自動車保険の見積もりを取ると、基本の補償の下に特約がずらりと並びます。どれも「万が一のときに役立ちます」と書いてあるので、ひとつずつ外していく判断がつきません。かといって全部付ければ、保険料はその分だけ上がります。
難しいのは、その特約が人によって必要になったり不要になったりすることです。
ある人にとっては少ない保険料で大きな自己負担を防げる特約が、別の人にとっては一生使わない補償になります。この記事では主な特約12種類を一覧に整理し、自分の場合はどうかを判断できるチェックリストまで用意しました。
この記事のポイント
1特約には「自分で選ぶもの」と「契約すると自動でセットされるもの」があり、個別に見直せるのは自分で選んだ特約。
2いらない特約かどうかは、重複・支払条件の狭さ・保険料との釣り合い・自己負担できるかの4つで判断できる。
3優先して検討したいのが弁護士費用特約と対物超過修理費用特約。どちらも事故の状況によっては自己負担が大きくなるリスクに直結する。
4外す候補になりやすいのは、他の保険と重複しているものと支払条件が狭いもの。個人賠償責任特約や身の回り品補償特約が代表例。
自動車保険の特約とは?「外せる特約」と「外せない特約」がある
特約の見直しに入る前に、整理しておきたいことがあります。特約と呼ばれているものの中には、契約時に自分で選んだものと、条件を満たしたことで自動的に付いてきたものが混ざっているからです。この2つを分けないまま「どれを外すか」を考えても、話が前に進みません。
特約は基本補償に上乗せするオプション
自動車保険では、対人賠償・対物賠償・人身傷害・車両保険などが主な補償として用意されています。相手への賠償、自分と同乗者のケガ、自分の車の修理を、それぞれ担当している部分です。
特約はこの土台でカバーしきれない部分を埋めるためのオプションです。基本補償の穴を塞いだり、補償額を上乗せしたりするものが中心ですが、なかには車以外のリスクまで守備範囲を広げるものもあります。
契約すると自動でセットされる特約がある
特約のなかには、条件を満たすと自動的に付いてくるものがあります。ここを知らないまま見直しを始めると、話が噛み合いません。
たとえば他人から借りた車を運転中の事故に備える他車運転特約、相手が無保険だった場合に備える無保険車傷害特約、レッカーなどのロードサービスに関する特約。これらは多くの保険会社で自動セットの扱いになっており、付ける・付けないを選ぶ画面には出てきません。もらい事故で車両保険を使っても等級を下げない車両無過失事故特約も、車両保険を付けると自動でセットされる会社が目立ちます。
ただし、どの特約が自動セットになるかは保険会社によって違います。同じ名前の特約が、ある会社では自動セット、別の会社では任意のオプションということが起こります。対物超過修理費用特約がその代表で、対物賠償に自動で付く会社もあれば、自分で選んで付ける会社もあります。
保険料を下げるために外せるのは、自分で選んで付けた特約だけです。自動セットの特約は個別に外せない商品が多く、その特約だけを外して保険料を下げるという見直しの対象になりにくい部分です。まず保険証券を開いて、自分が選んだ特約がどれなのかを切り分けるところから始めてください。
同じ特約でも呼び方が保険会社ごとに違う
証券を見比べていると、同じ補償なのに名前が違って混乱します。乗り換えを検討している人ほどつまずきやすいところです。代表的な呼び分けを挙げておきます。
| この記事での呼び方 | 保険会社によってはこう呼ばれる |
|---|---|
| 対物超過修理費用特約 | 対物全損時修理差額費用特約、対物差額修理費用補償特約 |
| 身の回り品補償特約 | 車両積載動産特約、車内外身の回り品特約 |
| 代車費用特約 | レンタカー費用特約、臨時代替自動車特約 |
| 弁護士費用特約 | 弁護士費用等補償特約、弁護士特約 |
| 車両新価特約 | 新車特約、新車買替特約 |
名前が違うだけで中身はほぼ同じ。見積もりを比べるときは、特約名ではなく「どんなときにいくら出るか」で並べ直すと判断しやすくなります。
優先して付けたい — 弁護士費用特約、対物超過修理費用特約 条件次第 — 車両新価特約、個人賠償責任特約、ファミリーバイク特約、代車(レンタカー)費用特約、車両全損修理時特約 外す候補になりやすい — 身の回り品補償特約、ドライブレコーダー特約、地震・噴火・津波車両全損時一時金特約、入院時諸費用特約、故障運搬時車両損害特約 ただし「外す候補」は誰にとっても不要という意味ではありません。他の保険で同じ補償を持っているか、その特約が出る条件に自分が当てはまるかで評価は変わります。
いらない特約かどうかを見分ける4つの判断軸
特約名ごとに正解を暗記する必要はありません。次の4つに当てはめれば、自分の場合はどうかを自分で判断できます。
1. 他の保険やクレジットカードと重複していないか — 同じ補償を2つ持っても、受け取れる金額は増えません 2. 保険金が出る条件が狭すぎないか — 「全損のときだけ」「車ごと盗まれたときだけ」といった条件が付いていないか 3. 保険料に見合うか — 年○円を何年払って、使う可能性はどのくらいか 4. 自己負担でしのげる金額か — 数万円で収まるリスクは、保険を使わず自己資金で対応したほうが合理的な場合があります
保険で持つべきなのは、発生頻度は低くても、起きたときの損失が大きく、他でカバーされていないリスクです。逆に、金額が小さいか、他の保険と重なっているか、めったに条件を満たさないものは、外す候補になります。
【一覧】主な特約12種の必要度・保険料の目安・重複の有無
| 特約名 | どんなときに使うか | 必要度 | 保険料の目安 | 重複・代替の有無 | 詳しく |
|---|---|---|---|---|---|
| 弁護士費用特約 | もらい事故で相手と直接交渉するとき | 優先 | 年4,000〜6,000円台の例あり | 家族の契約・火災保険と重複しやすい | 解説 |
| 対物超過修理費用特約 | 相手の車の時価額を超える修理費を請求されたとき | 優先 | 自動セットなら追加負担なし | ― | ― |
| 車両新価特約(新車特約) | 買ったばかりの車が全損・大破したとき | 条件次第(新車のうち) | 車両保険料に数%上乗せが目安 | ― | 解説 |
| 車両全損修理時特約 | 時価額を超えて修理したいとき(上限50万円が一般的) | 条件次第(古い車) | ― | ― | ― |
| 個人賠償責任特約 | 日常生活で他人にケガをさせた・物を壊したとき | 条件次第(重複なら外す) | 月100円前後の例あり | 火災保険・傷害保険・クレカと重複しやすい | 解説 |
| ファミリーバイク特約 | 家族が125cc以下のバイクに乗るとき | 条件次第(バイクに乗るなら) | 補償の型で大きく変わる | バイク保険と重複 | 解説 |
| 代車(レンタカー)費用特約 | 修理中に代わりの車を借りるとき | 条件次第(代替の車がないなら) | 日額×日数で設定 | ― | 解説 |
| 身の回り品補償特約 | 事故で車に積んでいた荷物が壊れたとき | 外す候補 | ― | 家財保険・端末補償サービスと重複 | ― |
| ドライブレコーダー特約 | 事故の記録と自動通報が欲しいとき | 外す候補 | 月額数百円〜1,000円台 | 市販ドラレコで代替可 | ― |
| 地震・噴火・津波車両全損時一時金特約 | 地震などで車が全損したとき | 外す候補 | ― | ― | ― |
| 入院時諸費用特約 | 事故でのケガで入院したとき | 外す候補 | ― | 医療保険と重複 | ― |
| 故障運搬時車両損害特約 | 故障した車を運ぶ途中で壊れたとき | 外す候補 | ― | ロードサービスと守備範囲が重なる | 解説 |
付けると保険料が下がる特約
| 特約名 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 運転者限定特約 | 運転する人を本人・配偶者・家族などに限定する | 限定を狭めるほど保険料が下がる |
| 運転者年齢条件特約 | 補償対象となる運転者の年齢に下限を設ける | 年齢条件を上げるほど保険料が下がる |
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多くの人が付けたほうがいい特約
ここで挙げる2つは、使う場面が特定の人に限られません。事故の相手や状況によって誰にでも起こりうる場面を補うもので、外したときの自己負担が読みにくい部分を埋めてくれます。
弁護士費用特約
信号待ちで後ろから追突されたような、自分にまったく非がない事故を思い浮かべてみましょう。加入している保険会社に連絡しても、相手との示談交渉を代行してもらえません。
保険会社が不親切なわけではなく、制度上の縛りです。示談交渉を代行できるのは、自社に賠償金の支払い義務が生じる範囲に限られます。過失がゼロなら支払い義務も発生せず、それでも代わりに交渉すれば弁護士法第72条が禁じる非弁行為にあたるためです。結果として過失ゼロの被害者ほど、相手方やその保険会社との交渉を自分で行う必要が出てきます。
ここで効いてくるのが弁護士費用特約です。弁護士に依頼した費用と法律相談の費用が補償され、1回の事故につき被保険者1名あたり弁護士費用300万円、法律相談費用10万円を限度とする設定が一般的。保険料は補償の型によって年4,000円台から6,000円台という例があり、自己負担で弁護士に依頼したときの費用と比べると、負担はかなり軽くなります。
なお、この特約は同居の家族などにも補償が及ぶ設計が一般的です。家族が別の車にすでに付けているなら、2台目以降は重複していないか確かめてください。ただし補償される家族の範囲や対象になる事故は商品によって異なるため、1台に付いていれば必ず全員が守られるとは限りません。
加入率や具体的な使い方は自動車保険の弁護士特約とは?事故以外での利用法!で詳しく扱っています。
対物超過修理費用特約
対物賠償保険で支払われるのは、相手の車の時価額までです。古い車に追突して修理費が時価額を超えた場合、超過分は法律上の賠償責任の範囲外なので保険から出ません。
ところが相手は直して乗り続けたいので、差額を負担してほしいと求めてきます。金額の折り合いがつかず話がこじれる典型的なパターンです。この差額を補償するのが対物超過修理費用特約で、限度額は1事故1台につき50万円が主流で、無制限まで引き上げられる商品も出ています。ただし差額がそのまま全額出るわけではありません。前提として相手が実際に修理していることが必要で、その期限は事故から6か月以内、商品によっては1年と定められています。支払額の計算方法も限度額も商品ごとに違うので、契約中の条件をご確認ください。
先に触れたとおり、この特約は対物賠償に自動でセットされる会社と、オプションとして選ぶ会社に分かれます。付けるかどうかを考える前に、自分の証券にすでに入っていないかどうかの確認が先です。
条件が合う人だけ付ければいい特約
次の5つは、必要かどうかが生活環境ではっきり分かれます。車の年式、家族がバイクに乗るか、代わりの車があるか、他の保険で同じ補償を持っているか。自分に当てはまる条件があるかどうかで読み進めてください。
車両新価特約(新車特約)
車両保険から支払われるのも、やはり時価額までです。新車は値落ちが早いため、数年後に全損しても同じ車を買い直せるだけの保険金は出てきません。
この差を埋めるのが車両新価特約で、新車の購入価格を限度に保険金が出ます。ただし条件は細かめです。対象になるのは初度登録から一定期間内で、上限を2〜5年程度に置く商品が多いものの、この期間は商品ごとに違います。さらに修理費が新車価格の一定割合以上といった線引きも付きます。期間も割合も保険会社ごとに違うため、パンフレットの条件欄を必ず読んでください。買ってから年数が経った車では、そもそも対象外になります。
必要性の判断は【FP監修】新車特約とは?メリット・デメリットと必要性を完全解説にまとめています。
個人賠償責任特約
自転車で歩行者にぶつかった、洗濯機のホースが外れて階下を水浸しにした。こうした日常生活の賠償を補償します。補償そのものの必要性は高いのですが、それを自動車保険で持つべきかどうかは別の話になります。この章に入れた理由は、すでに他の保険で同じ補償を抱えている人が多いからです。
問題は重複です。この補償は火災保険や傷害保険の特約として付いていることがあり、クレジットカードに付帯している場合もあります。自覚のないまま2つ3つ抱えている人は珍しくありません。そして重複して加入していても、実際の損害額を超えて二重に保険金を受け取ることはできません。損害額が800万円なら、限度額1,000万円の契約を2つ持っていても支払われるのは800万円までです。
つまり重複分の保険料は無駄になりやすいということです。ただし補償の対象範囲や被保険者、支払条件が契約ごとに違うため、重複が必ず無駄になるとも言い切れません。確認する順番は、火災保険、傷害保険、自動車保険、そしてクレジットカードなどの付帯保険です。クレジットカードは商品差が大きいので、証券が残っている保険から先に見比べるのが早道です。迷ったときは、示談交渉サービスが付いているほうを残しておけば大きく外しません。
補償範囲や支払い事例は【FP監修】個人賠償責任保険は本当に必要?支払い事例と補償範囲を解説と自動車保険の自転車特約とは?家族も補償される?詳しく解説で詳しく解説しています。
ファミリーバイク特約
原付や125cc以下のバイクに乗る家族がいるなら、費用対効果はかなり高い特約です。対象となる排気量や台数の扱いは商品ごとに決まっているので、まず証券で範囲を確かめてください。契約している車1台に付けると、記名被保険者とその配偶者、同居の親族、別居の未婚の子まで補償対象に含む商品もあります。ただし補償対象者や対象車種の線引きは商品によって違います。自動車保険側の運転者年齢条件には縛られないため、子どもが原付の免許を取ったときも、条件次第ではバイク用の保険を別途契約せずに済みます。
使っても自動車保険の等級は下がりません。一方でロードサービスは対象外になるのが一般的です。補償の型は自損傷害型と人身傷害型の2種類が中心で、会社によっては賠償のみの型も選べます。どれを選ぶかで保険料は大きく変わります。
家族に対象となるバイクを運転する人がいなければ、この特約を付ける必要はありません。詳しくは自動車保険でファミリーバイク特約を安く抑えるポイントをご覧ください。
代車(レンタカー)費用特約
車が修理工場に入っているあいだの足をどうするか。その費用を補償するのがこの特約で、上限は日額いくらを最大何日まで、という決め方をします。
判断は生活の実態次第です。車がないと通勤も送り迎えも成り立たない家庭なら、修理期間の出費は現実的なリスクになります。代わりに使える車がもう1台ある、あるいは公共交通機関で足りる。そういう環境なら優先度は下がります。レンタカー特約とは?補償内容や必要性を徹底解説!と自動車保険の代車特約とは|損しない為に知っておくべきポイントで補償内容を確認できます。
車両全損修理時特約
先に触れた時価額の壁は、修理費が高くつく古い車ほど効いてきます。この特約を付けておくと、超過した修理費を上限50万円程度まで上乗せしてもらえます。
生きてくるのは、時価額は下がっているけれど手放したくない車に乗り続けている場合です。年式が古いほど時価額と修理費の差は開くので、長く乗るつもりなら検討する価値があります。車両保険とセットで考える特約なので、補償の型の選び方は車両保険の『一般型』と『エコノミー型』の違いとは?が参考になります。
いらないと判断しやすい特約
ここから先は、外す候補として名前が挙がりやすい特約です。理由はおおむね共通していて、保険金が出る条件が絞られているか、別の手段で同じ備えができるかのどちらかに当たります。ただし条件に当てはまる人にとっては役に立つので、対象物と支払条件は確かめておきたいところです。
身の回り品補償特約(車両積載動産特約)
事故で車が壊れ、その結果として積んでいた荷物も壊れた。そんなときに保険金が出る特約です。限度額は10万円から50万円程度で、数千円の免責金額が設定されているケースが多くなっています。
引っかかるのは支払条件の狭さです。盗難の扱いは会社によって真逆になります。車ごと盗まれたときしか出ない会社もあれば、車内に置いた携行品の盗難まで補償する会社もあるため、約款を見ないと自分がどちらなのか分かりません。さらに、スマートフォン・パソコン・タブレット・現金・有価証券・貴金属を補償の対象から外している会社もあります。車に積んでいて壊れると困るものの多くが、そもそも対象外ということが起こります。
高価な機材を日常的に積んでいる人でも、家財保険やスマートフォンの端末補償サービスで足りることがあります。先に家財保険の証券で対象物と支払条件を見比べ、そのうえで車に積むものが補償されるかを確かめてください。同じものを二重に守っているなら、この特約を残す理由は薄くなります。
ドライブレコーダー特約
保険会社からドライブレコーダーを借りて設置し、事故を検知すると自動で通報が入ります。この仕組みを月額で使うのがドライブレコーダー特約です。保険料は月額数百円から1,000円台が目安で、年間にすると数千円から1万円台の負担になります。
同等の性能の市販ドライブレコーダーは、数年分の特約保険料で買えてしまいます。しかも買い切りなので、以降の負担はありません。映像を残すことだけが目的なら、市販品で用は足ります。一方、事故を検知して自動で通報が入る仕組みや、そのまま事故対応につながるサービスまで必要なら、特約を残す理由になります。
地震・噴火・津波車両全損時一時金特約/入院時諸費用特約
前者は地震などで車が全損になったときに一時金が出る特約です。全損に限定されているうえ、出るのは定額の一時金。支払条件はかなり狭いといえます。
後者は事故によるケガで入院したときの雑費が対象です。医療保険に入っている人は守備範囲が近くなりますが、支払条件は別物なので補償範囲を見比べる必要があります。どちらも、まず火災保険や医療保険ですでに賄えていないかを確認してください。
故障運搬時車両損害特約
故障した車をレッカーで運んでいる最中に、その車が傷つくことがあります。この特約が受け持つのはそこです。運ぶこと自体はロードサービスの担当で、運搬中に生じた損害がこちらの担当、という分担になります。
守備範囲が重なって見えるので、どちらがどこまでカバーするのかを整理しないと二重に備えてしまいます。自動車保険の故障特約とは?加入した方がいいか解説とロードサービスの種類と選び方|自動車保険で損しない5つの確認点を読み比べると境目がつかめます。
【診断】あなたに不要な特約チェックリスト
ここまで読んだ内容を、自分の契約に当てはめていきます。特約名から考えると迷いますが、生活の条件から入ると答えが出やすくなります。
チェックリストで外せる特約を洗い出す
当てはまる項目があれば、その特約は外す候補です。証券を手元に置いて照らし合わせてみてください。
| 当てはまるなら | 外す候補になる特約 |
|---|---|
| 家族の誰も原付・125cc以下のバイクに乗らない | ファミリーバイク特約 |
| 火災保険かクレジットカードに個人賠償責任補償が付いている | 個人賠償責任特約 |
| 車に高価な荷物を積む習慣がない | 身の回り品補償特約 |
| 市販のドライブレコーダーを設置済み | ドライブレコーダー特約 |
| 初度登録から5年前後が過ぎ、証券記載の対象期間を外れている | 車両新価特約 |
| 代わりに使える車がある、または公共交通機関で通える | 代車(レンタカー)費用特約 |
| 家族の別の車ですでに弁護士費用特約を付けている | 弁護士費用特約(重複分) |
| 医療保険で入院時の出費に備えている | 入院時諸費用特約 |
見直しは5つの手順で片付く
- 保険証券を開き、付いている特約をすべて書き出す
- そのうち自分で選んだ特約と、自動セットの特約を分ける
- 火災保険の証券とクレジットカードの付帯保険を確認し、重複している補償を洗い出す
- 残った特約について、保険金が出ないときに自己負担できる金額かを考える
- 外す候補を決めたら、その条件で見積もりを取り直して差額を確かめる
手を動かすのは1と3だけで、あとは判断です。証券が手元にない場合は、契約中の窓口かマイページから取り寄せられます。
ライフスタイル別・要不要早見表
| 状況 | 優先して付けたい特約 | 見直し候補になりやすい特約 |
|---|---|---|
| 毎日通勤で使う | 弁護士費用特約、代車費用特約 | 身の回り品補償特約 |
| 週末しか乗らない | 弁護士費用特約 | 代車費用特約、ドライブレコーダー特約 |
| 新車に乗り換えたばかり | 車両新価特約、代車(レンタカー)費用特約 | 車両全損修理時特約 |
| 10年落ちの車に乗り続けている | 車両全損修理時特約、弁護士費用特約 | 車両新価特約 |
| 子どもが免許を取った | ファミリーバイク特約(原付に乗るなら) | 運転者限定特約(限定範囲の見直しが必要) |
| 車を複数台持っている | 弁護士費用特約(1台に集約) | 個人賠償責任特約(2台目以降) |
| 高速道路や遠出が多い | 弁護士費用特約、代車(レンタカー)費用特約 | ― |
| 公共交通が使いにくい地域に住んでいる | 代車(レンタカー)費用特約 | ― |
| 仕事道具や機材を車に積む | 身の回り品補償特約(対象物を確認したうえで) | ― |
特約を使うと等級は下がる?車両保険は何年目で外すべきか
特約を残すか外すかを考えていると、たいてい2つの疑問にぶつかります。使ったら翌年の保険料が上がるのか、そして車両保険はいつまで付けておくのか。どちらも要否の判断に直結するので、まとめて整理しておきます。
等級が下がるのは保険金が支払われたとき
翌年の保険料に影響するのは、契約から保険金が支払われたときです。ただし特約によっては、使っても等級に影響しないノーカウント事故として扱われます。ファミリーバイク特約や弁護士費用特約がその代表です。
もらい事故で車両保険を使った場合も、先に触れた車両無過失事故特約が付いていれば等級は下がりません。ただしこの特約が働くのは、相手が自動車で、その車と運転者が特定できている事故に限られるのが一般的です。当て逃げや自転車との事故は対象外になります。加えて、どの事故がノーカウント扱いになるかは約款で決まっており、細かい部分は保険会社によって違います。等級制度そのものは自動車保険の等級とは?初心者でも分かりやすく解説で解説しています。
車両保険を外す判断は「年式」ではなく時価額と貯蓄で決まる
「車両保険は何年目で外すべきか」とよく聞かれますが、年数で機械的に決められるものではありません。判断材料になるのは、その車の時価額がいくらか、修理費や買い替え費用を自己負担できるかの2点です。
時価額が30万円まで下がっているなら、車両保険から出るのも最大30万円です。その30万円を自己資金でまかなえるのであれば、車両保険を付け続ける必要性は低くなる可能性があります。逆に、車がないと生活が止まるうえに買い替え資金の余裕がないなら、年式が古くても残す判断はあり得ます。
参考値として挙げると、車両保険の加入率は2025年3月末時点で47.4%です(損害保険料率算出機構の集計。都道府県別の内訳も公表されています)。これは二輪車や貨物車まで含めた全車種の数字で、自家用乗用車に限れば比率は上がります。それでも外すという選択がさほど珍しいものではない、という目安にはなります。一般型とエコノミー型の違いは車両保険の『一般型』と『エコノミー型』の違いとは?をご覧ください。
特約を削る前に見直したい保険料の下げ方
保険料を下げたいという動機で特約を見直しはじめた場合、削る前に確認したほうがいいものがあります。補償を減らさずに保険料が下がる余地が残っていることも多く、そちらのほうが効くこともあります。
運転者限定・年齢条件を実態に合わせる
保険料を下げるには、手を付ける順番があります。運転者限定と年齢条件、車両保険の型と免責金額、そのうえで不要な特約、最後に複数社の比較。特約を1つ2つ外すよりも、前の2つのほうが効いてくるケースは珍しくありません。運転する人を本人と配偶者に限定する、年齢条件を実態に合わせて引き上げる。この2つは補償を削るのではなく、使わない範囲を削る調整です。
子どもが独立して車に乗らなくなったのに、家族限定・年齢条件なしのままという契約は珍しくありません。まずここを疑ってみてください。
車両保険の型と免責金額を見直す
車両保険を一般型からエコノミー型に変える、免責金額を引き上げる。どちらも保険料に直接効きます。判断材料は車両保険の『一般型』と『エコノミー型』の違いとは?にまとめています。なお、外すかどうかの考え方は先ほどの時価額と貯蓄の話がそのまま当てはまります。
見積もりを比べて割引を確認する
同じ補償内容でも、保険会社によって保険料は変わります。特約の扱いも会社ごとに違うため、自動セットの範囲が広い会社を選べば、特約を外さずに保険料が下がることもあります。インターネット経由の申し込みで割引が適用される商品もあるので、複数社の見積もりを並べてから決めるのが確実です。
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まとめ
特約は名前で要不要が決まるものではなく、その人の状況で評価が変わります。この記事で使った4つの軸——重複、支払条件の狭さ、保険料との釣り合い、自己負担できるかどうか——に照らせば、個人賠償責任特約の重複や、身の回り品補償特約の支払条件の狭さは自分で見抜けます。逆に、弁護士費用特約や対物超過修理費用特約のように、比較的少ない保険料で事故時の大きな自己負担に備えられる特約は、残す選択肢があります。
まずは保険証券を開いて、自動セットの特約と自分で選んだ特約を切り分けてください。個別に外せるかどうかは、後者から考えることになります。そのうえでチェックリストに当てはめれば、外していい特約が見えてきます。





