青切符と赤切符の違いとは?|交通違反の罰金制度を詳しく解説

交通違反は「道路交通法」によって定められており、違反が発覚すると「青切符」や「赤切符」が通知される(切られる)ことがあります。
安全に自動車を運転していたはずが、警察から停車を求められる経験をしたことはありませんか。
交通事故を起こしてしまったときも、交通違反に問われることがあります。

そこで、本記事ではこの2つの切符についての違いや、罰則の内容を中心に詳しく解説します。

この記事をまとめると

  • 青切符や赤切符の罰則内容
  • 青切符における反則金の注意点
  • 赤切符は前科になる
  • 交通違反が及ぼす自動車保険への影響
  • 交通違反をしないコツ

青切符と赤切符の罰則内容とは

自動車を運転中に交通違反を犯し、反則金などを支払うことになった時に「青切符」もしくは「赤切符」が渡されることがあります。
では、この2つの切符の意味とはどのようなものでしょうか。
この章で詳しく解説します。

青切符の罰則内容

自動車の交通違反は軽微なものが多く、警察や裁判所に出頭して処罰を受けるものばかりではありません。
たとえば、車両の整備不良で尾灯が切れていたとして受ける反則については、違反点数は1点のみです。

違反点数が6点未満の交通違反は、簡潔に手続きを進める「交通反則通告制度」の対象となり、違反者は「反則金」を納めます。
反則金を納めれば、刑事裁判や家庭裁判所の審判は不要です。

反則金を支払う際に違反現場で渡されるのが青色の紙をしている青切符です。
青切符は「交通反則告知書」が正式な名称です。

青切符の納付期限青切符を受け取った日から8日間以内
通告書による納付期限
(青切符での納付ができなかった時は通告書が届く)
通告書を受け取った日から11日間以内

現場で警察官から渡された青切符については「告知」と言います。
告知に異議がなければ上記の期限内に速やかに反則金を納付します。

告知後の期限内に納付が間に合わなかった場合は指定された交通反則通告センターに出頭しなければならず、反則金納付の「通告」を受ける必要があります。
通告後は通告書と納付書が渡され、受け取った日から11日以内に納める必要があります。

青切符の反則金における注意点

違反した本人が通告に出向けない場合は代理人の出頭も可能のほか、郵送対応も可能です。
なお、反則金は「分納」することはできません。

コンビニやpay払いには対応しておらず、銀行・信用金庫・郵便局(簡易郵便局)で支払う必要があるため、期限内ではなく金融機関の営業日を念頭に置いて、一括で支払う必要があります。

東京都の場合、交通反則通告センターは池袋と立川にあります。詳しくは以下をご参考ください。

参考URL:警視庁反則金の納付

青切符の反則金を支払わないとどうなる?

もしも指定された通告後の期限も守らず、反則金を滞納したらどうなるでしょうか。
結論から言うと、刑事手続きが進んでしまうおそれがあります。

滞納者に対してはまず、催促状や督促状が発送され、それでもなお支払われない場合は警察から出頭要請が行われます。

それもさらに無視してしまうと、逮捕され刑事手続きが進み起訴される可能性もあるため、注意が必要です。
NHKによると、2024年10月に京都で、反則金の未納後の出頭要請に応じなかった3人が実際に逮捕されています。

参考URL:NHK 京都NEWSWEB 10月17日16時44分 交通違反の反則金未納 出頭要請応じず3人逮捕 京都府警

赤切符の罰則内容

赤切符とは正式には「道路交通法違反事件迅速処理のための共用書式」と呼ばれ、赤色の紙が使用されていることから赤切符と広く呼ばれています。
青切符とは異なり、酒気帯び運転などの重大な交通違反を犯した際に渡されています。

赤切符の罰則は非常に重く、違反点数が6点以上の違反が対象となります。
6点以上の違反は過去に違反の前歴がなくても免許停止(違反内容によっては免許取消)です。

赤切符は刑事事件として処理が進むため、反則金で処分が終わるのではなく裁判所が判断する罰金刑を処されることになります。

赤切符が渡されるタイミング違反内容、場所によって異なる
一般的な罰金の納付期限刑の執行から2週間以内

赤切符の罰金を支払わないとどうなる?

赤切符により発生した罰金を支払わなかった場合、督促状と新たな納付書が自宅に送付されます。
これも無視した場合は最終的に労役場留置が行われます。

1日あたり5,000円換算で労役場にて強制的に労働させられるもので、仕事や学業を失う可能性があるため絶対に避けるべきでしょう。

青切符・赤切符では「前科」が異なる

青切符、赤切符の罰則について上記でご説明しましたが、大きく異なる点として「前科」が挙げられます。

青切符は反則金の支払いがあっても前科にはなりません。しかし、赤切符の場合は罰金を支払った上で前科もつくことになります。
仮に別の事件で執行猶予中の場合は、懲役刑になる可能性もあります。

赤切符は免許停止・免許取消の処分に加え、罰金が科せられ、さらに前科も残るため青切符の感覚でいると社会的な影響も大きくなってしまいます。
赤切符を受けた場合は、速やかに罰金を支払いましょう。

【どのような時に切られる?】主な青切符・赤切符の違反内容とは

普段落ち着いて運転していても、うっかり交通違反を犯してしまうドライバーは少なくありません。
一旦停止無視などで反則金を支払った経験がある人も多いでしょう。

では、どのような違反が青切符・赤切符の対象になるのか、主な例を紹介します。
なお、本章は警視庁「交通違反の点数一覧表」(違反内容が一覧化されています)を参考に解説いたします。

参考URL:警視庁 交通違反の点数一覧表

青切符が交付される主な違反内容

青切符の違反内容は、主に「軽微な交通違反」が該当します。

  • 高速道路における40キロ以下の速度超過
  • 一般道における30キロ以下の速度超過
  • シートベルト装着義務違反
  • 信号無視
  • 通行禁止違反
  • 追い越し違反
  • 駐停車違反
  • 運転中の携帯電話の使用
  • 幼児等通行妨害  など

速度超過を例に挙げると、20キロ未満なら点数は1点、20キロ以上25キロ未満の場合は2点と、同じ超過でも超過速度によって異なります。
軽微な交通違反はおおよそ100種類以上あるとされ、ドライバーなら誰もが違反をしてしまうおそれがあるので、日頃から十分な注意が必要です。

赤切符が交付される主な違反内容

すでに解説のとおり、赤切符は青切符よりも重い違反内容に対して適用されます。
該当する主な違反内容は以下です。

  • 酒酔い運転
  • 無免許運転
  • 仮免許運転違反
  • 酒気帯び運転
  • 妨害運転
  • 50キロ以上の速度超過
  • 高速道路における40キロ以上50未満の速度超過
  • 一般道における30キロ以上50キロ未満の速度超過 など

上記に挙げた赤切符に該当する違反は、事故内容によっては重大な被害を引き起こす行為です。
たとえば、高速道路を速度制限の50キロ以上の速度で走行した場合、衝突事故が発生したら重大な交通事故に発展する可能性が極めて高いでしょう。

赤切符に重い罰則があるのは、交通マナーを遵守させるためだけではなく、交通事故による被害を少しでも減らすためです。

酒気帯び運転や妨害運転は罰則強化の声も多い

赤切符対象の違反の中でも、酒気帯び運転や妨害運転は死亡事故にもつながっており、ニュースで多く報道されています。
2025年に入ってからも、JR郡山駅前での受験生が酒気帯び運転の自動車にはねられて死亡しています。
また、妨害運転は「あおり運転」として広く知られるようになりました。

2020年(令和2年)には罰則強化に向けた妨害運転罪が新設されていますが、それでも妨害運転は発生しており時折深刻な妨害映像がニュースでも特集されています。

こうした動きを受け、酒気帯び運転や妨害運転は、罰則強化が過去に行われてきたものの、さらなる罰則を求める声も少なくありません。

参考URL:NHK 福島 NEWSWEB 2月22日16時51分
受験生死亡事故受け 毎月22日を「飲酒運転根絶強化日」に

青切符・赤切符は自動車保険にどう影響する?

運転中に交通違反をし、青切符・赤切符を切られた場合には加入している自動車保険にどのような影響があるのでしょうか。
この章では自動車保険のゴールド免許割引への影響や、事故時の問題点について詳しく解説します。

ゴールド免許割引が受けられなくなる

① 青切符を切られた場合

青切符は軽微な違反であるものの、違反であるため次回の運転免許更新時にはゴールド免許だった人はブルー免許に変更されます。
ゴールド免許期間中は自動車保険の「ゴールド免許割引」が適用されますが、免許更新後は適用されなくなるため自動車保険料は高くなります。

また、人身事故や物損事故を起こし、自動車保険から保険金支払いを受けた場合は、ゴールド免許の更新よりも先に「等級ダウン」が発生するため、自動車保険は高くなります。

オススメの記事

【ゴールド免許割引】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
ゴールド免許と自動車保険の関係性

② 赤切符を切られた場合

赤切符の場合、違反内容によって免許停止または免許取消の処分が科されます。
免許停止期間は最短30日、最長180日間となります。

ただし、免許停止処分を受けた場合は「免停講習」を受けることで期間短縮が可能です。
講習料金を支払い、講習を修了すれば再び運転できます。
次回の免許更新ではブルー免許となるため、ゴールド免許割引は適用されません。

免許停止期間が終了しても、違反点数は直ちにリセットされるわけではありません。最初の交通違反から1年間無事故無違反などの条件を満たす必要があります。

赤切符は内容によって免許取消となるため、取消後は再取得ができるまで運転ができないため、自動車保険も加入できません。
再取得は認められる欠格期間は1年から最長5年まであるため、運転そのものが禁じられます。

オススメの記事

【免許がゴールドからブルー】について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
自動車保険│免許がゴールドからブルーになったらどうなる?

重大な交通違反による自動車保険の支払いには注意が必要

飲酒運転による事故など、重大な交通違反を犯した上で交通事故が発生した場合、自動車保険に大きな影響を及ぼします。

まず、加入している自動車保険から被害者への補償として、人身・物損ともに保険金が支払われます。しかし、自身の自動車保険からは、車両保険や人身傷害保険など、加害者である自身への補償は支払われません。
これは被害者救済の観点から、補償が被害者に限定されるためです。

自動車保険に加入していても、赤切符を切られるような重大な違反を犯した人は、自身の自動車保険からの補償が受けられないため注意が必要です。

反則金・罰金は自動車保険でも補てんできない

自動車保険は事故などのトラブルに備えて加入する任意保険であり、万が一の際には保険金の支払いが行われます。
しかし、違反時に求められる反則金や罰金については、自動車保険から補てんされません。

交通違反を防ごう!安全運転のコツとは

神奈川県警によると、神奈川県内で発生した交通死亡事故の原因者のうち、約7割の人が過去に交通違反検挙されていました。
つまり、普段から交通違反を遵守していないドライバーが、交通死亡事故を起こしてしまった可能性が高いと考えられます。
そこでこの章では神奈川県警公表のデータをもとに、安全運転のコツを解説します。

参考URL:神奈川県警察 交通違反が事故を招く!

速度超過をしない

速度超過とは、自動車運転時の「スピード違反」を意味します。
すでにご紹介のとおり、速度超過の内容によっては免許取消も行われており、無謀なスピードを出した運転は重大な違反となります。

また、速度超過は警察が時々「取締り」を必要とするほど違反者がいます。
速度超過はカーブを曲がり切れなくなったり、対向車線にはみ出しやすくなるため、重大な交通事故につながる可能性があるため、控えるべきです。

速度超過をしない運転を心掛けることが、交通違反のみならず悲しい事故を防ぐ効果もあるのです。

通行禁止違反に注意する

安全に運転していても意外と多い交通違反に「通行禁止違反」が挙げられます。
多いケースとしては、一方通行区間を逆走してしまうものです。通学路や道路が狭い住宅街などは、一方通行区間に設定されていることが多くなっています。しかし、慣れない道路を走っていると、いつの間にか侵入していることも多いでしょう。

通行禁止違反を防ぐためには、標識をしっかり確認し、時間帯による通行規制を見落とさないことが重要です。
特に通学路は時間帯によって通行が規制されている場合が多いため、注意が必要です。

携帯電話の使用は控える

携帯電話の使用も交通違反の1つです。しかし、カーナビとして使用するケースも多く取締り時に検挙されるドライバーも少なくありません。
携帯電話の使用は注意力が低下したり、片手運転によるハンドル操作ミスも起きやすいため絶対に控えましょう。

シートベルトの装着を忘れずに

シートベルトは「すべての座席で装着」する必要があります。
自動車の運転席・助手席だけではなく後部座席の同乗者も着用する必要があります。(※やむを得ない事情がある場合を除く)

シートベルトを装着せずに走行していると、交通事故時に重大な人身事故に発展しやすい上、被害者側の過失も問われるため避けるべきです。
警察庁発表の「シートベルト関連統計」によると2023年(令和5年)の自動車乗車中の交通事故による死者数において、シートベルト非装着を分析した結果では、後部座席の死者数は42.6%にも達しています。

参考URL:警察庁 全ての座席でシートベルトを着用しましょう

【こんな違反はおかしい!】違反内容に不服があったらどうすればいい?

警察から停車を求められ、違反内容を詳しく聞いても納得できない場合、どのように対応すればよいでしょうか。
違反内容に不服があった場合の対応について、この章で詳しく解説します。

証拠がある場合は警察へ提示

近年ドライブレコーダーを搭載している自動車は多く、違反内容に不服がある場合は本当に違反を犯したのか映像で確認することも可能です。
このようなケースでは、警察に対して提示し、交通違反の事実を求めることが可能です。

ただし、警察側も簡単に処分の撤回を行うことは少ないと考えられるため、次に紹介する「弁護士への相談」が現実的な解決策でしょう。

弁護士への相談がおすすめ

違反内容や反則金に不服があったり、違反点数について争う場合には、行政に対する不服申し立てや訴訟などの方法があります。しかし、こうした方法は法律や訴訟の知識が少ない一般人では対応が難しいものです。

また、警察側に意見を主張することに抵抗感を覚える人も多いでしょう。
もしも納得のいく解決を求めたい場合は、あらかじめ弁護士に相談することがおすすめです。

まとめ

本記事では、青切符と赤切符の違いについて、反則金・罰金のしくみや自動車保険への影響も交えながら詳しく解説しました。
青切符に該当する交通違反はとても多く、運転をするドライバーなら誰もが経験する可能性があるものです。

この記事をきっかけに、今一度自身の運転マナーを見直し、自動車保険にも悪影響を与えないように注意しましょう。
また、赤切符に該当する違反は前科となるだけではなく、重大な交通事故を誘引するおそれがあります。
酒気帯び運転やあおり運転などは絶対に控えましょう。

投稿者プロフィール

岩田あき
岩田あき
経歴:大手損害保険会社に勤務後、弁護士事務所で秘書として交通事故訴訟の調査に従事

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