チャイルドシートの着用義務は何歳まで?違反時の罰則も徹底解説!

乗車中の小さなお子様を守る「チャイルドシート」は、2000年(平成12年)に道路交通法の改正によって義務化されたことにより、広く普及しています。
では、チャイルドシートの着用は一体何歳までのお子様が義務となっているのでしょうか。
本記事ではチャイルドシートについて、着用義務対象の年齢や、違反時の罰則について詳しく解説します。
義務化された背景にも触れますので、ぜひご一読ください。

この記事をまとめると

  • チャイルドシート未着用時の罰則
  • チャイルドシートの安全基準
  • 2024年のチャイルドシートの使用率
  • お子様が安全にシートに乗車するコツ

チャイルドシートは何歳まで着用が義務化されている?

チャイルドシートとは、自動車の座席に装着する乳幼児向けの座席シートを意味します。
2000年の道路交通法改正によって着用が義務化されており、対象年齢は「6歳未満の乳幼児」です。
首が座っていない赤ちゃんから、小学1年生程度のお子様までが対象となっており、大切な乳幼児期のお子様を自動車事故から守る効果があります。

着用義務化の背景とは

チャイルドシートの着用が義務化された背景には、チャイルドシート未着用時の「高い死亡率」が挙げられます。
警察庁によると、チャイルドシート未着用者の致死率は適正着用者の約4.2倍とされています。
幼い命を守るために着用が義務化されたのです。また、子どもの死亡原因の第1位が「不慮の事故」であり、0~9歳では3分の1が「交通事故による死亡」であったことも、着用義務化に至った理由とされています。

しかし、着用していても注意点はあります。
チャイルドシートの固定が不十分であったり、ベルト部分から身体が抜けた状態で乗車していると、交通事故の衝突により乳幼児が飛び出してしまうことがあるため注意が必要です。
参考URL:警察庁
子供を守るチャイルドシート

義務化の対象年齢と推奨身長とは

チャイルドシートの義務化の対象年齢と、推奨身長は以下のとおりです。

  • 義務化対象年齢 6歳未満(道路交通法第71条の3第3項)
  • 使用が推奨される身長 150cm未満(日本自動車連盟推奨)

身長については法律で明確な基準が定められているわけではありません。JAF(日本自動車連盟)が推奨身長を公表しています。
以前は140cm未満とされていましたが、6歳以上の子どもが交通事故の衝撃によりシートベルトで首や腹部を圧迫し、死亡した事例を受け、現在150cm未満まで推奨身長を引き上げています。
シートベルトではなく、チャイルドシートだったら防げる事故もあったと考えられるためです。

2024年8月に発生した交通事故では、後部座席でチャイルドシートではなくシートベルトを着用していた2人の姉妹が、シートベルトによる腹部圧迫で死亡しています。義務化はあくまでも6歳未満ですが、推奨身長を基に着用をすることが大切です。

参考URL:NHK福岡 2024年8月21日 16時13分
幼い姉妹死亡の事故 “シートベルトで腹部を強く圧迫か”

チャイルドシートにはどのような種類がある?

チャイルドシートの着用義務の対象は6歳未満とされており、まだ首がすわっていない赤ちゃんから、小学1年生程度のお子様まで対象となります。
体型が大きく異なる乳幼児期が着用義務の対象となっているため、チャイルドシートもさまざまな種類が販売されています。

この章では3つの種類をご紹介します。

乳児期用

乳児期用は、新生児から1歳程度の乳児を想定しているチャイルドシートです。おすわりができない年齢のため、寝かせて乗車させるシート設計となっています。

■乳児期用チャイルドシートの特徴

  • 身長70cm以下
  • 体重10㎏未満
  • ベットタイプ、シートタイプ(後ろ向きに設置)がある

幼児期用

幼児期用は首がすわり、おすわりができる幼児が対象です。
乳幼児期のシートを変形させることで幼児期向けにできるタイプも販売されています。

■幼児期用チャイルドシートの特徴

  • 身長65cm~100cm以下
  • 体重9㎏~18㎏以下
  • 対象年齢は1歳~4歳以下
  • 座りはじめ以降からの使用が目安

学童用(ジュニアシート用)

チャイルドシートの中にはジュニアシートと呼ばれる製品もあります。
義務対象を超えた6歳以上の児童が対象で、推奨身長である150cm程度までの利用が可能です。

■学童用ジュニアシートの特徴

  • 身長150cm以下程度が目安
  • 対象年齢は4歳~12歳
  • 座面を補助し、シートベルトを身体に合わせやすいように設計されている
  • 首回りの補助があるもの、座面の高さ調整のみなど種類も多数

チャイルドシートやジュニアシートのレンタルや補助とは

チャイルドシートやジュニアシートは交通事故時の死傷を防ぐ大切なアイテムです。
しかし、価格によっては3万~10万程度するため、購入が重い負担となる人もいるでしょう。また、子どもの送迎のために複数の車両にシートを取り付けておきたいという人もいます。

では、チャイルドシートやジュニアシートには、レンタルや購入補助の制度はあるのでしょうか。

お得なレンタルサービス

チャイルドシートやジュニアシートには、お得なレンタルサービスが用意されています。
各地域の交通安全協会で無料のレンタルサービスを行っているケースもあります。

例として、清掃業などでおなじみのダスキンでは、ベビー用品のレンタルを行っており使用期間の短い乳児向けや、ジュニアシートのレンタルも行っています。
1か月からレンタルできるため、旅行時の使用などにもおすすめです。

《ダスキン》
レントオールかしてネットチャイルドシート レンタル
ベビー用品のレンタル事業のベビレンタでも豊富な種類のチャイルドシート、ジュニアシートのレンタルを行っています。
3日間からレンタルができるため帰省・旅行時にも便利です。

《ベビレンタ》
ベビー用品のレンタル・買取・中古販売 「ベビレンタ-Babyrenta-

《江東区》
東京都では江東区の場合、区民向けにチャイルドシートレンタルのあっせんを行っています。
区民なら通常料金の15%~40%の割引が受けられるサービスです。
最寄りの自治体でもこうしたお得なサービスがある可能性があるため、確認してみることをおすすめします。

補助金制度や無料でもらえる方法もある

チャイルドシートの購入に補助金制度を導入している自治体もあります。
例として、栃木県真岡市では、チャイルドシート等の購入価格(消費税込)の2分の1以内、1台につき10,000円を限度に補助金を支給しています。(乳幼児1人につき1台、申請回数は1回限り。)

また、不用品の無料提供、物々交換をおこなっているサイトやアプリを経由することで、無料でチャイルドシート・ジュニアシートを譲り受けられる可能性があります。ただし、こうしたサイトやアプリは個人間で授受のやり取りが必要ですので、トラブルが起きないようにご注意ください。

参考URL:栃木県真岡市
チャイルドシート等の購入を補助しています

チャイルドシートを着用しないとどうなる?罰則や免除の内容とは

チャイルドシートの着用義務は道路交通法で定められたものであり、もしも着用しなかった場合には罰則を受ける可能性があります。
この章では罰則の内容や免除される事例について紹介します

幼児用補助装置使用義務違反とは

6歳未満のお子様がチャイルドシートを着用していなかった場合は「幼児用補助装置使用義務違反」に該当し、1点の違反点数が加算されます。
反則金や刑事罰はありませんが、その他の違反点数と合わせると免許停止に該当するおそれがあるため注意が必要です。

免除されるケースはある?

チャイルドシートの着用については、免除されるケースもあります。

《① 免除されるケース》
バス(※コミュニティバス含む)やタクシーへの乗車時は、着用義務が免除されています。
お子様がケガをしておりシートの着用ができない場合や医療機関等への緊急搬送時、チャイルドシートの設置をすると家族が乗れなくなってしまうケースも免除の対象です。また、古い自動車でチャイルドシートとシートベルトの接合が難しい場合も免除されています。

《② 免除されないケース》
帰省中の他の家族の自動車で移動する、友人や知人の自動車へ乗車するようなケースでは、免除の対象にはなりません。
チャイルドシートの代わりに座布団などに乗せる、ケガなど正当な理由なく抱っこで移動する場合も免除されません。

免除されていても交通事故には注意しよう

チャイルドシートの着用は免除される場合がありますが、免除されていても交通事故のリスクが軽減できるわけではありません。
たとえば、日常的に使用する車両にチャイルドシートを装着すると家族が移動できない場合、確かに免除は受けられます。

しかし、その状態で交通事故が発生すると、お子様が大きな被害を受ける可能性があります。
必要に応じて、安全性の高い自動車への買い替えも検討するとよいでしょう。

チャイルドシートは正しい装着を!意外と多いミスとは

チャイルドシートをせっかく装着していたにもかかわらず、交通事故の衝撃により死傷する事例もあります。
死傷に至る背景には「チャイルドシートの装着ミス」があるとされています。

この章では正しい装着を心掛けるためにも、チャイルドシートの装着ミスの事例を紹介します。

シートベルトと締め付け不足

チャイルドシートはISOFIXによる固定か、自動車本体のシートベルトを活用して、しっかりと固定する必要があります。しかし、この固定が甘く交通事故時の衝撃を受けてしまう事例が多発しています。
固定方法は各シートの種類によって異なりますが、ミスを減らすためにも以下を基準にシート選びを行うようしましょう。

  • いつも使用する自動車に取り付けられるサイズか
  • 大人で簡単に取り外しや固定ができるか

チャイルドシートの多くのメーカーは「車種適合表」を公表しています。
欲しいチャイルドシートが普段乗る自動車に適合しているか、必ず確認の上で購入・レンタルを検討しましょう。

お子様がいたずらできないように取り付けできているか

チャイルドシートの義務化対象年齢のお子様はチャイルドシートをあちこち触ってしまったり、いたずらをしてしまうケースもあります。ベルトから身体を抜け出してしまい、固定できていないケースも後を絶ちません。
シートベルトを外してしまうと危険なため「ベルトロック」の導入なども検討しましょう。
ベルトロックとはシートベルトの固定を補助するパーツです。

また、定期的にお子様の身体のサイズとシートのサイズが合っているか見直し、必要に応じてジュニアシートへの交換も検討しましょう。

チャイルドシートに安全基準はあるの?

お子様の命を守る大切なチャイルドシートには、安全基準などの規定は設けられているのでしょうか。
日本のチャイルドシート基準は現在「国連欧州経済委員会(United Nations Economic Commission for Europe)」の安全基準を採用しています。この章ではシート選びのヒントにつながる「安全基準」について、2つの基準を詳しく紹介します。

R44(旧安全基準)とは

2023年9月1日以前に用いられていた安全基準はR44と呼ばれるものです。
この基準は前後からの衝突の衝撃に備え、乳幼児の体重をベースに設計されているものでした。
生後12ヶ月未満のお子様には自動車の進行方向に対して後ろ向きになるように乗車させるしくみです。

R129(新安全基準)とは

2023年9月1日以降に適用されている安全基準で、R44よりもさらに厳しい基準が導入されています。
前後からの衝撃だけではなく、側面(ドア)部分への衝撃にも備えた設計となっています。また、体重ではなく身長に合わせた設計に変更されています。体格のミスマッチが起きにくくなったため、長く使用できるシートが増加しています。また、従来の12ヶ月から、後ろ向きの設置は生後15カ月まで延長されました。

旧安全基準と新安全基準のまとめ

項目R44R129
基準旧安全基準新安全基準
分類体重別身長別
衝突試験前方のみ前方、側面
装着方式シートベルトまたはISOFIXISOFIXのみ
後向き期間12ヶ月まで推奨15ヶ月まで推奨

新安全基準の方がより使いやすく、安全性が高いシートです。
今からご購入やレンタルをご検討される場合は新基準を目安にすると良いでしょう。

なぜチャイルドシートは後部座席への装着が推奨されるの?

チャイルドシートの装着は、自動車の後部座席が推奨されていることをご存じでしょうか。
後ろに荷物を置きたい、と思っても安全性のためにチャイルドシートは後部座席に設置することが大切です。

では、どのような理由から推奨されているのでしょうか。

助手席のエアバッグの危険性

助手席にチャイルドシートを設置した場合、交通事故の際にエアバッグが作動すると、その衝撃でチャイルドシートが押し上げられ、お子様が重傷を負う可能性があります。
交通事故は正面衝突による事例も多く、一部の国では乳幼児の助手席への乗車を禁じている国もあります。

衝突時の安全性

正面衝突事故の際、後部座席は前方座席に比べて衝撃の影響を受けにくい傾向があります。また、側面衝突の場合も後部座席の方が安全性が高いとされています。
衝撃を受けても助手席や運転席の座席がストッパーの役割を果たし、車外への飛び出しを防ぐ効果もあります。

その他の理由

後部座席の場合、運転中のドライバーもミラー越しに様子を確認することが可能です。また、フロントから入る直射日光を受けないため、日差しや外部からの刺激を受けにくく、お子様が落ち着いて過ごせます。

日本ではジュニアシートの時期を迎えると特段の法的な制約はないため、助手席に乗るお子様も増えます。
しかし、安全性を考慮すると引き続き後部座席への乗車が推奨されます。

使用率が横ばい!今こそ保護者が知るべき使用の重要性とは

日本自動車連盟(JAF)が警察庁と連携して行った2024年チャイルドシート使用率を見ると、使用率は78.2%に留まっており約2割がチャイルドシートを装着していないことが判明しています。

そこで、この章では過去の統計とも比較しながら、今こそ保護者が知るべき私用の重要性を解説します。

使用率は横ばいが続いている

2024年の統計では、78.2%という結果でした。
前年度の同様調査では、6歳未満の使用率は76.0%であり、あまり変化のない結果となっています。
2006年の統計では使用率が49.4%でしたが、2019年に70%を超えて以降は横ばいの状態が続いています。

参考URL:JAF
チャイルドシート使用率データ 警察庁・JAF合同調査 (※リンク内に過去の統計結果もあります)

保護者がチャイルドシートを装着していない主な理由

同調査によると、チャイルドシートを装着していない理由として、「車両の座席にそのまま座らせている」「チャイルドシートを固定せずに使用している」といった回答が得られています。また、保護者の抱っこのまま乗っているケースも見受けられます。

保護者だからこそできる安全対策を進めよう

チャイルドシートは罰則が1点、反則金もないため、7割の装着率が横ばいのままであると考えられます。しかし、本文中にご紹介のとおりチャイルドシートの無い事故で子どもの命が失われる事例は発生しており、わずかな気の緩みが大きな公開につながる可能性は否定できません。

毎日の送迎や旅行などのロングドライブこそ、保護者ができる最良の安全対策としてチャイルシートに乗せることを心掛けましょう。

お子様がチャイルドシートに乗ってくれなかったらどうする?

チャイルドシートに乗せると泣いたり、酔ったりしてしまう場合は、以下の対策を試してみるとよいでしょう。

  • 自宅でも使用し、使用に慣れる
  • 取り外しができるタイプを購入する
  • おもちゃなどの遊びを活用

チャイルドシートは座り慣れないと、お子様は違和感を覚えることがあります。
泣いたり酔ってしまったりすると、保護者としてもやむを得ずチャイルドシートから下ろしてしまいます。
そこで、自宅でもシートに座らせてみたり、取り外しができるタイプを導入し、色んな所に持ち運んでみることもおすすめです。

また、チャイルドシートにおもちゃを取り付けることで、喜んで乗ってくれることもあります。
ネガティブなイメージを払拭し、お子様が楽しく乗れるように工夫しましょう。

まとめ

本記事ではチャイルドシートの着用義務について、対象年齢や推奨身長などを中心に詳しく解説しました。
チャイルドシートの未着用は軽微な罰則の対象となり、違反点数1点のみです。しかし、重大な交通事故に巻き込まれてしまったら、チャイルドシートがないと死傷する可能性が高まります。
安全基準をしっかりと満たしたシートを活用し、お子様の未来を守りましょう。

投稿者プロフィール

岩田あき
岩田あき
経歴:大手損害保険会社に勤務後、弁護士事務所で秘書として交通事故訴訟の調査に従事

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