自動車・軽自動車には車検証上の所有者に対して、毎年税金が課税されています。
自動車税(種別割)と軽自動車税(種別割)です。(※1)
毎年4月~5月頃に所有者宛に納付書が発送されており、納付期限は地域差もありますが原則「5月31日まで(末日)」とされています。
では、多くの人が利用しているPayPayで自動車税や軽自動車税を支払うことは可能なのでしょうか。
そこで、本記事では便利なPayPayに注目しながら、自動車税の納付手順や注意点を詳しく解説します。
(※1)※ 2019年10月1日以降、自動車税は「自動車税(種別割)」に、軽自動車税は「軽自動車税(種別割)」に名称が変更されています。
この記事をまとめると
- 自動車税、軽自動車税はPayPayで支払える
- PayPayなら決済手数料は0円、残高チャージのみ対応
- 納付期限を過ぎるとPayPayは使用できない
- 滞納には延滞税が発生する
- クレジットカードと比較もおすすめ
自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)とは
自動車・軽自動車を所有している場合、所有している人に対しては毎年自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)が課税されます。
この2つの税金は地方税として課税されているため、納付書は自動車の場合は各都道府県税事務所から、軽自動車の場合は各市区町村から発送されています。
一般的に納付書は毎年「4月末~5月初旬」を目安に発送されており、納付期限が5月末です。ただし、一部の地域では6月末に設定されていることがあります。
自動車税(種別割)の概要
自動車税(種別割)は用途や種別によって税額が異なります。
対象となる車両には一般的な乗用車はもちろん、トラックやトレーラーなど多岐に渡ります。
毎年4月1日時点の自動車の所有者に対して課税が行われており、身体障がい者などへの減免制度、自動車税種別割グリーン化特例といった割引制度も設けられています。詳しい税率については、以下リンクをご確認ください。
参考URL:東京都主税局
自動車税種別割
軽自動車税(種別割)の概要
軽自動車税(種別割)も自動車税と同様に、種別や排気量によって税額が異なります。
2023年(令和5年7月1日)以降は、特定小型原動付自転車(電動キックボード)も課税対象に加わっています。
原動付自転車やペダル付電動バイク等についても対象となるためご注意ください。
毎年4月1日時点の自動車の所有者に対して課税が行われており、身体障がい者などへの減免制度やグリーン化特例と言った割引制度も設けられています。
一方で、三輪以上の軽自動車で新規登録から一定期間を経過している軽自動車には、税金が重くなる経年車重課も用意されています。
税率や割引は各自治体へお問い合わせください。
例として、東京都港区のリンクをご紹介します。
参考URL:東京都港区
軽自動車税
自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)の支払い方法とは
すでにご紹介のとおり、自動車税・軽自動車税の支払いについては、所有者宛に納付書が発送されており、期限内に納付書を利用して支払う必要があります。
納付書は金融機関だけではなく、コンビニでのお支払いも可能です。また、納付書以外の支払い方法もあるためご紹介します。
《クレジットカード払》
詳しくは後述します
《ペイジー払い(Pay-easy)》
インターネットバンキングを利用した決済方法で、ネットバンキング利用者向け。
決済手数料は発生しない。
《スマホ決済》
au Payやd払いなど。
原則として残高払いのため、その他の料金とまとめて支払うことはできない。
決済手数料は発生しない
ネットバンキングやスマホのキャリア契約先のPay払いもご利用いただけます。
手数料はかかりませんが、スマホ決済の種類によっては使えないケースもあるためご注意ください。
便利なPayPayで自動車税は支払える?
国内におけるPay払いの中でも、高い人気を誇る「PayPay」で自動車税や軽自動車税を支払うことはできるのでしょうか。
結論から言うと、現在、すべての自治体で自動車税はPayPayで支払うことが可能です。
軽自動車税については各市区町村によって異なり、支払えない自治体もあります。
必要な準備と手続きの流れ
では、実際にPayPayを使って支払うにはどうすればよいでしょうか。
まずはお手元のスマホやタブレットにPayPayアプリがダウンロードされていることを確認しましょう。
ダウンロードが必要な場合は、ご利用されているスマホの機種にあわせてAPP StoreもしくはGoogle Playのいずれかをご選択ください。
いずれもダウンロードは無料です。
- iPhoneの場合はAPP Store
- iandroidの場合はGoogle Play
【① 現金をチャージする方法】
現金をチャージして支払う場合は、PayPayアプリで本人確認が必要です。
PayPayに銀行口座を登録してから、口座から必要金額をチャージした上で支払います。銀行口座の登録には本人確認が必要です。
【② クレジットカードを利用する方法】
PayPayアプリの支払い方法には、チャージ以外にクレジットカードを用いる方法もあります。
2025年1月以降はPayPayカードのみ利用が可能です。
クレジットカードの利用の場合は現金をチャージする必要がなく、その他の支払いも含めて1カ月分の利用代金が後日引き落とされます。
自動車税を支払う際には、PayPayアプリでクレジットカードを登録し、納付書のバーコードまたはQRコードを読み取ります。
納付書に書かれている金額と相違がないことを確認した上で、支払うボタンを押せば簡単に納税完了です。
PayPayアプリで支払う3つのメリットとは
便利なPayPayで支払うと、納付書を使う支払いよりも魅力的なメリットが3つあります。
詳しくは以下です。
1.移動不要でいつでも支払える
今までに自動車税や軽自動車税は、納付書を持って金融機関やコンビニに出向く必要がありました。しかし、PayPayを代表するPay払いを利用すれば、自宅や職場からでも簡単に
自動車税は納付書の到着から納付期限まで約1か月程度の期間しかなく、ゴールデンウィークも期間に含まれるため、金融機関の営業日が少ないという難点がありました。しかし、PayPayなら土日祝日はもちろん、24時間支払えるため、金融機関の営業日を意識する必要がありません。
2.手数料は0円
PayPayで自動車税を支払っても手数料は0円でお得です。
東京都の場合、自動車税をクレジットカードで支払おうとすると、税額以外にもシステム利用料を支払う必要があります。(最初の1万円までは37円。以降1万円ごとに75円が加算され、別途消費税もかかります。)
しかし、PayPayならシステム手数料はかかりません。
参考URL:東京都主税局
税金の支払い 都税の支払い方法について
3.現金以外でも支払える
自動車税の支払いは現金で納付が必要なイメージが強いですが、PayPayの場合は残高チャージ方法が多岐に渡っています。
チャージ方法の多くは無料であり、Yahoo!フリマやYahoo!オークションの売上を自動車税の支払いに充当することも可能です。
- 【PayPay残高へのチャージ方法一覧】
- 銀行口座(無料)
- PayPayカード(旧Yahoo!カードも可能、いずれも無料)
- ソフトバンク、ワイモバイルまとめて支払い
(手数料あり、毎月初回は無料で当月2回目以降はチャージ金額の2.5%) - セブン銀行、ローソン銀行のATMからの現金チャージ(無料)
- Yahoo!フリマやYahoo!オークションの売上金(無料)
参考URL:PayPay
PayPay残高にチャージする
PayPayで自動車税を支払う際の注意点
便利で手数料も0円のPayPayを使うと、いつでも気軽に自動車税が支払えます。しかし、実際にPayPayを利用する際には知っておきたい注意点もあります。
詳しくは以下です。
PayPayのステップの条件達成はどうなる?
日頃からPayPayを使っている人は、PayPayの条件達成はどうなるのか知りたいでしょう。
PayPayには毎月のご利用状況や支払い方法などによって、ポイントとして利用者へ還元されるしくみがあります。
支払い回数・支払金額に応じて毎月条件達成の特典が付与されるため「自動車税の支払い」も対象となるのか気になるところです。
結論から言うと、自動車税の支払いも条件達成にカウントされます。
(ただし、軽自動車税のPayPay支払いは扱っていない自治体があるため注意)
対象となる自治体や条件達成の基準については以下リンクをご確認ください。
参考URL:PayPay
PayPayステップ条件達成ガイド
納税証明書(領収書)は発行されない
金融機関やコンビニなどで自動車税を支払った場合、納税後に窓口の職員や店員が領収印を押印し「自動車納税証明書」と呼ばれる部分を切りとって戻してくれます。
自動車税を支払った領収書として、大切に保管されている人も多いでしょう。
では、窓口などで自動車税を支払わないPayPayの場合、納税証明書はどうなるのでしょうか。
実は、窓口などで支払わない場合は納税証明書が発行されません。クレジットカードも同様ですのでご注意ください。
納税証明書は自動車税の場合は2015年4月以降、軽自動車税の場合は2023年1月以降は車検時の提示が原則不要です。
納税情報がシステムで判断できるようになったためですが、納税直後に車検を迎える場合は納税済データが反映されていないおそれがあります。
このようなケースでは、事前にPayPayやクレジットカードではなく窓口での支払いを選ぶか、自動車納税証明書を再発行するのがおすすめです。
納税証明書を再発行する場合
納税証明書の再発行が必要な場合は、以下をご準備の上でご自身の自動車保険を管轄する都道府県税事務所へ発行を依頼します。
対面・郵送のいずれも可能です。
- 申請書
- 納税者本人を確認する書類(例・運転免許証など)
- 車両に関する情報(納税義務者の情報など)
- 委任状(※代理人が申請する場合)
※この他、郵送請求を希望する場合は別途返信用封筒と切手が必要です
詳しい手続きに関しては、管轄の都道府県税事務所等へお尋ねください。
アプリのメンテナンス中は利用できない
PayPayを利用する際には、専用のアプリを利用する必要があります。しかし、アプリは時々メンテナンスを行うことがあり、思わぬタイミングで支払いができない可能性は否定できません。
先に触れたように多くの自治体では納付期限を5月末に設定していますが、納付期限近くにメンテナンスが重なってしまう可能性は否定できません。
たとえPayPayをご利用いただく場合であっても、ゆとりを持って納付しましょう。
メンテナンスには定期メンテナンスと臨時メンテナンスがあり、サイト上で公開されています。
特に注意すべきは各金融機関側の定期メンテナンスです。
各金融機関によってメンテナンス日時が異なっています。
主な都市銀行の定期メンテナンス日時は以下です。
都市銀行名 | 定期メンテナンス日時 |
---|---|
みずほ銀行 | 登録: 土曜22:00~翌8:00 チャージ: 土曜22:00~翌8:00、第1・第4土曜3:00~5:00 |
三菱UFJ銀行 | 登録・チャージ: 第2土曜21:00~翌7:00 |
三井住友銀行 | 登録・チャージ: 日曜21:00~翌7:00 |
りそな銀行 | 登録: 第1月曜2:00~6:00 第2土曜23:00~翌8:00 チャージ:第2土曜23:00~翌8:00 |
ゆうちょ銀行は定期メンテナンス日時を公開していません。
上記以外のネット銀行、地方銀行、信用金庫、労働金庫などもメンテナンス日時を公開しています。
以下リンクから臨時メンテナンスもあわせて確認できます。
参考URL:PayPay
PayPay[口座登録・チャージ]金融機関メンテナンス一覧
残高がないと支払えない
PayPayをご利用の場合は残高で支払う方法以外は選択できません。
クレジットカードも対象カードが限られているため、対象カード以外のクレジットしかお手元にご用意できない場合には、別の方法で残高をチャージした上で支払う必要があります。
自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)の納付期限を超えたらどうなる?
「納付書が届いていたのに、支払いを忘れてしまっていた」
もしも自動車税や軽自動車税の納付を、期限内に行えなかった場合にはどうなるでしょうか。
この章ではPayPay利用への影響や、滞納時のデメリットについて詳しく解説します。
PayPay利用時|納付期限を過ぎると支払えなくなる
あらかじめ定められた納付期限を超えてしまったら、納付期限が切れてしまった後は利用できなくなります。なお、納付期限を超えるとPayPayで支払えないというデメリットだけではなく、滞納税とみなされるため延滞金が発生します。
自動車税には延滞税がかかる
自動車税や軽自動車税を滞納した場合、日割りで計算された延滞税が加算されてしまいます。
2022年1月1日から2025年12月31日までの延滞金利率は、納付期限の翌日から1ヵ月以内に納税した場合だと年2.4%、それ以降は年8.7%で、1年を365日として日割り計算されます。
自動車税を支払っていないと車検が受けられない
自動車税や軽自動車税を延滞していると、次に迎える車検が受けられません。
車検証の発効要件には対象課税の納付が確認できることが必須となっているためです。
車検証を通さずに公道を走ると道路運送車両法違反となる上、自賠責保険が切れている可能性も高く、以下の罰則を受ける場合があります。
《道路運送車両法第58条の違反》
違反点数:6点
6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金
免許停止処分
《自賠責保険の無保険車運行》
違反点数:6点
12ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金
自動車税や軽自動車税の延滞をきっかけに、重い罰則につながるおそれがあります。
納付期限を意識して必ず納付を終えましょう。
うっかり二重払いしたら|返金はきちんとされる?
もしも納付書とPayPayの両方で、対象年度の自動車税や軽自動車税を二重払いしてしまったらどのように対処すればよいでしょうか。
この章では二重払い時の対処法をわかりやすく解説します。
二重払いはその他の滞納税も確認された上で返金される
自動車税や軽自動車税を二重で支払ってしまったら、その他の滞納税がないか確認された上で返金がなされます。
自動車税や軽自動車税は、その年の4月から翌年の3月までの1年で納めるものです。
もしも未納分があれば充当された上で月割計算にて返金が受けられます。
未納が無ければ原則お手続きは不要で還付に関する通知が行われています。ただし、自治体によっては還付金の返金について数か月を要することがあるためご注意ください。
PayPayはやっぱりお得?クレジットカードとの比較
自動車税や軽自動車税の支払い方法では、現金をお手元に用意する必要がないクレジットカードとPayPayのどちらにするべきか悩んでいる方も多いでしょう。
そこで、この章でわかりやすく比較結果を解説します。
クレジットカード払いの特徴と注意点
自動車税や軽自動車税はクレジットカードで支払うことが可能ですが、以下3つの注意点があります。
- ① 店頭でのクレジットカード支払いはできない
- ② 非対応自治体もある
- ③ 決済手数料がかかる
2023年4月以降は地方税統一QRコードの「eL-QR」や「eL番号」を使った納付が始まり、多くの自治体でクレジットカード納付が導入されています。
地方税お支払サイトにアクセスし納付書に印刷されたeL-QRやeL番号を使った上でクレジットカードの決済を選択して支払います。
VISAやJCBなどがご利用いただけますが、金融機関やコンビニなどの店頭における納付には使えません。
また、軽自動車税などはクレジットカード対応を未導入としている自治体もあるため注意が必要です。
クレジットカードによる自動車税の支払いには、税金とは別に「決済手数料」も発生します。手数料は数百円程度が目安です。
参考URL:地方税お支払いサイト
選べるお支払い方法
PayPayとクレジットカード|自動車税支払いにおける違い
自動車税をPayPayとクレジットカードで支払う場合、どちらがお得でしょうか。まずは違いについてわかりやすく比較します。
クレジットカード | PayPay | |
---|---|---|
手数料 | 原則発生する | 基本的に無料 |
ポイント | カード会社のポイントが溜まる | × |
支払い方法 | 地方税お支払サイトで手続き | PayPayアプリでバーコード読取 |
領収書 | 発行されないがカード利用履歴は残る | 発行されないが支払履歴は残る |
納税証明書 | 発行までに時間がかかる場合がある | 発行までに時間がかかる場合がある |
大きな違いは、手数料とポイント面が挙げられます。
PayPayによる自動車税払いではポイントを貯めることはできません。ただし、PayPayはクレジットカードとは異なり手数料は発生しません。
ポイントを貯めたいならクレジットカードが一見すると有利ですが、数百円の決済手数料が発生することを考えるとPayPayも有利です。
PayPay納付が向いている人・向かない人とは
便利なPayPayによる自動車税の支払いが、向いている人・向いていない人にはどのような人が挙げられるでしょうか。
《① PayPay納付が向いている人》
PayPayを利用するためにはアプリをダウンロードし、残高をチャージする必要があります。そのため、すでにPayPayを日常的に使っている人におすすめです。
また、金融機関やコンビニに立ち寄ることが難しい人にとっても大変便利でしょう。
《② PayPay納付が向いていない人》
自動車税の納付直後に車検を控えている方は、納税証明書が発行されないPayPayは不向きです。また、PayPayの残高チャージに使用できるクレジットカードは種類が限られているため、クレジットカードで支払いたい人には使いにくいでしょう。
まとめ
本記事では自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)へのPayPayによる支払いについて詳しく解説しました。
PayPayは大変便利な支払い方法の1つですが、納付期限を超えてしまうと使えなくなるため、早めに納付しましょう。
また、クレジットカードやスマホ決済による支払い方法もありますので、比較した上でご自身に合った支払い方法をご利用いただくことがおすすめです。
投稿者プロフィール

- 経歴:大手損害保険会社に勤務後、弁護士事務所で秘書として交通事故訴訟の調査に従事