自動車保険を途中解約した場合の解約返戻金はどのくらいあるのか?

自動車保険は、基本的に1年契約で満期を迎えた時に、更新をするのか止めるのかを検討します。
1年契約とはいえ、必要なくなった場合は途中で解約することも可能です。
ここでは自動車保険を途中で解約する場合の注意点と、解約した場合の解約返戻金についてご紹介します。

途中で解約すると返戻金が受け取れる

解約返戻金とは、保険を途中で解約した場合に保険契約者に対し払い戻されるお金のことをいいます。
自動車保険は貯蓄型保険などと異なり、掛け捨ての保険になるので満期返戻金などはありません。
自動車保険を月払で契約している場合と、年払いで1年分を一括で支払う場合とでは解約返戻金の考えが異なります。

一般的に月払いの場合は、解約返戻金を受け取ることはできません。
(※保険会社によっては対応が異なりますので確認が必要です。)

理由として自動車会社は保険料を基本的に日割り計算しません。よって未経過日数分の金額が返金されることはありません。
毎月の保険開始日を1日でも超えると1ヶ月分の料金を支払う必要があるので気をつける必要があります。
しかしながら必要な月の支払い分のみ請求が発生するので未経過分の金額を支払う必要がありません。

年払いで契約している場合は、保険会社が定める短期率という係数で計算されるケースが多くあります。
短期率とは、自動車保険を契約期間内に解約する場合に返還する保険料を算出するために用いる係数のことです。

短期率を用いた解約返戻金の計算方法は、以下のようになります。
【年間の保険料 × (1-既経過期間に対する短期率) = 解約返戻金 】

保険の加入経過期間に応じて短期率のパーセントが定められており、年間の保険料に「1ー(既経過期間に対する短期率)」をかけて解約返戻金を算出します。
短期率は契約期間が長くなるとその分率が上がり、保険会社の取り分が多くなるようになります。

契約満期を待たずに1ケ月で解約した場合

(仮条件)年間支払い保険料が60,000円 1ケ月で解約した短期率25%
解約返戻金は 60,000 × (1-25%) = 45,000円となります。

気をつける必要があるのは、半年で解約した場合に返戻金が50%戻ってくるようなイメージがあるかもしれませんが、実際は半年の場合の短期率が70%などの保険会社が多く、戻って来る金額は3割程度となります。
自動車保険会社によって短期率は異なることがあるので、ご契約の保険会社に確認しましょう。
短期率に関しましては、後ほど細かくご説明いたします。

年払いにした方が保険料が安くなるケースや解約返戻金があるのでメリットがあるように感じられますが、まとまった金額を支払う必要があります。費用負担の少ない月払いと照らし合わせよく考えて契約するとよいでしょう。

一時的に車に乗らない場合の選択肢

引っ越しや海外転勤、留学などで一時的に車に乗らなくなった場合に、契約している保険を払い続けるのは金銭的にもったいないものです。そのような時の選択肢は自動車保険を解約するか、猶予期間を設けるため一時中断するかの二択です。

自動車保険を中断せずに解約してしまうと、新たに保険が必要になった場合、それまでに積み重ねた等級がリセットされてしまい6等級からのリスタートになります。
親や親族から等級の高い自動車保険を引き継いだ場合は、値引率に大きな差が発生し費用負担が大きくなってしまいます。

等級が引き継げる

車に乗らない期間が一時的であり、再び保険を契約するのであれば「中断証明書」を取得しましょう。
中断証明書を発行すると現時点の保険の等級を保存しておくことができます。そして等級を引き継ぐ期間も最大10年になるので、もし直近で車に乗る予定がない場合でも取得しておいて損はありません。

その際には、等級を維持したまま保険会社を他社に乗り換えもできるので、自動車保険を再開する場合にはさまざまな選択肢を検討できます。
また、「中断証明書」は自身だけではなく、配偶者や同居の親族が車を購入した場合でも等級を引き継ぐことができます。
自分だけの為ではなく、将来のご家族のためにも等級を引き継ぐ準備をするのもよいかもしれません。

オススメの記事

【等級】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
自動車保険の等級制度とは?保険料の割増引率を徹底解説

中断証明書の発行をしよう

中断証明書を発行するには条件があります。
自動車保険会社によっては詳細が異なる場合もありますが、一般的に以下の条件を満たさないといけません。

等級に関して

中断する自動車保険の等級が7等級〜20等級である必要があります。
5等級以下の場合は、新規で保険を契約した場合の方が6等級となり等級が上になるのでする必要がありません。
6等級の場合は、満期のタイミングで中断すると翌年から7等級になるので中断証明書を発行できます。

手続きの期限

中断証明書を発行できるのは、中断する保険の解約日から13ヶ月以内である必要があります。
保険会社の中には、解約日から5年以内としている会社もありますのでご契約の保険会社に条件を確認しておきましょう。

中断証明書を発行する為の該当事項

中断証明書を発行するには、条件と合わせて次の条件に該当している必要があります。

  • 廃車、譲渡、リース業者への返還手続きが完了している
  • 盗難や災害で車が手元にない
  • 車検が満了日を迎え更新していない
  • 自動車保険の解約日までに抹消登録をしている
  • 記名被保険者が重病で継続運転が不可能と医者に判断されている
  • 妊婦で一時的に二輪自動車や原動機付自転車を使用しない場合
  • 転勤、海外移住で海外渡航することが決まっており、保険の解約日または満期日が出国日の6ヵ月前の日以降である場合

車検期間が残っている車を上記に該当しない状態で手元に置いたまま、自動車保険だけを一時中断する為に中断証明書の発行を受けることはできません。

車を手放す場合の注意点とタイミング

車を譲渡したり売却して手放す場合に、自動車保険の手続きをどのようにしたらよいかわからなくなるものです。
一般的に車を手放す場合の手続きは「車両入替」「一時中断」「解約」の3つになります。

保険契約をしている車を売却後に、新車で車を購入する場合は「車両入替」の手続きとなり、保険を手放した車からそのまま新たな車に保険は移行します。

車を手放して新しい車を購入する予定がない場合は、前途にてご説明しました中断証明書で保険契約を「一時中断」することがおすすめです。一時中断することで等級も再開時まで保存ができ、自動車保険を再開するまで保険料は発生しません。
車両を手放した後に再度契約をすることがない場合は「解約」の手続きとなります。

オススメの記事

【車両入替】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
自動車保険の車両入替とは?手続き方法やポイントについて解説!

等級が引き継げなくなる

一度自動車保険を解約してしまうと、等級は新規契約と同じ状態である6等級にクリアされてしまいます。
高齢などを理由に二度と車に乗らない状況であれば解約しても問題ありませんが、将来的に検討される場合は今一度よく考えてみましょう。
等級の引き継ぎタイミングは意外と少なく、下記の4つのケースとなります。

  • 新規で自動車を購入した
  • 契約車両を廃車した
  • 契約車両を親族や配偶者に譲渡した
  • 複数台車を所有または減らす

上記以外のタイミングでは、等級を引き継ぎできないので解約の際はよく考えて行う必要があります。

他社の保険に乗り換える場合

現在加入している自動車保険会社から他の保険会社に乗り換える場合、重複期間が発生しないように計算する必要があります。
もし自動車保険を重複して契約してしまった場合、その契約は新規契約という扱いになります。
そして既存で解約する自動車保険は、引き継ぎすることなく解約した事になります。

最も重要なのは解約先の自動車保険の満了日(解約日)と、新規に契約する自動車保険の開始日を同日にして保険の補償が適用されない期間がないようにすることです。

空白期間を作らない

自動車保険は、契約日と満了日でその有効期限が決められています。
もちろんその期間内が補償期間となり、新たな保険との間に補償されない期間があると、その期間内に事故を起こすと保険金はもらえません。
自動車保険の等級を引継げるのは満期日(解約日)から起算して1週間となっており、この期間に切り替えないと等級は再度6等級からのリスタートとなります。
うっかり等級を消したりしないようにしましょう。

自動車保険の更新手続き漏れによる空白期間発生を防ぐために、「自動継続特約」というプランが保険会社に用意されています。これを付帯することで、空白期間が発生する前に自動的に継続してもらえるので便利です。
しかしながら、自動車保険の乗り換えや途中解約時に保険会社に連絡を怠ると重複契約となったりするので連絡は忘れないようにする必要があります。

途中解約のデメリットはある?

年間契約が基本の自動車保険を、途中で解約すると違約金が発生するのではないかと思われている方もいるかと思います。
しかしながら、途中解約しても違約金などは発生しません。
よって自分の好きなタイミングで契約をして、使用しなくなったら解約もおこなえるのが魅力です。
では自動車保険を年間契約の途中で解約してもデメリットはないのでしょうか?
以下では、途中解約した際のデメリットをご紹介致します。

等級の進行が遅くなる可能性

自動車保険の割引額に大きくかかわる等級ですが、途中で解約すると等級が上がるタイミングが遅くなる場合があります。
等級は6級から始まり最大20級まであり、1年間無事故であれば翌年の等級が1上がるシステムになります。よって無事故の期間が長いほど高い等級になり保険料は安くなります。

この等級ですが、新規で保険を契約してから無事故で1年後に等級が上がるので、途中で解約すると再度1年無事故で経過しないと等級は上がりません。
他社に乗り換えた場合でも同様に、新たに他社で契約をしてから無事故で1年経過する必要があるので、契約途中での解約や切り替えは気をつけないと等級の進行を遅らすことになります。

自動車保険を切り替えて新たな会社で契約する場合や、解約して一時中断する場合は自動車保険の契約が満期になるタイミングで行う事をおすすめします。

解約返戻金は月額を下回る可能性も

自動車保険は契約者の都合でさまざまなタイミングで解約を検討することがあります。
途中解約すると月額で支払いをしている場合、多くの保険会社では解約返戻金を期待することができません。
(ほとんどの保険会社では、月払いでは解約返戻金がありませんが、保険会社により異なるので確認が必要です。)
前途でご案内しましたが、年間で保険料を一括支払いしている場合は契約している日数により各社取り決められてた「短期率」という指標により返戻金が決められています。

一般的な「短期率」は以下のようになります。

期間短期率
1〜7日まで10%
8日〜15日まで15%
16日〜1ヶ月まで25%
2ヶ月まで35%
3ヶ月まで45%
4ヶ月まで55%
5ヶ月まで65%
6ヶ月まで70%
7ヶ月まで75%
8ヶ月まで80%
9ヶ月まで85%
10ヶ月まで90%
11ヶ月まで95%
12ヶ月まで100%

こちらをご説明すると、自動車保険を年間支払いした場合に契約の2ヶ月目に解約すると保険会社はその金額の35%を取り分として持っていくことになります。
残りの65%が解約返戻金として手元に戻ります。
半年の場合を見てみるとその短期率は70%にも膨れ上がり、月額で支払ったと仮定した金額よりも遥かに高い金額を保険会社に払うことになります。

違約金という名目の金額は解約返戻金にありませんが、戻って来る金額は少ないので途中解約のペナルティというイメージを持っておくとよいでしょう。

月額で自動車保険を支払った場合は、前途のように解約返戻金は戻ってこないものの、必要な分だけ支払いをするので途中解約の可能性がある場合はそちらを利用するとよいかもしれません。

解約のタイミングには気をつけよう

自動車保険の途中解約は、解約返戻金が少なく、また等級が上がるタイミングを遅らせる可能性があるので解約時期には気をつける必要があります。
保険が必要なくなった場合は、必要がなくなったタイミングで解約するのがよいですが、一時中断や乗り換えを検討する場合は自動車保険の満期日まで待つとよいでしょう。

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