自動車保険の選び方に頭を悩ませていませんか?「本当に必要な補償は何だろう?」「できるだけ保険料を抑えたい」このような疑問や不安を感じている人も多いでしょう。
この記事では、自動車保険の選び方のポイントを一から丁寧に解説します。補償内容と特約の選び方や事故対応力のチェックポイント、保険料を抑える方法など、自動車保険選びに必要な情報を網羅的にお伝えします。
初めて自動車保険への加入を考えている人でも、この記事を読めば、自動車保険選びに自信が持てるでしょう。
安心のカーライフを送るために、ぜひこの記事を参考にして、自分に合った自動車保険を選んでください。
この記事をまとめると
- 自動車保険の補償内容や特約を理解すると、自分に必要な補償を選べるようになる
- 事故対応力やロードサービスの充実度も選ぶ際の重要なポイント
- 保険料を安くするには、免責金額の設定や特約、割引を活用する
- 代理店型とダイレクト型の違いを知り、自分に合う加入方法を選択しよう
自動車保険の選び方のポイント!必要な補償を徹底解説
自動車保険の選び方には、いくつかの重要なポイントがあります。その一つが、必要な補償を理解することです。
まずは、自動車保険の基本から理解していきましょう。
そもそも自動車保険とは?任意保険の必要性を理解しよう
そもそも「自動車保険」とは、どのような保険なのでしょうか?
自賠責保険に加入すれば、自動車保険はいらないと思う人もいるでしょう。
自動車保険の役割と自賠責保険との違いについて、解説します。
自賠責保険と任意保険の違い
自動車に関する保険には、大きく分けて2種類の保険があります。
- 自賠責保険(強制保険)
- 任意保険(自動車保険)
自賠責保険は、法律で加入が義務付けられている保険です。自動車損害賠償保障法に基づき、すべての自動車の所有者に加入が義務付けられているため、強制保険とも呼ばれます。加入していないと罰則があります。
任意保険は、その名の通り、任意で加入する保険で、補償内容や保険金額を自由に選べます。一般的には、任意保険を自動車保険と呼んでいます。
自賠責保険と任意保険の違いは以下の表のとおりです。
自賠責保険 | 自動車保険 (任意保険) | |
---|---|---|
補償対象 | 相手の死傷に対する補償(対人)のみ | 自分自身や同乗者のケガ、車両など幅広い |
補償金額 | 対人賠償は1名につき約3,000万円限度 | 無制限も可能 |
保険料 | 用途車種別に一律 | 補償内容や個人の条件によって異なる |
自賠責保険は補償対象が相手の死亡やケガなどの対人賠償のみで、補償金額にも限度があります。そのため、自賠責保険だけでは十分な補償が得られないケースもあるのです。
任意保険に加入すべき理由とは
任意保険(自動車保険)に加入すると、主に3つのメリットがあります。
- 高額な賠償責任に備えられる
- 相手の車やモノに対する補償が受けられる
- 自分自身や同乗者の補償が受けられる
- 自分の車の損害に対する補償が受けられる
対人賠償や対物賠償など、事故の相手に対する賠償責任は、自賠責保険だけでは不十分なケースがあります。
たとえば、歩行者に大ケガを負わせてしまった場合、自賠責保険の補償限度額を超えた賠償金を請求されるかもしれません。高額な賠償金の支払いに備えるためにも、任意保険への加入は欠かせません。
また、相手の車やモノに対する賠償金は、任意保険に加入していないと補償されません。
自賠責保険は相手のケガなど、対人補償のみを補償する保険だからです。そのため、任意保険に加入して、相手の車の修理費用やガードレール、壁などの修繕費に備えておく必要があります。
さらに、任意保険に加入していれば自分自身や同乗者のケガに対する補償も受けられます。
自賠責保険の補償対象は相手だけなので、運転者や同乗者の補償は任意保険に加入していなければ得られません。
このように、任意保険に加入すれば、万が一の事故の際の経済的なリスクを軽減してくれます。
自動車保険の主な補償内容と選び方
自動車保険を選ぶうえで、補償内容の理解は非常に大切です。
- 相手への補償
- 自分や同乗者の補償
- 自分の車の補償
この3つの観点から、補償範囲や注意点などを解説します。
相手への補償【対人・対物賠償責任保険】の補償範囲
自動車保険の中でも、賠償責任保険は最も重要な補償です。
一度事故が起こると、相手への賠償金が高額化する可能性があるからです。
相手への補償には、対人賠償と対物賠償の2つがあります。
相手を死傷させてしまった場合に使えるのが対人賠償責任保険です。ケガを負わせてしまった場合の治療費などが補償されます。
対物賠償責任保険は、相手の車や建物などの修理費用を補償する保険です。
対人も対物も、高額な賠償金が発生するリスクがあるため、保険金額は無制限にすることをおすすめします。
損害保険料率算出機構のデータによると、対人保険を無制限にしている人は99.6%、対物保険を無制限にしている人は96.3%です。多くの人が対人・対物は無制限で加入していることがわかります。
賠償責任保険は、万が一の事故の際に大きな役割を果たす重要な補償であることを理解しておきましょう。
自分や同乗者の補償【傷害保険】の補償内容と重要性
自動車事故の被害者となった際、自分や同乗者のケガの治療費や休業損害などを補償してくれるのが傷害保険です。
主に以下の2つの傷害保険があります。
- 人身傷害保険
- 搭乗者傷害保険
人身傷害保険は、事故の過失割合に関わらず、実際に発生した損害額の補償が受けられます。たとえば、次のような補償です。
- 治療費
- 休業損害
- 精神的損害
- 将来の介護料
【人身傷害保険】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
人身傷害保険ってどんな保険?
搭乗者傷害保険は、契約時に設定した金額に応じて保険金が支払われます。
たとえば、次のような支払い方法があります。
- 日額払い:入院や通院日数に応じて、契約時に設定した入通院日額が支払われる
- 部位・症状別払い:ケガの部位や症状によって補償される金額が決まる
- 一時金払い:5日以上入通院したら一律10万円など、あらかじめ決められた金額を受け取る
【搭乗者傷害】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
自動車保険の搭乗者傷害ってなに?|補償内容や選び方を紹介
人身傷害保険は実際の損害額が受け取れるため、搭乗者傷害保険に比べて手厚い補償となっています。
搭乗者傷害保険は、補償の範囲が人身傷害保険と比べてやや限定的ですが、その分保険料は安くなる傾向にあり、支払いもスピーディーです。
人身傷害保険と搭乗者傷害保険はどちらか一方をつけるという方法もありますが、両方つけることも可能です。
自分の車の補償【車両保険】の補償範囲と選ぶ際の注意点
車両保険は、事故による自分の車の損傷や盗難などを補償します。
車両保険の主な補償範囲は次のとおりです。
- 車同士の事故
- 火災、落書き
- 盗難
- 台風、洪水
- 単独事故、当て逃げ
車両保険をつける際は、これらをすべて補償する一般タイプか、一部に限定する限定タイプかの2パターンから選べます。
限定タイプの補償範囲は保険会社によって異なりますが、多くの場合単独事故を補償しません。
オールリスクを補償する一般タイプ(一般条件やフルカバータイプ、ワイドタイプなどとも呼ばれています)と、補償範囲を限定する限定タイプ(エコノミーや車対車+Aなどとも呼ばれています)では、限定タイプの方が保険料は安くなります。
また、車両保険には免責金額を設定することが可能です。免責金額とは、事故の際に自己負担する金額です。
たとえば、免責金額を10万円に設定した契約で事故にあい、車の修理費用が30万円だとします。この場合、受け取れる保険金は修理費用から免責金額を引いて、30万円ー10万円=20万円です。
免責金額を高く設定すれば保険料は安くなりますが、事故の際の負担は大きくなります。補償内容と保険料のバランスを考えて免責の有無や金額を考えることが大切です。
【免責金額】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
車両保険の免責金額とは?自己負担額はいくらにしたらよいか
特約の種類と内容を理解して賢く選ぼう
自動車保険には、基本的な補償以外にも、さまざまな特約があります。多くの特約の中から、以下の4つに厳選して解説します。
- 対物全損時修理差額費用特約
- 弁護士費用特約
- 個人賠償特約
- ファミリーバイク特約
対物全損時修理差額費用特約
対物全損時修理差額費用特約とは、事故で相手の車を全損させ、修理費が自分の対物保険から支払われる保険金を超える場合に、その差額を補償する特約です。
対物保険では、相手の車の修理費は時価額までしか補償されません。時価額とは、同等の車を再度購入する金額から経年劣化や消耗分を差し引いた現在の価値のことです。
たとえば、自分の過失割合が100%の事故で、相手の車を全損させてしまい、修理費用が70万円かかったとします。ここで相手の車の時価額が40万円と算定された場合、保険からは40万円しか補償されず、差額の30万円は支払われません。
こうなると相手との交渉が難航したり、差額を負担するよう相手から直接請求がきたりと、トラブルになる可能性が高まります。
しかし、対物全損時修理差額費用特約をつけていれば、差額を50万円まで補償してくれるため、修理費70万円すべてを保険から支払えるのです。
対物全損時修理差額費用特約は、保険会社やプランによって自動付帯されている場合もあれば、特約保険料を追加で支払い、オプションでつけるプランもあります。
対物を無制限にしていても、相手の車の修理費全額を保険から支払えるとは限らないため、対物全損時修理差額費用特約は覚えておきたい特約の一つです。
弁護士費用特約
弁護士費用特約は、弁護士への相談費用などが補償される特約です。
とくに、もらい事故の際には、弁護士費用特約が重要です。
もらい事故とは、自分に過失がない事故を指します。
この場合、相手の保険会社との交渉は、自分の保険会社が介入できません。そのため、自分で示談交渉するか、弁護士に依頼して交渉を行ってもらう必要があります。
事故の示談交渉を自分でするのは、時間的にも精神的にも大きな負担です。お金を払って弁護士へ依頼するのにも、経済的な負担がかかります。
そのような時に、弁護士費用特約が役立ちます。示談交渉は専門的な知識が必要となるため、弁護士に依頼することで、適切に解決できるでしょう。
【示談交渉】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
交通事故の示談交渉とは?自動車保険が果たしている示談交渉サービスを解説
個人賠償特約
個人賠償特約は、自動車事故以外の日常生活での賠償事故を補償してくれる特約です。
たとえば、自転車で他人にケガをさせてしまった場合や、買い物中に商品を壊してしまった場合など、普段の生活の中で起こりうる賠償事故が補償の対象となります。
自動車保険の基本補償では、こうした自動車事故以外の賠償リスクは補償されません。個人賠償特約に加入することで、幅広い賠償リスクに備えられます。
また、個人賠償特約には、示談交渉サービスが付帯されているのも魅力です。賠償事故が発生した際、保険会社が被害者との示談交渉を行ってくれるため、円滑な解決が期待できます。
さらに、個人賠償特約は契約者だけでなく、同居の親族や別居の未婚の子まで補償します。小さな子どもがいる家庭や、自転車に乗る家族がいる場合は、自動車保険に個人賠償責任特約をつけていれば、家族全員の日常生活における賠償リスクに備えられます。
ただし、支払われる保険金額は保険会社によって異なるため、金額まで確認して比較検討しましょう。
ファミリーバイク特約
ファミリーバイク特約は、原付バイクの事故を自動車保険の補償対象に加えられる特約です。
原付バイクは、自動車と同様に事故のリスクがありますが、自賠責保険にしか加入していないことが多いでしょう。しかし、自賠責保険だけでは十分な補償が得られません。そのような時に、この特約が役立ちます。
ファミリーバイク特約の追加保険料は、比較的安価であるのも魅力の一つです。手頃な保険料で、原付バイクの万が一に備えられます。
さらに、この特約は、契約者とその家族が所有する原付バイクも補償の対象となります。家族でバイクを共有している場合でも補償されるため、非常に便利な特約です。
ただし、補償の対象となるバイクの排気量には制限があります。多くの場合、125cc以下の原付バイクが対象です。
また、盗難や故意の事故など、補償の対象外となるケースもあるため、特約の内容をしっかりと把握しておきましょう。
事故対応力とロードサービスの充実度をチェックしよう
自動車保険を選ぶ際のポイントとして、事故対応力とロードサービスの充実度も重要です。
それぞれのチェックポイントや選び方を解説します。
万が一の事故に備える!事故対応力の重要性と選び方
自動車保険は、もしもの時に必要なサポートが受けられることが重要です。
万が一の事故に備えて、事故対応力を事故受付体制や事故時のサポート内容で確認しましょう。
事故受付体制と初動体制の重要性
事故はいつ起きるかわからないため、深夜や休日でも事故受付が可能な体制が整っているかどうかを確認しましょう。
保険会社選びの際は、次の点を中心に事故受付体制をチェックすることをおすすめします。
- 事故受付の連絡先は24時間対応か
- 事故受付専用のダイヤルがあるか
- 事故報告の方法は電話以外にどのような方法があるか
- 事故対応の専門スタッフが在籍しているか
- 休日でも初期対応ができるか
事故直後は混乱しがちなため、スムーズに事故報告できる方法があると安心です。保険会社によっては、LINEで事故報告できるところもあります。
さらに、事故受付後の初期対応も重要なポイントです。初期対応とは、相手や修理工場、病院などへ連絡し、その結果を契約者に報告することを指します。
事故受付は24時間365日でも、実際の初期対応は平日のみという保険会社もあるでしょう。相手のある事故の場合、保険会社からの連絡は早いに越したことはありません。休日に事故を起こした場合でも、初期対応がすぐにできるかどうかを確認しましょう。
事故時のサポート内容
多くの保険会社では、事故対応の一環として、さまざまなサポートを提供しています。
たとえば、警備会社が事故現場に駆けつけるサービスやレッカーの手配など、サポート内容は保険会社によって異なります。
事故時のサポートを自動車保険選びの判断材料にする際は、サポートの具体的な内容を確認することが大切です。
単にサポートがあるかないかだけでなく、どこまでサポートしてくれるのかをチェックしておきましょう。
充実のロードサービスで安心!内容と選び方のコツ
自動車保険選びで見逃せないのが、ロードサービスの内容です。
ロードサービスの内容は保険会社によって異なります。そのため、それぞれのロードサービスの充実度が保険選びのポイントの一つになるでしょう。
ロードサービスの主な内容と提供範囲
ロードサービスは、カーライフのトラブルをサポートしてくれる頼もしいサービスです。
主なサービス内容には次のようなものがあります。
- レッカーけん引
- バッテリー上がり時のジャンピング
- パンク時のタイヤ交換
- ガス欠時の燃料配達
- カギの閉じ込み時の解錠
事故や故障で車が動かなくなった際に利用できるのが、レッカーけん引サービスです。
最寄りの修理工場まで車を運んでもらえます。ただし、無料で運んでもらえる距離や金額は保険会社によって異なります。
また、バッテリー上がりやガス欠時の燃料配達は、保険会社によって無料で対応するのは1回までなど、回数に制限があるところもあります。
ロードサービスは緊急時の応急処置のため、30分程度の対応が基本です。それ以上はサービス対象外となります。
ロードサービスは無料で自動付帯されているプランもありますが、オプション特約として有料でつけるプランもあります。
ロードサービスは不要と考える人なら、保険料の節約になるため、ロードサービスの有無を選択できるプランが良いでしょう。しかし、本当はロードサービスがほしいのに、見積もりする際にチェックのつけ漏れで付帯されていなかったということのないよう、契約する際にはロードサービスの有無に注意が必要です。
【ロードサービス】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
ロードサービスの種類と自動車保険!知らないと損するポイントとは?
代車提供や宿泊費用補償などの付帯サービス
旅行など、自宅から遠い場所で事故にあったり、故障したりすると非常に困ります。
ロードサービスには、車がレッカーされた後に自宅や目的地まで移動する費用や、宿泊する費用を補償するサービスがあります。この移動費や宿泊費の金額・条件は、保険会社によって異なります。
たとえば、移動費用が実費で限度額なしのところもあれば、1名2万円までのところもあります。宿泊費も同様に、全額補償するところと1名につき1万円までと上限を設けているところがあります。
車で遠出をする機会が多い人は、このロードサービスの補償内容を保険選びの比較ポイントの一つとするのも良いでしょう。
自動車保険を安くする方法!保険料を抑えるポイントを解説
自動車保険は補償内容と保険料のバランスがとれたプランにするのが理想です。
工夫次第では、補償内容を大幅に変更せずに保険料を安くできます。
ここでは、自動車保険の保険料の仕組みと抑えるポイントについて解説します。
等級制度の仕組みと事故による影響を理解しよう
自動車保険の保険料は、等級によって大きく変動します。
等級が上がるほど保険料が安くなり、事故などにより保険を使用すると等級が下がって保険料が高くなります。
ここでは、等級制度の仕組みと事故による影響について、詳しく見てみましょう。
等級制度のしくみと等級による保険料の変化
自動車保険の等級は、1等級から20等級までの20段階に分かれています。
新規契約の場合は6等級からスタートし、毎年の契約更新時に1年間無事故であれば「1等級」上がります。つまり、6等級で契約した場合、1年後は7等級です。
等級が上がるほど保険料は下がる仕組みになっています。ただし、20等級が上限で、それ以上等級が上がることはありません。一度20等級に到達すると、事故を起こさない限り、ずっと20等級が維持されます。
一方、事故を起こして保険を使うと等級が下がります。
事故の内容や補償の種類によりますが、1回の事故で3等級下がるのが一般的です。等級が下がると、保険料は大幅に上昇します。せっかく長年かけて上げた等級も、一度の事故で大きく下がってしまうのです。
【等級】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
自動車保険の等級制度とは?保険料の割増引率を徹底解説
無事故係数と事故有係数適用期間について
等級による割引率は「無事故係数」と「事故有係数適用期間」2つの要素によって決まります。
無事故係数とは、事故有係数を適用しない場合に適用する割引率のことです。
事故有係数適用期間とは、事故後に事故有の割引率(事故有係数)を適用する期間です。
7等級以上は無事故係数と事故有係数のどちらを適用するかで保険料の割引率が異なります。
【等級別割増引率表】
等級 | 割増引率 | |
---|---|---|
無事故係数 | 事故有係数 | |
20 | -63% | -51% |
19 | -57% | -50% |
18 | -56% | -46% |
17 | -55% | -44% |
16 | -54% | -32% |
15 | -53% | -28% |
14 | -52% | -25% |
13 | -51% | -24% |
12 | -50% | -22% |
11 | -48% | -20% |
10 | -46% | -19% |
9 | -44% | -18% |
8 | -38% | -15% |
7 | -27% | -14% |
6 | -13% |
一般的に、事故で保険を使うと1件につき3年間事故有係数が適用されます。そのため、事故後3年間は事故係数を適用した高めの保険料になります。
たとえば、15等級のときに事故があった場合、翌年の割引率は13等級の事故有係数を適用します。その後3年間は事故有係数を適用し続けるため、事故を起こすとその後の割引率は低めのままです。
事故後 1年目 | 事故後 2年目 | 事故後 3年目 | 事故後 4年目 | ||
---|---|---|---|---|---|
15等級 −53% | 事故なし | 16等級 | 17等級 | 18等級 | 19等級 |
−54% | −55% | −56% | −57% | ||
3等級ダウン事故 1件発生 | 13等級/事故有期間3年 | 14等級/事故有期間2年 | 15等級/事故有期間1年 | 16等級 | |
−24% | −25% | −28% | −54% |
事故有係数適用期間中、無事故であれば、1年経過するごとに1年ずつ適用期間が短くなります。しかし、事故有係数適用期間中に事故を起こせば、また期間が加算されてしまいます。
事故を起こした場合の等級ダウンと保険料への影響
保険期間中に事故で保険金を使った場合は翌年の契約から保険料が上がることを解説してきました。
では、等級が下がるとどれくらい保険料が変化するのでしょうか。
イメージするために、試算してみました。
※表1
等級 | 事故有係数 適用期間 | 保険料 |
---|---|---|
20 | 0年 | 23,010 |
3等級ダウン事故1件あった場合 | ||
17 | 3年 | 37,570 |
20等級の契約で3等級ダウン事故により保険金を使うと、17等級の事故有係数を適用します。
20等級の保険料と比べると約14,500円も高くなりました。
事故を起こすと、長年積み上げてきた等級のメリットを一瞬で失ってしまいます。等級が下がると、元の等級に戻るまでに時間がかかるため、事故による等級ダウンは長期的な保険料アップにつながります。
保険料を安くするためには等級を上げなくてはいけません。等級を上げるには、無事故を続ける必要があります。保険料のためにも、安全運転を心がけましょう。
:保険料を抑えるコツ【免責金額・特約・割引を活用しよう】
自動車保険の保険料を抑えるためには、免責金額の設定や特約、割引の活用が効果的です。
それぞれの活用方法やコツについて詳しく解説していきましょう。
免責金額を設定した場合の保険料の変化と注意点
自動車保険の保険料を抑える方法の一つに、免責金額を上げるという選択肢があります。
免責金額とは、事故の際に自己負担する金額のことです。この免責金額を高く設定すると、その分保険料を安くできます。
免責金額による保険料の変化を比較してみました。
※表2
1回目の 免責金額※ | 2回目以降の 免責金額※ | 年間保険料 | 免責0円との 保険料差 |
---|---|---|---|
0 | 0 | 23,210 | |
0 | 10 | 23,010 | ▲200 |
5 | 5 | 21,720 | ▲1,490 |
5 | 10 | 21,620 | ▲1,590 |
10 | 10 | 20,370 | ▲2,840 |
15 | 15 | 19,240 | ▲3,970 |
20 | 20 | 18,330 | ▲4,880 |
※免責金額の設定方法は各保険会社によって異なります。
免責金額をつけない場合と比べると、免責5万定額なら約1,500円、免責10万円定額だと約2,800円、免責20万円定額になると約5,000円安くなります。
ただし、免責金額を上げることには、注意点もあります。
免責金額を高くすると、事故の際の自己負担額が増えます。もし、免責金額を自己負担するのが嫌な場合は、免責金額を上げずに別のところで工夫しましょう。
※表1・表2 試算条件
保険会社:おとなの自動車保険/車名:フィット/型式:GS6/初年度登録:2023年3月/前年走行距離:3,000km以下/使用目的:日常レジャー/主な使用地:東京/被保険者生年月日:1984年1月1日/免許証:ゴールド/運転者範囲:本人・配偶者・別居の未婚の子/保険始期:2024年6月1日/保険期間1年/等級:20・事故有0(表2のみ)/対人・対物:無制限/人身傷害:5,000万/車両:一般・195万/免責:0-10(表1のみ)/対物全損時修理差額費用特約/ロードアシスタンス特約
運転者限定特約や年齢条件特約の内容と効果
運転者を限定する特約や年齢条件を設定する特約も、保険料の節約に役立ちます。
運転者限定特約は、運転する人を限定する特約です。
たとえば、「本人のみ」や「本人と配偶者のみ」に限定すると、それ以外の人が運転して事故を起こした場合に保険金が支払われませんが、保険料は安くなります。
年齢条件特約は、運転者の年齢層を限定する特約です。
たとえば、「21歳以上補償」や「26歳以上補償」などの設定があります。家族に若年層がいない場合は、年齢条件を狭めると保険料の節約につながります。
ただし、これらの特約では、設定した条件から外れる人が運転して事故を起こした場合、補償を受けられないことがあります。
家族構成やライフスタイルの変化に合わせて、定期的に特約の内容を見直すことをおすすめします。
多彩な割引内容と特徴
自動車保険の保険料を抑えるには、各保険会社が提供する割引制度を上手に活用することが有効です。
とくにインターネットから申し込めるダイレクト型自動車保険には、さまざまな割引が用意されています。
たとえば、契約期間の開始日までに一定の期間がある場合に適用される「早期契約割引」があります。
早く契約するだけで、誰でも割引が受けられるため、手軽に保険料が節約できます。
また、複数台の自動車を同じ保険会社で契約すると、「複数台割引」が適用される場合があります。家族で複数の車を所有している場合は、同じ保険会社にまとめて加入することで、お得に契約できる可能性が高いです。
さらに、子育て世代を応援する「子育て応援割引」を導入している保険会社もあります。未就学児や小学生の子どもがいる場合、一定の割引が受けられるケースがあるのです。
このように、自動車保険の割引制度は多岐にわたり、保険会社ごとに特色があります。自分に合った割引を見つけるためには、各社の割引内容を詳しくチェックすることが大切です。
一括見積もりサイトなどを活用して、最も割安になるプランを探しましょう。
払込方法(一括・分割)による保険料の違い
保険料の払込方法も、保険料に影響します。
一般的に、一括払いの方が分割払いよりも保険料が安くなります。
12回の分割払いと比べると、一括払いの方が数%安くなるケースが多いようです。
ただし、一括払いは初期費用が高額になるため、家計の状況に合わせて払込方法を選びましょう。
代理店型とダイレクト型の違いを理解して賢く選ぼう
自動車保険への加入方法には、大きく分けて「代理店型」と「ダイレクト型」の2種類があります。
それぞれの特徴やメリット・デメリット、どのような人が向いているのかを解説します。
代理店型の特徴とメリット・デメリット
代理店型は、保険を扱う代理店をとおして自動車保険に加入する方法です。以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
自動車保険の内容は複雑で、初めての人にはわかりにくいものです。
代理店の担当者は、それぞれのニーズに合わせて、最適なプランを提案してくれます。自分で保険会社を探したり、保険料を計算したりする手間が省ける点はメリットといえるでしょう。
ただし、代理店を介して保険に加入すると、ダイレクト型に比べて保険料が割高です。
保険に関する知識が少ない人や自分で契約するのが不安な人、専門家に相談しながら加入内容を決めたい人は、代理店型が向いているでしょう。
ダイレクト型の特徴とメリット・デメリット
ダイレクト型は、自分でインターネットから保険の加入手続きをする方法です。以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
ダイレクト型は代理店型に比べて保険料が割安になる傾向があります。
保険料の安さを重視する人にとって、大きなメリットといえるでしょう。
また、インターネットを利用して24時間いつでもどこでも契約手続きが可能です。忙しい人でも、自分の都合の良いタイミングで手続きができます。
ただし、専門家からのアドバイスが受けられないため、契約内容の理解は自己責任となります。保険に関する知識が十分でない人には、不安が残るかもしれません。
ダイレクト型は、保険料の安さを求める人におすすめの加入方法です。
不明な点があれば、保険会社のサポートセンターに問い合わせるなどして、納得してから契約するようにしましょう。
自動車保険の選び方まとめ!最適な保険を見つけるステップ
自動車保険選びのポイントについて詳しく解説してきましたが、ここでもう一度、最適な自動車保険を見つけるためのステップをまとめておきましょう。
ステップ1:補償内容や特約を理解し、自分に必要な補償を洗い出す
ステップ2:事故対応力とロードサービスの充実度をチェックする
ステップ3:免責や特約、割引を活用し、保険料を抑える
ステップ4:代理店型とダイレクト型を比較し、自分に合った加入方法を選ぶ
自動車保険の基本的な補償内容や特約を理解し、自分に必要な補償を考えましょう。
車の使用目的や家族構成、ライフスタイルなどを考慮することが大切です。そのうえで、必要な補償内容と保険料のバランスをとります。
補償内容が手厚いほど保険料は高くなりますが、保険料を重視しすぎた保険では十分な補償が得られません。
免責金額を設定したり、特約や割引を活用して保険料を抑える工夫が必要です。
自動車保険への加入方法には、代理店型とダイレクト型の2種類があります。代理店型は直接アドバイスやサポートが受けられ、ダイレクト型は保険料が割安になる傾向があります。どちらが自分に向いているかを判断して選択しましょう。
自動車保険選びには、ここまで解説したような多岐にわたるポイントがあります。
一つひとつのステップを丁寧に進めていけば、自分に最適な自動車保険を見つけられるはずです。
万が一の事故の際にも、しっかりと補償してくれる頼れる自動車保険を選んで、安心のカーライフを送りましょう。
投稿者プロフィール

- ■損害保険大学課程専門コース認定
■2級ファイナンシャル・プランニング技能士