ダイレクト損保などと呼ばれているインターネットから直接自分で加入するタイプの自動車保険は、保険料の安さを背景に年々人気が高まっています。
また、代理店を経由しないので24時間いつでもネット環境さえあれば加入できるのも魅力の1つです。
そんなダイレクト損保ですが、よく不安の声としてあるのは「事故対応」についてです。
まず率直に言うと、代理店を経由する大手損保と、ダイレクト系損保の間に事故対応の品質の差はありません。
どちらとも事故対応を専門とするサービスセンターが充実しており、保険会社側のサービスに差はないと言って良いでしょう。
代理店を経由する大手損保は全国に広くサービスセンターの拠点を設置しており、受付している事故対応スタッフや損害調査のアジャスターなどが多いのは事実です。
しかし、ダイレクト系損保も登場してから時間が経過しており、拠点数は集約化しているので全国にあるわけではありませんが、ノウハウはしっかりと定着しています。
特約の使用や事故の調査にも差異はありません。
ダイレクト系損保だから事故対応が遅い、裁判になった時に弱い、などというのは誤りです。
しかし、2つの保険の間には事故の受付などに若干の差異があります。
次に事故の受付についての流れと共に説明しましょう。
ダイレクト系損保と代理店を経由する場合に、事故受付の違いはある?
ダイレクト系損保でも代理店加入の損保でも、事故受付の基本の流れは同じです。
事故が起きてしまったら、まず速やかに警察、お怪我がある場合には消防車、火災の可能性がある場合は消防の手配もお忘れなく迅速に行いましょう。
多重事故を防ぐために周辺を確認し、相手方との連絡先の交換などを進めましょう。
ダイレクト系損保と代理店経由で加入する損保でも初動は同じです。
但し、代理店によっては事故の対応をお手伝いしています。
サービスセンターにご自身で連絡するのが基本ですが、代理店を経由して事故の報告をすることも可能です。
事故の当事者の方が病院で治療を受けている場合、ご家族から代理店へ事故報告をサービスセンター側へ依頼することも可能です。
代理店が事故の受付自体を行っているわけではありませんが、たくさんの事故のケースを熟知しているので焦っている事故の当事者やご家族の方に、「警察への連絡」や「ロードアシスタンス特約の手配」などを手伝うことがあります。
ただ、こちらの対応は代理店によって異なります。
事前に事故の際はどのようにすべきか、加入時に代理店に確認しておくことがおすすめです。
ダイレクト系損保にも事故の際に「事故現場安心サポート」サービスを実施しているところもあります。
このサービスは事故の発生時に保険会社が提携している警備会社の職員が駆けつけるサービスで、安全の確保や事故現場の確認、写真撮影やサービスセンターへの手配を行ってくれます。
こうして代理店経由並みのサービスを無料提供しているダイレクト系損保もあるので、保険選びの際のポイントにしてみてはいかがでしょうか。
ダイレクト損保の場合、加入の情報を他者と共有を
近年代理店型の損保にもペーパーレス化が普及してきましたが、自動車保険には本来証券があります。
保険証券とは契約を証明する証書で、加入内容や証券番号が記載されています。
ペーパーレス化が普及する前には保険に関する約款が同封されて、郵送で届くのが一般的でした。
勤め先へ通勤費用の請求時などに任意保険への加入を証明する必要がある方は今も自動車保険の証券を紙で持っている方が多いようです。
しかし、ペーパーレスにすると保険料が安い場合があるため、ペーパーレスを選ぶ方が増加しています。
環境保護の視点もあり、スマホやパソコンで簡単に自動車保険の加入内容がわかるのは大変良いことです。
しかし、時々ペーパーレス化が原因でトラブルになることもあります。
事故時にご本人以外の方が任意保険の加入先について、すぐにわからないことがあるのです。
事故の内容によっては加入者の方が病院へ搬送され、治療に専念しているため、すぐに任意保険の事故受付が出来ない場面が見受けられます。
自賠責保険は加入先が分かる証明書を車載することが義務付けられているのでわかるのですが、任意保険のペーパーレス化でご本人のスマホやパソコンにしか情報がないケースがあるのです。
代理店を経由している場合、ご家族が代理店を把握していることが多く事故の受付がスムーズなのですが、ダイレクト系損保ですとご家族が把握していないケースもあります。
万が一の時に備えるのが自動車保険の最大の魅力ですから、証券がペーパーレスの場合はご家族や勤務先など身近な方に加入先を伝える、ご契約内容がわかるものを紙に打ち出して車載しておくなど任意保険への加入先が他者にもわかるように工夫しておきましょう。
ダイレクト系損保では契約内容が印刷できるようになっています。
ご自分で事故の連絡をする際に必要なサービスセンターの電話番号なども掲載されているので、証券代わりに印刷して車検証・自賠責保険とセットで車載しておくことがおすすめです。
投稿者プロフィール

- 経歴:大手損害保険会社に勤務後、弁護士事務所で秘書として交通事故訴訟の調査に従事
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