【2026年】自動車税の還付金はいくら戻る?早見表でわかりやすく解説

車を廃車にすると、納めすぎた自動車税の一部が還付されます。金額の目安は排気量・廃車月によって数千円〜4万円弱です。正確な金額は早見表ですぐに確認できます。

実際に手続きの場面で迷うのは、その先の話です。戻るのは自動車税だけなのか、戻ったお金に税金はかかるのか、自賠責保険やリサイクル料金はどうなるのか。

この記事では、廃車月・排気量別の還付金額早見表を出発点に、還付を受けられる条件と受けられないケース、自動車税以外に関わるお金(重量税・自賠責保険料・リサイクル料金)の扱い、確定申告の要否、そして請求権の時効までをまとめて解説します。

この記事のポイント

1自動車税の還付金は、年税額から「4月から抹消登録月までの経過月数分の税額(100円未満切り捨て)」を差し引いた金額として計算される。

2軽自動車の場合、3月中に抹消した場合、地方税に滞納がある場合などは、還付を受けられない・減額されるケースがある。

3廃車で戻るお金は自動車税だけでなく、条件を満たせば自動車重量税・自賠責保険料も還付・返戻の対象。

4リサイクル料金は廃車では原則戻らず、売却・下取りの場合に戻る可能性があるという、自動車税とは逆の仕組み。

5還付金の請求権には時効(原則5年)があり、放置すると受け取れなくなる。

自動車税還付金早見表【cc別・廃車月別】

自動車税(種別割)は4月1日時点の所有者に対して年額で課税される都道府県税です。年度の途中で廃車(抹消登録)をすると、廃車した月の翌月から翌年3月までの残り期間分の税額が還付されます。

あなたの還付額は3ステップでわかります

  1. 車検証の「総排気量」欄で排気量区分を確認する
  2. 車検証の「初度登録年月」が2019年10月以降か、2019年9月以前かを確認する(新税率か旧税率かが変わります)
  3. 廃車予定の月を下表で確認する

この3つが決まれば、そのまま還付額の目安になります。

廃車月別の還付金額早見表

2019年10月1日以降に新規登録された自家用乗用車

排気量年税額4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月
1,000cc以下25,000円23,000円20,900円18,800円16,700円14,600円12,500円10,500円8,400円6,300円4,200円2,100円0円
1,000cc超1,500cc以下30,500円28,000円25,500円22,900円20,400円17,800円15,300円12,800円10,200円7,700円5,100円2,600円0円
1,500cc超2,000cc以下36,000円33,000円30,000円27,000円24,000円21,000円18,000円15,000円12,000円9,000円6,000円3,000円0円
2,000cc超2,500cc以下43,500円39,900円36,300円32,700円29,000円25,400円21,800円18,200円14,500円10,900円7,300円3,700円0円

2019年9月30日以前に新規登録された自家用乗用車(旧税率)

排気量年税額4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月
1,000cc以下29,500円27,100円24,600円22,200円19,700円17,300円14,800円12,300円9,900円7,400円5,000円2,500円0円
1,000cc超1,500cc以下34,500円31,700円28,800円25,900円23,000円20,200円17,300円14,400円11,500円8,700円5,800円2,900円0円
1,500cc超2,000cc以下39,500円36,300円33,000円29,700円26,400円23,100円19,800円16,500円13,200円9,900円6,600円3,300円0円
2,000cc超2,500cc以下45,000円41,300円37,500円33,800円30,000円26,300円22,500円18,800円15,000円11,300円7,500円3,800円0円
旧税率が適用される2019年9月30日以前登録車は、新規登録から13年を超えると税額が約15%重くなる「経年重課」の対象になっている場合があります。上表は経年重課前の税額をもとにしているため、該当する車の実際の年税額は納税通知書で確認してください。

自動車税還付金の計算方法

還付金額の計算式は次のとおりです。

計算式

還付金額 = 年間自動車税額 −〔年間自動車税額 × (4月から抹消登録月までの経過月数) ÷ 12ヶ月〕、括弧内の商は100円未満切り捨て

切り捨てるのは「すでに経過した期間の税額」であって、還付額そのものではない点に注意してください。この順番を逆にすると、還付額が実際より100円少なく計算されてしまいます。

計算例:1,500cc超2,000cc以下(年税額36,000円)の車を8月に廃車した場合

  1. 4月から8月までの経過月数:5ヶ月
  2. 経過分の税額:36,000円 × 5ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 15,000円(端数なし)
  3. 還付金額:36,000円 − 15,000円 = 21,000円

端数処理の運用は都道府県の条例・事務取扱によって異なる場合があるため、正確な金額は廃車先の都道府県税事務所に確認してください。

計算シミュレーション:排気量・廃車月別の具体例

早見表の数字がどう出てくるのか、排気量と廃車月を変えた4パターンで実際に計算してみます。

排気量(年税額)廃車月4月からの経過月数経過分の税額(100円未満切り捨て)還付金額
1,000cc以下(25,000円)6月3ヶ月25,000円×3÷12=6,250円 → 6,200円25,000円−6,200円=18,800円
1,000cc超1,500cc以下(30,500円)9月6ヶ月30,500円×6÷12=15,250円 → 15,200円30,500円−15,200円=15,300円
1,500cc超2,000cc以下(36,000円)12月9ヶ月36,000円×9÷12=27,000円(端数なし)36,000円−27,000円=9,000円
2,000cc超2,500cc以下(43,500円)2月11ヶ月43,500円×11÷12=39,875円 → 39,800円43,500円−39,800円=3,700円

いずれも早見表の該当セルと同じ結果になります。自分の車の排気量・廃車予定月を当てはめれば、同じ手順で還付額を確認できます。

自動車税種別割と還付制度の仕組み

自動車税種別割とは

自動車税種別割は、毎年4月1日時点で自動車を所有している人に課される地方税です。課税するのは都道府県で、1年分をまとめて納める形になっています。年度の途中で廃車すると、すでに1年分が課税された状態になっているため、使わなくなった期間分を返すのが還付という制度です。

なぜ廃車で戻るのか

課税は「年度単位」なのに、実際に車を使うのは廃車するまでの期間だけです。このズレを埋めるのが月割り還付で、抹消登録(廃車手続き)が完了した翌月分からの税額を計算し、納めすぎた分を返す仕組みになっています。

月割りが関係する主なケース

月割り計算が発生するのは、主に次のようなケースです。

  • 年度の途中で永久抹消登録(廃車)をした場合
  • 年度の途中で一時抹消登録をした場合(還付対象になるかは後述する条件による)
  • 年度の途中で新車または中古車を新規登録した場合(この場合は逆に、登録した月の翌月から3月までの分が月割りで課税されます。すでに登録されている中古車を名義変更で購入した場合は、月割課税は発生しません)

自動車税還付を受けられる条件

自動車税の還付を受けるには、抹消登録の完了と、抹消時点での納税義務者であることの2つが必要です。

抹消登録(廃車手続き)完了が必須

自動車税の還付を受けるには、運輸支局での抹消登録(一時抹消登録または永久抹消登録)が完了している必要があります。買取業者に引き渡しただけ、ナンバープレートを外しただけでは対象になりません。登録上の手続きが済んで、はじめて還付請求権が発生します。

還付を受けるのは抹消時点の納税義務者

還付金を受け取れるのは、抹消登録の時点でその車の所有者として課税されていた人(納税義務者)です。廃車を買取業者や解体業者に依頼した場合も、還付先は所有者本人が原則です。業者が代わりに受け取るには、別途「還付金請求権譲渡」の手続きが必要になります。

還付を受けられない・減額されるケース一覧

自動車税をはじめ、廃車で戻るお金には還付されない・減額されるケースがあります。

軽自動車税(種別割)は還付対象外

軽自動車税種別割には、自動車税(普通車)のような月割り還付の制度がありません。年度の途中で廃車しても、月割りでの還付は行われないと考えておいてください(納めすぎ・二重納付など、還付制度とは別の理由での還付はあり得ます)。

注意:軽自動車税は市区町村税のため、手続き先の窓口も普通車(都道府県税)とは異なります。

3月中の抹消は還付ゼロ

3月に抹消登録をすると、還付の対象となる残存月数が0ヶ月になり、還付金は発生しません。年度末が近い時期に廃車を考えているなら、この点を踏まえてスケジュールを組んでおきたいところです(4月1日をまたぐ場合の注意点は後述します)。

注意:還付額だけを見ると損に思えますが、4月1日をまたがずに済むぶん翌年度分の課税を避けられます。詳しくは後述の「廃車タイミング」で解説します。

一時抹消のみで永久抹消未了(重量税)

自動車税は一時抹消登録でも還付の対象になります。ただし自動車重量税は事情が違い、永久抹消登録(解体届出とセットの手続き)まで進めないと還付を受けられません。一時抹消で手続きを止めている状態では、重量税は戻らないままです。

注意:重量税の還付も受けたい場合は、一時抹消のままにせず永久抹消登録(解体届出)まで進める必要があります。

地方税に滞納があると充当される

自動車税や軽自動車税など、地方税に滞納がある場合は、還付金がまず滞納分に充当されます。差し引き後に残額があれば、その分だけが実際に振り込まれる、または窓口で受け取れる形になります(自動車税を払い忘れた場合の扱いは自動車税を払い忘れたら?滞納リスクと対処法で詳しく解説しています)。

注意:充当後に還付が発生しない場合、通知自体が届かないこともあります。心当たりがあるのに通知が来ない場合は、都道府県税事務所に問い合わせてください。

車検の残りが少ないと重量税・自賠責は戻らない

自動車重量税は、車検残存期間(抹消登録日の翌日から車検有効期間の満了日までの期間)が1ヶ月以上ないと還付を受けられません。自賠責保険料も同様に、解約日から保険期間の満了日までの残存期間が1ヶ月未満の場合は返戻の対象外です。ただし基準になる日付が重量税は「車検の満了日」、自賠責は「自賠責保険の保険期間満了日」と異なるため、両者は必ずしも一致しない点に注意してください(自賠責は車検期間より少し長めに契約するのが一般的です)。

注意:重量税と自賠責は基準日が別々なので、片方だけ条件を満たして還付・返戻される、というケースもあり得ます。

名義変更・売却・下取り・転居のみでは還付されない

抹消登録を伴わない名義変更や、車を売却・下取りに出しただけでは、自動車税の還付は発生しません。他県への転居やナンバープレートの変更も同じで、還付の対象にはなりません。判断の分かれ目は、抹消登録が行われたかどうか、その一点です。

注意:名義変更と抹消登録をまとめて行う「移転抹消登録」という手続きを使えば、名義変更しながら還付を受けることもできます(相続時によく使われます)。

早見表:還付されない・減額されるケース一覧

ケース結果
軽自動車税(種別割)月割り還付の制度自体がなく、還付されない
3月中の抹消登録残存月数が0ヶ月になり、還付金はゼロ
一時抹消のみ(永久抹消未了)自動車税は還付されるが、重量税は還付されない
地方税の滞納あり還付金がまず滞納分に充当される
車検残存期間が1ヶ月未満重量税・自賠責保険料は還付・返戻の対象外
名義変更・売却・下取り・転居のみ抹消登録を伴わないため、自動車税は還付されない

一時抹消と永久抹消で還付されるものはどう違う?

廃車の手続きには「一時抹消登録」と「永久抹消登録」の2種類があり、還付されるお金の範囲がそれぞれ異なります。

  • 自動車税:一時抹消登録・永久抹消登録のどちらでも還付の対象になります
  • 自動車重量税:永久抹消登録(解体届出とセットで行う手続き)の場合のみ還付対象になります。一時抹消登録だけでは重量税は還付されません
  • 自賠責保険料:一時抹消・永久抹消のどちらでも返戻の対象です。ただし自動では戻らず、自分で保険会社に解約を申し出る必要があります
  • リサイクル料金:抹消登録の種類ではなく、車を解体するか売却するかによって扱いが変わります(詳細は次の章で解説します)

将来また乗る可能性が残っているなら一時抹消登録、解体してこれ以上使わないなら永久抹消登録。これが大まかな使い分けです。

手続きの種類ごとに整理すると、次のようになります。

手続き自動車税自動車重量税リサイクル料金
一時抹消登録還付される還付されない(処分方法が未確定なので対象外)
永久抹消登録(解体)還付される還付される還付されない(解体費用に充当)
売却・下取り還付されない(抹消登録を伴わないため)還付されない預託金相当額が戻る可能性がある

廃車で戻るお金は自動車税だけではない

廃車のときに関わってくるお金は、自動車税だけではありません。ここでは自動車重量税・自賠責保険料・リサイクル料金・任意保険の解約返戻金という4つについて、それぞれ戻る条件を整理します。

自動車重量税の還付

自動車重量税は、車検時に次回の車検までの期間分をまとめて納めています。使用済自動車を解体して永久抹消登録(または解体届出)をすると、車検残存期間に応じて重量税の一部が還付されます。

還付金額は「納付した重量税額 × 車検残存期間 ÷ 車検有効期間」で計算されます。たとえば納付済みの重量税額が24,600円、車検が2年(24ヶ月)、車検残存期間が5ヶ月の場合、還付額は24,600円 × 5ヶ月 ÷ 24ヶ月 = 5,125円です。永久抹消登録の手続きと同時に還付申請を出す必要があり、ここが自動車税との大きな違いです。

自賠責保険料の返戻

自賠責保険は、次回の車検までの期間より少し長めの期間分をまとめて前払いしている保険です。廃車をしても自動的に保険会社から返金されるわけではなく、契約している保険会社に自分で解約の連絡をして初めて、残りの契約期間に応じた返戻金を受け取れます。解約日は保険会社が解約書類を受理した日を指し、廃車の手続き日そのものではありません。

返戻金は解約日を起点に月単位で計算されますが、単純に払込保険料を月割りした金額ではなく、保険会社の諸経費や代理店手数料などを差し引いた額をもとに算出されます。

そのため、たとえば残存期間が契約全体の半分残っていても、返戻額は払込保険料の単純な半額にはならず、それよりいくらか少ない金額になるのが一般的です。
具体的な金額は契約している保険会社が公開している解約返戻金早見表で確認できます。保険期間の満了日までの残存期間が1ヶ月未満なら、返戻はありません。自動車税の還付が自治体の案内に沿って進むのに対し、自賠責は自分で解約手続きをしなければ戻ってきません。ここが実務上のつまずきポイントです。廃車を業者に任せる場合も、自賠責の解約が済んでいるかどうかは別途確かめておきましょう。

リサイクル料金は還付される?

自動車を購入するときに支払うリサイクル料金(リサイクル預託金)は、シュレッダーダスト料金・エアバッグ類料金・フロン類料金と、自動車リサイクル促進センター(JARC)の運営費にあたる情報管理料金・資金管理料金で構成されています。

このリサイクル料金は、廃車(解体・永久抹消)にする場合は、預託金が実際の解体・リサイクル処理費用に充当されるため、原則として還付されません。一方で、車を売却・下取りに出す場合は、預託金そのものは車に紐づいたまま次の所有者に引き継がれ、買主が売主に対してリサイクル料金相当額を支払うのが一般的です。このとき返還の対象になるのはシュレッダーダスト料金・エアバッグ類料金・フロン類料金・情報管理料金にあたる部分で、資金管理料金(1台あたり290円程度)は対象に含まれません。

2つのルートを整理すると、次のようになります。

  • 廃車ルート:預託金 → 解体・リサイクル処理費用に充当 → 還付なし
  • 売却ルート:預託金相当額 → 次の所有者に引き継ぎ → 売却者に返還される可能性あり

自動車税は廃車をすると戻ってくるお金、リサイクル料金は廃車では戻らず売却してこそ戻る可能性があるお金です。条件がちょうど逆になっているわけで、「廃車すればリサイクル料金も戻るはず」と思い込んでいると、手元に入る金額が想定を下回ることになります。実際の受け取り方(買取価格に含める、別途支払うなど)は買取業者によって異なるので、依頼先に確認しておくと安心です。

任意保険の解約返戻金

車を手放すなら、加入している任意保険(自動車保険)も解約の対象になります。これも自賠責保険と同じで、廃車手続きをしただけでは自動的に解約・返金とはなりません。契約している保険会社への連絡は、自分で行う必要があります。

もし将来また車を購入する予定があるなら、任意保険を解約せずに「中断証明書」の発行を受けておくことで、等級(割引率)を引き継いだ状態で新しい契約を再開できる場合があります(自動車保険の中断証明書とは?発行するメリットと発行条件・方法で手続きの詳細を解説しています)。

廃車で戻るお金の比較表

項目対象手続き手続きの主体課税区分
自動車税一時抹消・永久抹消のどちらでも対象自治体からの案内(通知・請求書)に沿って対応個人は非課税
自動車重量税永久抹消登録(解体届出)のみ対象抹消登録と同時に還付申請が必要個人は非課税
自賠責保険料一時抹消・永久抹消どちらでも対象(保険期間の残りが1ヶ月以上)加入保険会社へ自分で解約連絡が必要非課税(保険料の返還)
リサイクル料金売却・下取りのみ対象(廃車は原則対象外)買取業者経由で受け取るのが一般的非課税(預託金相当額の返還)
任意保険(自動車保険)の解約返戻金は契約内容によって金額が大きく変わるため、上表には含めていません。

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還付額で損しないための廃車タイミング

還付額は廃車のタイミング次第で数千円単位で変わり、3月中の抹消では4月1日の課税基準日も関わってきます。

1ヶ月違うと還付額はどれだけ減るのか

早見表からわかるとおり、廃車のタイミングが1ヶ月遅れるだけで還付額は変わります。たとえば、年税額43,500円の2,000cc超2,500cc以下の車で考えてみます。8月末までに抹消できれば25,400円が還付されますが、これが9月1日にずれ込むと21,800円に下がります。「8月中に手続きを終えたつもり」でも、抹消登録の完了日がずれれば還付額も変わるということです。買取業者に依頼するなら、抹消登録の完了予定日を早めに確認しておきましょう。

3月の抹消は還付ゼロでも損とは言い切れない

前述のとおり3月中の抹消では還付金は発生しませんが、還付とは別に押さえておきたいのが4月1日という基準日です。自動車税種別割は4月1日時点の所有者に課税されるため、3月中に抹消登録を終えられれば、翌年度分の自動車税は課されません。逆に4月1日をまたいでしまうと、その時点の所有者に翌年度分が1年分課税されます。3月に廃車を検討している場合、還付額はゼロでも「翌年度分を課税されずに済む」という金額面のメリットは残ります。急ぐかどうかは、還付額だけでなくこの点も含めて判断するとよいでしょう。

なお、今の車を完全に手放すのではなく買い替えを考えている場合は、還付の手続きとあわせて任意保険の扱いも整理しておく必要があります。買い替え後の保険の切り替えについては車を買い替えたら自動車保険はどうなる?で解説しています。

廃車(抹消登録)の必要書類と申請先

抹消登録には印鑑証明書・実印・車検証などが共通して必要で、永久抹消登録の場合はさらに書類が加わります。

必要書類

抹消登録に必要な書類は、一時抹消登録か永久抹消登録かによって多少異なりますが、共通して次のようなものが必要です。

  • 車検証
  • 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
  • 実印
  • 委任状(業者や代理人に手続きを依頼する場合)
  • ナンバープレート(車両に取り付けられているもの)

永久抹消登録の場合は、これに加えて解体報告記録がなされた日・解体に係る移動報告番号を申請書に記載する必要があります。住民票は、車検証と印鑑証明書の住所が一致しない場合など、つながりを証明する必要があるときに追加で求められることがあります。

買取業者に依頼する場合は委任状が必要になりますが、所有者自身で運輸支局に出向いて手続きする場合は委任状は不要です。必要書類の詳細は依頼先の業者、または手続き先の運輸支局に確認してください。

抹消登録から還付金を受け取るまでの流れ

抹消登録が完了すると、しばらくして都道府県税事務所から還付に関する通知(自治体によって「還付通知書」「支払通知書」「引換証」などと呼び方が異なります)が所有者宛てに届きます。

多くの自治体では、この通知に必要事項を記入して返送する、または案内に沿って口座情報を登録することで、指定した方法で還付金を受け取れます。通知が届くまでの期間、そこから振込までの期間はどちらも自治体によって差がありますが、目安としては合わせて1〜3ヶ月程度をみておくとよいでしょう。

還付金の受け取り方法(窓口受取と口座振込)

還付金の受け取り方法は、金融機関窓口での受取か、指定口座への振込かの2通りです。

金融機関窓口での受取方法

自治体から送付される還付通知書(または引換証)を、指定された金融機関の窓口へ持参する方法です。その場で還付金を受け取れます。本人確認書類を求められるのが一般的です。

指定口座への振込手続き

還付請求書に振込先口座情報を記入して返送することで、指定した口座に還付金が振り込まれる方法です。自治体によっては、指定できる金融機関の範囲(ネット銀行を含められるかどうかなど)に違いがあります。実際、一部のネット銀行は自治体側の都合で振込先に指定できないケースがあるため、案内をよく確認してください。

還付金の請求期限と時効

支払通知書の受取有効期限

自治体から送付される還付金の支払通知書(引換証)には、受取有効期限が設けられているのが一般的です。大阪府では発行日から1年、神奈川県や徳島県でも通知の日から1年を経過すると、その通知書自体では受け取れなくなると案内されています。

期限を過ぎても、後述する時効が完成していなければ、自治体の窓口で再発行や再請求の手続きができる場合があります。

地方税法第18条の3に基づく時効

地方税の還付金を受け取る権利については、地方税法第18条の3で「地方団体の徴収金の過誤納により生ずる地方団体に対する請求権及びこの法律の規定による還付金に係る地方団体に対する請求権は、その請求をすることができる日から五年を経過したときは、時効により消滅する」と定められています。

つまり、支払通知書の受取期限(多くの自治体で1年程度)が過ぎてしまっても、還付を受ける権利そのものは請求できる日から原則5年間残っており、その間であれば自治体の窓口に相談することで受け取れる可能性があります。ただし、時効が完成すれば還付金は受け取れません。通知が届いたら早めに手続きを済ませておくのが確実です。

還付金を受け取るまでの流れ(目安)

廃車(抹消登録)完了

還付通知書の到着(抹消登録から数週間〜1ヶ月半程度、自治体差あり)

通知書の受取有効期限(発行から1年程度、自治体による)

請求権の時効(地方税法第18条の3、請求できる日から原則5年)

還付金には税金がかかる?確定申告は必要?

個人が受け取る還付金は原則非課税で確定申告も不要ですが、還付加算金と事業者の会計処理には注意が必要です。

個人が受け取る場合

自動車税や自動車重量税の還付金(元本部分)は、そもそも自分が納めすぎた税金が戻ってくるものであり、新たに得た所得ではありません。そのため、個人が受け取る場合は原則として課税対象にはならず、確定申告も不要と考えてよいでしょう。

自賠責保険料の返戻金やリサイクル料金の返還も、支払った費用の一部が戻ってくるものである点は同じです。

ただし、還付金に「還付加算金」(還付が遅れた場合などに上乗せされる利息に相当する部分)が付されている場合は扱いが異なります。国税庁は還付加算金を雑所得として取り扱うとしており、還付加算金が付いた場合はその部分が課税対象になる点には注意してください。

個人事業主・法人が受け取る場合

事業用の車両にかかる自動車税を必要経費(租税公課)として計上している個人事業主や法人が還付を受けた場合は、会計上の処理が必要になります。

一般的な会計実務では、還付を受けた分を「租税公課」の科目で調整し、租税公課の残高が不足する場合などは「雑収入」として処理することもあるとされています。どちらの科目を使うかは経理処理の方針によって変わるため、具体的な仕訳は顧問税理士や利用している会計ソフトの案内で確認することをおすすめします。

都道府県による違い

自動車税還付の基本的な仕組みは全国共通ですが、実際の手続きや運用は都道府県ごとに細かな違いがあります。

端数処理のルール

還付金額の計算で生じる端数の扱いについて、大阪府・愛知県では月割り計算で生じる100円未満の端数を切り捨てる扱いが案内されています。

他の都道府県でも同様の運用がとられている可能性はありますが、すべての自治体で明文の確認ができているわけではないため、金額の端数処理に疑問がある場合は廃車先の都道府県税事務所に確認するとよいでしょう。

振込先にネット銀行を指定できない自治体がある

還付金の振込先として指定できる金融機関の範囲は自治体によって異なります。神奈川県のように、一部を除きインターネット専用銀行を振込先に指定できないと案内している自治体もあります。
振込先を指定する前に、案内書類で対応可能な金融機関を確認しておきましょう。

必要書類・受取方法の差

還付金の受取方法についても、自治体ごとに窓口受取に対応する金融機関の範囲や、必要書類(印鑑証明書の要否・有効期限など)が異なります。たとえば茨城県では、還付請求権を譲渡する場合に「自動車税過誤納金の還付請求権譲渡通知書」や、発行から3ヶ月以内の印鑑証明書の提出が案内されています。

都道府県別の運用差(確認できた例)

都道府県端数処理ネット銀行の指定備考
大阪府100円未満切り捨て案内あり(要確認)支払通知書の有効期限は発行日から1年
愛知県100円未満切り捨て案内あり(要確認)還付計算式を公式サイトで公開
神奈川県案内なし(未確認)一部を除き指定不可通知の日から1年経過で窓口受取不可
茨城県案内なし(未確認)窓口は常陽銀行本支店請求権譲渡には印鑑証明書(3ヶ月以内)が必要
東京都案内なし(未確認)案内なし(未確認)5万円超は口座情報を記入して返送、確認から1ヶ月程度で還付
上記は公表資料で確認できた自治体の例です。ご自身の都道府県の運用は、公式サイトやQ&Aページで確認してください。

還付でよくある失敗

ここまでの内容を踏まえると、実際につまずきやすいのは次のようなケースです。

よくある失敗原因対策
自賠責保険の解約を忘れる自動車税と違い、自賠責は自動では戻らないことを知らない廃車手続きと同じタイミングで、加入している保険会社に解約の連絡をする
3月に急いで抹消して還付ゼロになる4月1日という基準日を知らず、還付額だけで損得を判断してしまう還付がゼロでも翌年度分の課税を避けられる点まで含めて判断する
買取業者に任せきりで還付金請求権譲渡の手続きをしない還付金の振込先について契約時に確認していない依頼前に「還付金請求権を譲渡する契約か」を業者に確認する
「廃車すればリサイクル料金も戻る」と思い込む廃車と売却で扱いが逆になる仕組みを知らない廃車前提でも、買取業者に売却扱いにできないか相談してみる
一時抹消のままで重量税の還付を受け損なう一時抹消と永久抹消で還付される税目が違うことに気づかない重量税の還付も受けたいなら、永久抹消登録(解体届出)まで進める

廃車業者に確認しておきたい質問

廃車を業者に依頼する場合は、契約前に次のような点を確認しておくと、還付金の行方があいまいにならずに済みます。

  • 自動車税・重量税・自賠責保険料の還付は、それぞれ誰(どこ)に振り込まれますか?
  • 還付金請求権を業者に譲渡する契約になっていますか?
  • 自賠責保険の解約手続きは業者が代行しますか、自分で行う必要がありますか?
  • 一時抹消登録・永久抹消登録のどちらで手続きしますか?
  • 抹消登録の完了予定日はいつ頃になりますか?(還付額に影響するため)

この記事の結論

  • 還付されるのは普通車の自動車税が基本で、軽自動車税は対象外
  • 還付を受けるには抹消登録(廃車手続き)の完了が必須
  • 自賠責保険料は自動では戻らず、自分で保険会社に解約連絡が必要
  • 自動車重量税の還付は永久抹消登録(解体届出)まで進めた場合のみ
  • 3月中の抹消は還付ゼロ(ただし翌年度分の課税は避けられる)
  • リサイクル料金は廃車では戻らず、売却・下取りの場合に戻る可能性がある
  • 還付金を受け取る権利には時効(原則5年)がある

自動車税の還付金は、廃車(抹消登録)が完了した翌月から翌年3月までの期間分を、年税額から差し引く形で計算される仕組みです。軽自動車税には還付制度がないこと、3月中の抹消は還付がゼロになること、地方税の滞納があると充当されることなど、還付を受けられない・減額されるケースにも注意が必要です。

また、廃車で戻ってくる可能性があるお金は自動車税だけではなく、条件を満たせば自動車重量税や自賠責保険料も還付・返戻の対象になります。一方でリサイクル料金は廃車では原則戻らず、売却・下取りの場合に戻る可能性があるという、自動車税とは逆の仕組みになっている点も覚えておくとよいでしょう。

還付金を受け取る権利には時効(原則5年)があるため、通知が届いたら早めに手続きを済ませることをおすすめします。

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Q廃車の還付金に税金はかかりますか?

個人が受け取る自動車税や自動車重量税の還付金(元本部分)は、納めすぎた税金の払い戻しであり新たな所得にはあたらないため、原則として課税対象にはならず確定申告も不要と考えてよいでしょう。ただし、還付が遅れた場合などに付く「還付加算金」は雑所得として課税対象になります。事業用車両を保有する個人事業主・法人が受け取る場合は、租税公課や雑収入として会計処理が必要になることがあります。

Q自賠責保険料は廃車すれば自動で戻りますか?

自動では戻りません。自動車税の還付は自治体の案内に沿って進みますが、自賠責保険料の返戻を受けるには、加入している保険会社に自分で解約の連絡をする必要があります。解約日を起点に月単位で計算され、保険期間の満了日までの残りが1ヶ月未満の場合は対象外になります。

Qリサイクル料金は廃車で戻ってきますか?

廃車(解体・永久抹消)の場合、リサイクル料金は解体費用に充当されるため原則戻りません。一方、中古車として売却・下取りに出す場合は、預託金は次の所有者に引き継がれ、買主が売主にリサイクル料金相当額を支払うのが一般的です。この場合、資金管理料金を除いた部分が実質的に売却者の手元に戻る形になります。

Q車のローンが残っている場合、還付金は誰が受け取りますか?

車検証の所有者欄がディーラーや信販会社になっている(所有権留保)場合、廃車手続きにはローンの完済と所有権解除の手続きが必要です。還付金は所有者(名義人)に対して行われるため、所有権解除前は所有者になっている信販会社やディーラーに相談する必要があります。

Q車がリース契約中の場合、還付金はどうなりますか?

リース車の車検証上の所有者はリース会社であるため、自動車税の還付先もリース会社になるのが一般的です。契約者(利用者)が還付分を受け取れるかどうかは契約内容によって異なるため、リース会社に確認してください。

Q車検が切れている車でも還付を受けられますか?

車検切れの車でも一時抹消登録・永久抹消登録の手続きは可能で、自動車税は月割りで還付されます。ただし自動車重量税は、車検の有効期間が1ヶ月以上残っていないと還付を受けられません。

Q名義が親や家族のままの車を廃車する場合はどうなりますか?

還付金を受け取れるのは、車検証上の所有者(納税義務者)本人です。名義が親のままであれば、還付先も原則として親になります。自分名義に変更してから廃車したい場合は、抹消登録前に移転登録(名義変更)の手続きが必要です。なお、任意保険の等級(割引率)を家族間で引き継ぐ方法は自動車保険の等級は引き継げる?で解説しています。

Q相続した車を廃車する場合はどうなりますか?

相続した車は、名義変更と抹消登録をまとめて行う「移転抹消登録」という手続きを使うと、1回の申請で名義変更と廃車を同時に済ませられます。相続人が複数いる場合は、遺産分割協議書などの追加書類が必要になることがあります。

Q引っ越して住所が変わった場合、還付の手続きはどうなりますか?

車検証の住所を変更していない状態で廃車すると、還付通知の送付先が旧住所のままになる可能性があります。住所が変わった場合は、抹消登録の前後で車検証や印鑑証明書の住所を最新の状態にしておくと、通知の受け取りがスムーズです。住所変更の具体的な手続きは車庫証明の住所変更完全ガイドを参考にしてください。

Qディーラーや買取業者に廃車を任せた場合、還付金は業者が受け取るのですか?

いいえ。還付金は原則として車検証上の所有者(納税義務者)に還付されます。業者が代わりに受け取るには「還付金請求権譲渡」の手続きが必要です。手続きを依頼する際に、還付金の扱いがどうなるか確認しておくと安心です。

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