とともにフロントガラスなどに何かがぶつかることがあります。これは「飛び石(とびいし)」によるトラブルです。
走行中に起きやすいため、一瞬の出来事になりやすく何が起きたのかわかりにくいトラブルですが、最悪の場合はフロントガラスがヒビ割れして高額な修理費がかかることがあります。本章では飛び石トラブルの原因や、遭遇したときの対処法を解説します。
飛び石トラブルの原因
飛び石とは、前方を走る自動車のタイヤの溝に挟まった小石や、道路に落ちている石が、タイヤの回転による遠心力で後ろに弾き飛ばされることで発生します。
特に以下のようなシチュエーションで発生しやすくなります。
- 高速道路やバイパス
- 大型トラックやダンプカーの後方
- スタッドレス走行が多いシーズン
走行中の自動車のスピードが出やすい道路のため、石が飛んでくる勢いが強く、後方を走る自動車へぶつかる衝撃が大きく損傷が発生しやすくなります。
大きな車体に付いているタイヤの溝には小石が挟まりやすく、荷台から砂利が落ちてくることもあります。また、泥除け(マッドガード)がない、または短い車は石を後ろに跳ね上げやすいとされます。
スタッドレス(冬用)タイヤはゴムが柔らかく石を噛みやすいため、飛び石が発生しやすいとされます。
いずれのシチュエーションも、前方の自動車から発生しやすいですが、走行中に起きるためどの車体から飛び石が発生したのかはわかりにくい傾向があります。
飛び石でフロントガラスなどが損傷した時の対処法
飛び石のトラブルはフロントガラスに直撃しやすい傾向があります。もしも愛車のフロントガラスに傷が入ってしまった場合の対処法を解説します。
- 車を停車させる
- 自身でできる応急処置を行う
フロントガラスに入ったヒビは、走行中に広がってしまうなどのおそれがあります。まずは安全な場所で車を停車させ、応急処置をしましょう。すでにヒビが大きい場合はレッカー移動を検討することもおすすめです。
フロントガラスの応急処置を行う場合、水や中性洗剤を利用して汚れを落とし、乾燥させてからヒビの中の空気を抜いたうえでセロハンテープで穴をふさぎます。穴より大きなセロハンテープで補修することでガラスの飛散をふさいだ上で、さらに上から保護フィルムを貼りましょう。
フロントガラスの損傷を放置するとどうなる?
「フロントガラスに損傷があるけど、運転はできる」このようなケースでは思わずダメージを放置してしまう人も少なくありません。
では、フロントガラスの損傷を放置するといったいどのようなことが発生するでしょうか。知っておきたい安全面・主なリスクは以下の3点です。
ヒビが急激に広がってしまう
フロントガラスには走行中の風圧や車体の振動、段差を乗り越えた際の衝撃など、常にストレスがかかっています。
さらに「温度変化」に弱いため、夏場にエアコンの冷風や冬場の温風による変化で一気にヒビ割れるケースが多発します。運転中に突然ヒビが広がれば、大事故につながりかねません。
車検に通らなくなる(道路運送車両法違反)
道路運送車両法の「保安基準第29条」では、フロントガラスは運転者の視野を妨げないこと、かつ容易に貫通しないことが定められています。
たとえ小さなヒビ割れであっても「安全な運行を維持できない」とみなされれば車検に落ちてしまいます。また、ヒビ割れが著しい状態で公道を走行していると、整備不良として警察に取り締まられる対象(違反点数や反則金のペナルティ)にもなります。
修理代が高額になる
小さな傷(目安として直径1.5〜2cm程度)であれば、特殊な樹脂を流し込む「ガラスリペア(部分補修)」で対応できる場合も多く、費用も数万程度で収まります。
しかし、放置してヒビが伸びてしまうとリペアでの修復は不可能となり、フロントガラス全面の「交換」が必要です。車種や純正・社外品などの選択などにも左右されますが、費用は10万〜20万円以上と一気に高額になってしまいます。
フロントガラスの傷に車両保険は使える?
飛び石などでフロントガラスに傷がついた場合、場合によっては全面交換となるため高額の修理費用が発生します。では、修理が必要となった場合にご自身が加入している「車両保険」を使って修理や交換をすることが可能でしょうか。
本章ではフロントガラス修理時に知っておきたい車両保険の利用について解説します。
車両保険の加入内容によっては使える
一般的な自動車保険の車両保険は、補償範囲が2パターン用意されています。
(以下は一般的な名称で紹介、保険会社によって補償名が異なります)
- 一般型(一般補償):自損事故や当て逃げも含め、最も幅広く補償される
- エコノミー型(限定補償):車対車の事故や盗難・災害などに補償が限定され、単独事故は除く
「エコノミー型だと飛び石は対象外では?」と不安になる方も多いですが、エコノミー型であっても「飛び石によるガラス破損」や「落下物・飛来物による損害」は基本的に補償対象に含まれているケースがほとんどです。
ドライバー自身に過失がなく、防ぎようのない外的要因でついた傷であれば、車両保険を使って直すことができます。
ただし、保険会社によっては独自のプラン名や特約の組み合わせで補償内容を細分化している場合もあるため、ご自身がどのパターン(加入内容)で契約しているか事前に証券等で確認しておきましょう。
車両保険で修理できないケース
一方で、傷やヒビ割れの原因が以下のような場合は、車両保険の補償対象外(自己負担)となります。
- 経年劣化によるヒビ割れ
- 故意による破損
- 太陽光の熱(熱割れ) 真夏の直射日光などによる温度差でガラスが割れる「熱割れ」は、自然消耗や劣化とみなされ、保険が適用されない可能性がほとんどです。
また、車両保険に未加入の場合は補償対象外です。
車両保険でフロントガラスを修理する際の注意点
「車両保険が使えるなら一安心」と思いがちですが、フロントガラスの修理に車両保険を使うべきかどうかは慎重に判断する必要があります。以下の2つの注意点を必ず押さえておきましょう。
免責金額を設定している場合
車両保険に「免責金額(自己負担額)」を設定している場合、修理代金が免責金額を上回った分しか保険金が支払われません。
例:免責金額が「5万円」に設定されている場合
修理代が免責金額(5万円)を下回っているため、保険金は支払われないため全額自己負担となります。
自己負担の5万円を差し引いた「10万円」が保険金から支払われます。
数万円で済むリペア(部分補修)の場合は、免責金額の兼ね合いから保険を使うメリットがないため注意が必要です。
飛び石であっても等級はダウンする
「飛び石は自分に非がないから、保険を使っても等級は下がらないのでは?」と思われがちですが、残念ながら保険を使うと翌年の等級は下がります。
ただし、事故が起きた際に一般的には翌年3等級ダウンとなるものの、飛び石によるフロントガラスの損傷は「1等級ダウン事故」となります。
かつては「等級据え置き事故」として扱われていましたが、現在は制度が改定され、保険を使うと翌年の等級が1つ下がり、さらに「事故有係数(割増引率)」が1年分適用されます。
「保険金でもらえる金額」と「翌年以降に値上がりする保険料の総額」を慎重に比較し、「保険を使わずに自費で直した方が、トータルで安上がりだった」という事態にならないよう、事前に試算することが鉄則です。
飛び石を飛ばした相手方へ損害賠償請求はできる?
「自分の過失ではないのに愛車が傷ついてしまった、飛び石を飛ばした相手に損害賠償を請求したい」
このように飛び石の損害を相手方へ請求したいと考える方も多いでしょう。
結論から言うと、前走車(相手方)に飛び石の修理代を損害賠償請求するのは、現実的には極めて困難です。法律(民法)に基づいて賠償を求めるには、以下の高いハードルをクリアしなければなりません。
因果関係の証明ができない
相手方へ損害賠償請求を行うためには「確かにあの車が跳ね上げた石だ」という決定的な証拠が必要です。ドライブレコーダーの映像であっても、タイヤが石を噛んで飛ばした瞬間まで鮮明に映っているケースは少ないでしょう。
相手の「過失(不注意)」を証明できない
飛び石は、公道を普通に走っていても偶然発生してしまう不可抗力(不運な事故)とみなされます。
相手がわざと石を投げた場合や、過積載のトラックから荷物が目に見えて落下したようなケースを除き、前走車のドライバーに法律上の過失(落ち度)を認めることは裁判でも困難とされています。
そのため飛び石の被害に遭った際は、ご自身の車両保険を使うか自費で速やかに修理する方向で動くのが現実的な解決策です。
飛び石にも万全!車両保険を使う・使わないを決める3つのヒント
「飛び石によるフロントガラスの損傷で車両保険が使えるとしても、保険料が高くなってしまうならどうしよう」という方も多いでしょう。
そこで、車両保険を使うべきか、それとも自費で直すべきかを迷ったときは、以下の「3つのヒント」を基準に判断してみましょう。
修理費用や翌年以降の保険料への影響が少ない場合は自費がおすすめ
傷が大変小さく、部分補修(ガラスリペア)で済む場合は、自費で直すことがおすすめです。
車両保険を一度でも使うと、翌年の保険料が上がってしまいます。翌年の保険料の増額分の方がリペア代よりも高くなってしまわないように、保険を使わずに自費で支払った方がトータルの出費を抑えられる可能性が高いでしょう。
同じ「1等級ダウン」であっても、現在の契約状況によって翌年以降の保険料へのダメージ(値上がり幅)は大きく異なります。特に以下のような保険料への影響が大きいケースでは、できるだけ自費での修理を検討した方が賢明です。
すでに他の事故で保険を使っており、現在「事故有」の割引率が適用されている期間中(事故有係数適用期間中)の場合、車両保険を使うと保険料がさらに高くなってしまいます。高額な割増期間が最長で通算6年まで延びてしまうため、注意が必要です。翌年以降の自動車保険料に大きな負担がのしかかります。
現在の等級が「6等級」や「7等級」など、比較的低い段階にあるケースも注意が必要です。1等級ダウンしてしまうと、自動車保険の「割引率」が一気に下がる、あるいはデメリット等級になると割増(ペナルティ)の対象です。になってしまいます。特に新規加入して間もない時期などは、できるだけ自費で対応した方が長期的なメリットにつながります。
フロントガラスの全面交換には車両保険がおすすめ
フロントガラスを「全面交換」しなければならない場合は、車両保険の利用を検討しましょう。
近年は、衝突被害軽減ブレーキなどのカメラがフロントガラス付近に搭載されている「先進安全自動車(ASV)」が増えています。
こうした最新タイプのフロントガラスを交換する場合、ガラス代や工賃だけでなく、カメラの再設定(エーミング作業)が必要になるため、総額で10万以上の高額な費用がかかるケースも珍しくありません。
翌年の保険料アップ分を考慮しても、保険金を受け取って直した方が支出を抑えられる可能性が高いでしょう。
まとめ
本記事ではフロントガラスのキズについて、車両保険の適用有無を中心に詳しく解説しました。
飛び石によるフロントガラスの損傷は、車両保険(一般型・エコノミー型いずれも)で補償されますが、保険を使うと翌年1等級ダウンします。
修理費用が少額なら自費、全面交換が必要な高額ケースでは保険利用を検討しましょう。
放置するとヒビの拡大や車検不合格につながるため、早めの対処が重要です。
フロントガラスと自動車保険に関するよくあるご質問
投稿者プロフィール
- 経歴:大手損害保険会社に勤務後、弁護士事務所で秘書として交通事故訴訟の調査に従事
最新の投稿

初めての方向け基礎知識2026年5月28日自動車保険の勘定科目と仕訳|社用車を経費にするためには?


加入後に注意する事2026年5月20日【初心者必見】飛び石によるフロントガラスのキズに車両保険は使える?


初めての方向け基礎知識2026年2月27日SUVとは何?言葉の意味や人気の理由、代表的な車種まで徹底解説!


初めての方向け基礎知識2025年11月21日車庫証明の住所変更完全ガイド|15日以内の申請方法と罰則


